「究極の時短シャツ」共同開発者、山田千紘さんインタビュー。だれもがファッションを楽しめる時代へ

ロイネ、山田千紘

出勤や通学の準備で慌ただしい朝に、シャツやブラウスのボタンを一つひとつ留めることに面倒臭さを感じたり、慌てて留めたつもりが掛け違えていて「あーっ」と思わず声が漏れた経験がある人も多いのではないでしょうか。

そんな朝の時間にゆとりを生み出す「究極の時短シャツ」のプロジェクトが、アタラシイものや体験の応援購入サービスMakuake(マクアケ)で開催中です。今回の取り組みは、総合アパレルメーカーの株式会社ロイネと、モチベーショナルスピーカーの山田千紘さんとの共同開発プロジェクトです。

“究極の時短”を可能とする「マグネットボタンシャツ」は、ロイネ社が立ち上げた新ブランド「=tempus=(イコールテンプス)」から生まれたアイテム。フロントのボタンがマグネットになっていて、重ねるだけで前を閉じることができます。強力な磁石が使われているため、着用中に外れたり、洗濯をして磁力が落ちたり、ということもありません。カフスもマグネット仕様になっていて、留めづらい利き手側の袖もしっかりと留まります。

マグネットボタンシャツ

うれしい機能はこれだけではありません。マグネットボタンシャツは、生地にもこだわっていて、通気性の良いストレッチ素材を採用。体を動かしやすく、撥水性と通気性に優れているので、湿度の高い季節を含め、1年中快適に過ごせそうです。また、シワになりにくい素材を使用しているので、日々のお手入れにも時間がかかりません。

シャツの表に通常のボタンが縫い付けられているので、見た目は、一般的なボタンがけの白いYシャツと変わりません。ベーシックなデザインなので、通勤や通学はもちろん、冠婚葬祭といったフォーマルな服装が求められる場でも役に立ちます。S〜LLの4サイズ展開なので、自分の体型に合ったシャツを手に入れることができます。

マグネットボタンシャツ

「究極の時短シャツ」の詳細については、Makuakeのプロジェクトページ「一瞬でボタンが留まる!アイロン掛け不要!忙しい朝にゆとりを生む、究極の時短シャツ」で確認できます。

20歳の時に人身事故で両足と利き手を失った山田さんがロイネ社とともに、すべての人が便利に快適に過ごせるようにと開発した「=tempus=」のマグネットボタンシャツには、一体どのような想いが込められているのでしょうか。

共同開発者の山田千紘さんと、株式会社ロイネのアウター営業第2部でシャツの開発を担当している、岩井竜太さんと勅使川原浩之さんに、今回のコラボレーションのきっかけや開発ストーリについて、お話をうかがいました。

ロイネ、山田千紘さん

岩井竜太さん、山田千紘さん、勅使川原浩之さん

時間は誰にでも平等、「=tempus=」の文字に込められた想い

ブランド名の「=tempus=」は、「時間は誰もが平等に持っている」という山田千紘さんの一言から生まれました。「tempus」はラテン語で「時間」の意味。その時間の両側に「=」をつけたブランド名には、時間と同じように、ファッションも、すべての人にとって平等なものであって欲しいという想いが込められていると言います。

山田さん

岩井さん:大量生産・大量消費のものづくりではなく、社会をよりよい方向に変えていけるようなファッションを提案したいという思いがありました。そんなとき、YouTubeで山田千紘さんが、出勤前にスーツに着替える場面を目にしました。千紘さんとなら、誰もが平等に楽しめる服が作れる、そう思って、お声がけしました。

山田さん:最初にInstagramのDMに連絡をいただいたのは、1年半ほど前です。企画を聞いてすぐに「やりましょう!」と返事をしたのを覚えています。ぼくは会社勤めなので、毎日スーツに着替えます。朝の忙しい時間帯にシャツのボタンを一つひとつかける作業は正直面倒くさい。着替えの時間を『時短』して時間を有効活用したい、ぼくと同じような思いがある、すべての人に向けて服を作りたいと考えました。

たとえ便利だとしても、「ださい」服は着たくない

ファッションにとって「かっこよさ」は大切な要素であると、山田さんは言います。しかしながら、便利で機能性重視の服は、デザイン的に洗練されていないことも少なくありません。スピーディーに着替えられて、なおかつ、ベーシックで洗練されたデザインのシャツを作ろうと思った時、「マグネット」の存在がぱっと頭に浮かんだそうです。山田さんのアイデアから生まれたマグネットボタンシャツですが、製品化されるまでの道のりは、けっして楽ではなかったと、勅使川原さんは言います。

