日本の基幹産業である自動車製造業や関連メーカーに従事している人も、日常で車を運転する人も、ガソリンに代わる新しいエネルギーやその運用方法については、気になるところだろう。代替燃料で走る乗り物を積極的に試したり、実際に体験する機会を増やしたいなら、身近で運行している「都営バス」に乗ってみてはいかがだろうか。
東京都は、株式会社ユーグレナが製造・販売している次世代バイオ燃料「サステオ」を採用した都営バスの運行を開始した。東京都交通局小滝橋自動車営業所所有の都営バス58両にて、1月25日(水)から約1カ月間使用される予定だ。
ユーグレナが製造しているサステオとは、ガソリンに代わる次世代燃料として期待されているもの。飛行機のジェット燃料SAF(サスSustainable Aviation Fuelの略で、持続可能な航空燃料のこと)にも採用されており、国内でもすでに運航開始している航空会社もある。
原料は、使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)から抽出した油、バイオマス素材だ。分子構造が石油由来の燃料と酷似しており、既存の内燃機関(ガソリンエンジンなど)に負荷をかけることなく使用できるため、車やバス、船舶、飛行機などが、これまで通り運用可能となる。サステオを燃焼している最中はCO2を排出するが、原料がバイオマスのため、実質的にはプラスマイナスゼロとなる”カーボンニュートラル”な燃料だ。
今回の都営バスは、高田馬場と上野公園を結ぶルートや新宿と都庁を循環するルート等、小滝橋自動車営業所管内の7路線で運行される。詳しい運行情報は公式サイト「都バス運協情報サービス」の「車両検索」よりラッピング検索で「バイオ燃料」を選択すると確認可能だ。

画像出典:都バス運協情報サービス
毎年冬になると一部の地域で大型寒波にみまわれ、大雪による渋滞がしばしば問題となっている。次世代車両として開発が進むEV自動車は、リチウムイオンバッテリーが搭載されているため、急激な気温の低下によるパフォーマンス低下が課題だ。サステオのようなバイオディーゼル燃料なら、これまで通りの内燃エンジンをそのまま使用できるため、公共交通機関はバイオディーゼル燃料での運行を選択するかもしれない。
地球環境への課題解決はもちろん、往年の車両を大切に所有するオーナーや整備士、中古販売事業者、部品メーカーなど多くの分野に影響する次世代燃料問題。今後も注意深く追っていきたい。
【参照サイト】都バス運協情報サービス
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斉藤雄二
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