昨今、日本を含めた世界中で課題とされているもののひとつが、「ファッションロス」だ。毎シーズン流行が変わり、新しいものを求める現代の消費社会において、まだ着ることができるのに捨てられてしまう衣類は、一般家庭からの廃棄も含めると年間数十万トンにも上るといわれている。
デジタル印刷事業を展開する株式会社OpenFactory(オープン ファクトリー)は、ブラザー販売株式会社の協賛を受け、”コンタミボディ”をテーマとしたイベント「“隠れ繊維ロス”をリユースする《ReUse by Printing-01》–コンタミボディを知ってみよう!Circular Exhibition vol.2–」を9月20日(火)に開催した。
コンタミボディの元となる「コンタミネーション」とは、工業製品の製造中や店舗で料理を提供する際などに、異物が混入した製品を表すワードだ。主原料とは異なった物質が混入したために価値を失い、そのまま廃棄されることも多い。
株式会社OpenFactoryが展開する「ReUse by Printing(リユース バイ プリンティング)」は、綿花の殻などの異物が混入し、市場流通から外されてしまった生地「コンタミボディ(コンタミ)」で制作されたTシャツに、ガーメントプリンター「GTX(衣類に直接インクを塗布して印刷するプリンター)」で印刷して復活させるというプロジェクトだ。インターネットサービス「Printio(プリンティオ)」を通じて、繊維ロスを抱えた工場とTシャツを作りたい人のマッチングなども可能となっている。
今回のイベントでは、事前にPrintioのTwitter上で「再生」をテーマとしたデザインを募集し、コンタミボディ製Tシャツに印刷したものをイベント会場にて展示した。
Tシャツ展示会場は愛知県名古屋市中区にある「FabCafe NAGOYA」。株式会社OpenFactory代表の堀江賢司氏らによるトークイベント「テーマ-プリントとプリントが出来るサスティナブルなアクションを考える」も開催された。
個人では難しそうな繊維ロスのリユースが、デジタルプリンターとネットサービスによって、少しずつ可能となっているようだ。イベントやグッズ制作で使用されるTシャツも環境に配慮された素材を使用することで、もっとカジュア
ルに制作できるようになっていくのかもしれない。
【参照サイト】【9/20】“隠れ繊維ロス”をリユースする《ReUse by Printing-01》
【参照サイト】PrintioのTwitter
【参照サイト】ファッション産業のあゆみと未来 持続可能な業界への道標
【関連ページ】リサイクルを重ねた服ほど価値があがる?衣服の廃棄を減らす、これからの考え方
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斉藤雄二
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