ロイネ

岩井さん:開発段階での苦労といえば、マグネットはミシンにくっつくため、量産が難しく、生産可能な縫製工場探しに時間を要しました。結果的に、ベトナムにある縫製工場で受注生産することになりました。また、ちょうど良い磁力のマグネットの調達も簡単ではありませんでした。

勅使川原さん:素材は、国内生産の軽くて通気性のよいニット素材を採用することで、動きやすさと、上質な質感の両方を実現しました。着替えだけでなく、着ている間も快適さを実感していただけるよう、素材にもとことんこだわりました。

山田さん:ぼくの知らないところで、そんな苦労があったんですね。ぼくは、ロイネさんが作ってくれた試作品を家に持ち帰り、着る、脱ぐ、洗うなど、1週間生活の中で使ってみて、気になったことをレポートしました。そうやって何度も試行錯誤を繰り返し、シャツが完成した時には、まさに想い描いていたYシャツだ!と感動もひとしおでした。

着る・脱ぐ・洗う、すべてにおいて「時短」を可能に

実際にマグネットボタンシャツを触ってみると、生地のなめらかさやシルエットの美しさ、マグネットボタンの操作性の良さに感動します。プロジェクトの支援者について、岩井さんに伺うと、7割が20代以上の男性で、残りの3割は、30代以上の女性という答えが返ってきました。

岩井さん:形状記憶とは言いませんが、しわになりにくい素材を採用しているのので、洗濯後にアイロンをかけずとも着ていただけます。また、ポリエステル100%のニット素材なので、洗濯の乾きが速いのも特徴です。すぐに乾いて、アイロン不要なので、出張や旅行に持っていく1枚としても最適です。
マグネットボタンシャツ

勅使川原さん:すべてのボタンをマグネットにすると、勝手に上まで留まってしまいます。多様な職業・立場の方に着用していただけるよう、ネクタイを使わない時にも対応できるよう、第一ボタンの部分のみスナップボタンを使用しています。

第一ボタン
山田さん:パートナーや息子さん用に購入する女性の方も多くいらっしゃると聞いています。着替えの時だけでなく、マグネットボタンシャツは、洗濯後にハンガーに吊るす際も、さっとボタンが留まるので便利です。制服用のシャツとして、中高生のいるご家庭にもおすすめです。

誰もが着たい服をあきらめなくていい社会へ

山田さんに、ファッションへのこだわりについて尋ねてみると「ふつうに、自分が着たい服を身につけたい、それだけです」という答えが返ってきた。誰もが平等にファッションを楽しむ社会を目指す「=tempus=」の、今後の展開について伺いました。

山田さん:ぼくはただふつうに、自分が着たい服を着たい。でも、社会にはそれが簡単に叶わない人がいることも知っています。着たい服を楽しめない人がいる社会は平等ではありません。

今回、ロイネさんのような大企業が、すべての人が平等にファッションを楽しめる社会を目指して、アクションを起こしてくれたことは、社会にとって大きな意味があることだと思います。

勅使川原さん:今後、「=tempus=」の商品展開を増やしていくには、生産体制や素材など、さまざまなハードルがあります。一方で、地球環境にプラスのインパクトという点では、今回のように、受注生産で欲しい人にだけ製品を届けることは、大量生産・大量消費による廃棄衣料の課題解決にもつながるのではないかと思います。

山田さん:まずは男性用の白いYシャツを作りましたが、ブランドのコンセプトは、だれもが平等に楽しめるファッション。今後は、性別にこだわらずに着られるアイテムも提案したいですね。

編集後記

誰もが着たい服を平等に楽しめる社会に向け、ロイネ社と山田千紘さんが開発した「マグネットボタンシャツ」。洗濯機使用や、漂白剤、柔軟剤の使用もOKだということで、汚れても家庭でしっかり洗えるのもうれしいポイントです。

次は「義足でも簡単にはけるボトムスも作りたい」と、山田さん。多様な人が生き生きと暮らせる未来を、ファッションを通して紡いでいく、「=tempus=」の今後の展開から目が離せません。

【参照ページ】一瞬でボタンが留まる!アイロン掛け不要!忙しい朝にゆとりを生む、究極の時短シャツ|Makuake(マクアケ)
【参照サイト】YouTube:山田千紘 ちーチャンネル
【参照サイト】山田千紘 Tik Tok

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Life Hugger 編集部

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