コロナ禍もひと段落し、今年の夏はお祭りや花火大会といったイベントを再開する自治体も増えている。人間にとってエンタメは必要とされるものではあるが、その一方で、再生可能エネルギーの導入、廃棄物の削減、地域コミュニティとの協力など、サステナビリティに配慮する必要性もより一層高まっている。各地の伝統的なお祭りもその例外ではなく、新たな取り組みに挑戦する自治体や団体も増えてきた。
株式会社クリーマは、高知のよさこい祭りとコラボレーションし、同祭りで重要な役割を持つ「鳴子(なるこ)」を回収し、新しいものづくりに挑戦する「よさこい祭り×Creema(クリーマ)アップサイクルプロジェクト」を実施する。
よさこい祭りは、前夜祭となる8月9日、10日〜11日の本番2日間、後夜祭の12日の計4日間で、約200チーム、18,000人の踊り子が鳴子を鳴らしながら高知市内を練り歩く祭りだ。2023年で70周年を迎える、歴史ある祭となっており、高知市民であれば誰もがひとつは自分の鳴子を持っているとも言われている。
職人が一つひとつ手作りする鳴子は、丈夫で使い捨てることはないものの、その年の衣装や流行に合わせて作り直すといった背景もあり、古い鳴子をまとめて大量に廃棄するケースがよくあるそうだ。
今回、株式会社クリーマは、同社が運営するハンドメイドマーケットプレイス「Creema」のクリエイターと共に、廃棄予定の鳴子を使ったオリジナル作品づくりに挑戦する。できあがった作品は、来年のよさこい祭り開催時に展示するとのこと。
創作活動に取り組む全国のクリエイターと生活者が、オンライン上で直接オリジナル作品を売買できるマーケットプレイスとして登場したCreemaは、これまでにも、オンライン・オフライン問わずさまざまなものづくりイベントを開催してきた。2016年からは、ものづくりを通じた地域共創・社会課題の解決を目指した取り組み「Creemaぐるっと にっぽんものづくり」も実施している。
過去には、観客動員を最優先とした運営が一般的であり、観光や消費を促進する手段として位置づけられていた各種イベントも、環境配慮への意識の高まりにより、少しずつ変化している。サステナビリティを重視したイベントへの転換は、持続可能性を持たせるだけでなく、エンタメ産業にとっても新たなビジネスモデルや雇用の創出、変革の機会を生み出すことに繋がるのではないだろうか。
【ウェブサイト】よさこい祭り公式website
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斉藤雄二
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