オーダーメイドのビジネスウェアを展開する株式会社FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)が、サステナブルキャンペーンとして「WHITE FRIDAY 2022」を11月17日(木)から12月11日(日)まで開催している。このキャンペーンでは、商品化されることなく生地工場や問屋に眠っていた生地で作ったオーダー商品を販売。アイテムはスーツ、カジュアルジャケット、シャツ、ジャケットやスラックスと幅広く、単品でのオーダーも可能だ。価格はスーツ52,800円~、カジュアルジャケット25,000円~、シャツ14,000円~。
WHITE FRIDAYは、世界的なセール「ブラックフライデー」に合わせた独自企画として2018年にスタートし、今年で5回目を迎える。「どんな店でも黒字になる」ことが名前の由来のブラックフライデーは、近年国内でも盛り上がりを見せているが、サステナビリティの観点から「大量消費、大量廃棄を招く」と問題視する声も上がっていた。
実際に同社が「ブラックフライデーで買い物をしたことがあり、かつオーダーメイドで衣服を作ったことがある人」を対象に行ったアンケート調査によると、約70%が「ブラックフライデーで買ったものを使わなくなったことがある」と回答。使わなくなった商品の最多は「衣服」で、うち半数近くが廃棄されているという結果だった。
また、オーダーメイドの衣服に関しては約90%が「既製品に比べて廃棄しづらい」と感じており、リサイクルやリユースへの意欲が高いことも判明している。「セールで安いからと衝動的に購入した既製品が、結果的に捨てられるという循環が生まれてしまっているのでは」という問題提起から企画されたのが、このWHITE FRIDAYだ。
今年は行動制限が緩和され、外出の機会が増えたことから、「愛すべき服と、出かけよう。」をコンセプトに、厳選された19シリーズ、53種類の生地をラインナップ。シャツ用の生地も初めて加わり、購入希望者はお気に入りの生地を見つけながら、長く大切にできる自分だけの一着を仕立てられる。「孤高のカメラマン」「名家生まれの高貴なボディガード」など、気に入ったキャラクターを見つけてなりたいイメージを伝えることも可能だ。
アパレルの工場では、開発生地がブランドの事情などで商品化されずに長期在庫となってしまうことがある。この現状にブランド自身が向き合い、消費者とともに日々の消費行動を見つめ直すきっかけができたら―。WHITE FRIDAYにはこのような想いが込められている。
一人ひとりの体型や好み、ライフスタイルに合った服を、受注した分だけ作るオーダーメイドは、大量生産・大量消費の真逆をいく、まさにサステナブルな選択。オーダーメイドファッションをワードローブに取り入れることが、アパレルの供給過多や大量廃棄といった課題解決につながるのではないだろうか。
【参照サイト】FABRIC TOKYO
【参照サイト】WHITE FRIDAY 2022
富永周也
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