廃棄物から生まれた香り、チョコレートの残渣を使ったお香「カカオハスクのお香」販売開始

カカオハスクを原料としたサステナブルなお香「カカオハスクのお香」をご存じだろうか。チョコレート専門店を運営するチョコレートデザイン株式会社が、お香ブランド「Bridge and Blend(ブリッジアンドブレンド)」の協力のもと、開発した商品だ。

商品は、同社が運営するクラフトチョコレート専門店「VANILLABEANS(バニラビーンズ)」の4店舗や公式オンラインショップで、すでに販売開始されている。

VANILLABEANS、「カカオハスクのお香」販売開始。廃棄物から生まれたサステナブルな香り

カカオハスクとは、チョコレートを製造する際に排出されるカカオ豆の外皮のこと。年間約12tものカカオハスクを廃棄していたチョコレートデザインは、その有効活用方法を模索し、これまでにもタンブラーやクラフトビールといったさまざまなアップサイクル製品を開発してきた。

今回リリースしたお香は、カカオハスクのロースト感を活かしつつ、カカオの香りを維持する「香原料の調合」という挑戦の末に誕生したもの。リラックス効果の高いテオブロミンを含むカカオハスクに、サンダルウッドやシナモン、クローブなどのスパイスをミックスしたことで、チョコレートを思わせる、甘く柔らかな香りに仕上がっている。価格は1箱15本入りで2,200円(税込)、燃焼時間は1本約30分、香りの持続時間は約30〜60分とのこと。

VANILLABEANS、「カカオハスクのお香」販売開始。廃棄物から生まれたサステナブルな香り

プロデュースを担当したBridge and Blendのコレクション「Six in Sense」では、100%天然香原料・ハンドメイド・サステナブルにこだわったお香を取り扱っている。「梅花」や「荷葉」、「菊花」といった、平安時代を代表する香りにインスパイアされたコレクションは、現代の暮らしに馴染む、古くて新しい「日本の香り」として注目されているのだ。

VANILLABEANS、「カカオハスクのお香」販売開始。廃棄物から生まれたサステナブルな香り

ものづくりにも、これまでになかった発想や視点で、循環の環の中から新しいプロダクトを生み出す力が必要とされている。

「カカオハスクのお香」も、これまで廃棄されていたカカオハスクのアップサイクルという挑戦から生まれた製品ではあるが、ハスクのロースト感やリラックス効果、さらには在宅勤務との相性の良さなど、さまざまな価値を見出せるものに仕上がった。

ごみは、私たちが扱いきれなかった資源の成れの果てともいえる。サーキュラー・エコノミーの重要性が注目される近年、目の前のものをごみとするか資源とするかは、それを扱う人次第というところにまできているのかもしれない。

生活にある身近な「ごみ」と「資源」についてゆっくり考えたいとき、チョコレートのお香はぴったりではないだろうか。


【参照サイト】VANILLABEANS

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斉藤雄二

「フレキシタリアン」を実践している静岡在住のWebライター。これまでモノ系、テクノロジー、サイエンス、ビジネス、ファッションといったジャンルで執筆してきました。趣味は読書とフィットネスと料理。最近は愛車のfiat500でドライブに出かけるのが楽しみです。