2月も終わり、春がそこここに感じられるようになりました。
庭には野の花があちこちに咲き始め、野菜もぐんと勢いづいています。生命の躍動、芽吹きの季節がいよいよ始まります。
朝晩はかなり冷え込むこともあるけれど、日中は晴れたらぽかぽかで、上着もいらないくらい。このギャップは南国高知の山のふもとならではなのかもしれません。
これからゆきつもどりつしながら(三寒四温、とはよく言ったものです)、春に向かっていくのだろうな、と思いながら過ごしています。
ハワイは常夏のイメージだけど、この時期でも最低気温が15度もあるそうですね。以前加奈子が「ハワイだってずっと夏なわけでもなくて、寒い時期があるんだよ」と言っていたことを思い出しました。
採れば採るほど生える菜の花で、高知から春を届ける
最近の朝の日課は、菜の花摘みです。
こぼれ種から育った株から、毎日どっさり採れます。菜の花ってほんとうにすごくて、採れば採るほど生えてくる。
つぼみを摘むと、あたらしい花芽が脇からどんどん出ててくる。花が咲いてしまうと、あたらしいつぼみは出なくなるので、毎朝せっせと摘みながら、「これは永遠系野菜だなぁ」(永遠に採れ続ける、という意味)と思っています。
自分たちだけでは食べ切れないから、友人知人、近所の人におすそ分けしたり、食堂を営む友人に送ったり。北海道に住む「菜の花が大好物」の友人には、小包にして送りました。
食べ方は、おひたしや胡麻和え、それからナムル。洋風だったらたっぷりのオイルで蒸し煮や、パスタにしてもおいしい。この時期のおちらしには菜の花をたっぷり散らします。
自然の恵みをシェアして、春の喜びを分かち合う
こぼれ種から自然に育った菜の花は、種も苗も買わず、全然手間もかけていない。日々、育ち続けるつぼみを摘むだけ。
そして、食べ切れないほどあるので、どんどんシェアする。さしあげるだけでなくて、むしろご近所さんからおすそ分けいただくことの方が多くて、このあいだは、かごいっぱいの金柑とふきのとうを分けてもらいました!
そんな循環に、なんというか感激してしまうのです。そして、自然はそもそもそこんな風に成り立っていたのではないかな、と。
あらゆるものに値段がついて、お金を払って手に入れる時代に私たちは生きているけれど、だからこそ、シェアや循環という方向性に意識を向けながら、暮らしのなかに取り入れたいと思っています。
ものだけでなく「気持ちのシェア」も大切に
シェアはものだけではないですね。差し出せる「もの」がなくても、ちょっとした手助けや、「大丈夫?」という声掛け一つでも「気持ちのシェア」と言えるんじゃないかな。
同時に、世界で起きている事にも気持ちを向けることも「シェア」だと思います。
たとえば、今ガザでパレスチナ人が命を奪われ続けていること。寄付やデモ、意見の発信など、「できること」は色々あるけれど、「こうすればよい」というものがあるわけではないし、ひとりの、一回のアクションで何かが劇的に変わるわけではない。「だからなにをしてもしょうがない」ということではもちろんなくて、やっぱり「知ること」、もっと言えば「知ろうとし続けること」が大切だと思っています。なぜなら、その上でのアクションは一度きりのものではなく、きっと持続すると思うから。
気持ちの余裕がない時は「それどころではない」と感じることも当然あるし、あまりに悲惨な出来事を前に、自分の無力さに立ちすくんでしまうことだってある。それでもあきらめず、考えることを手放さないで、「できることから」小さな一歩を重ねていきたいと思っています。
加奈子からシェアしてもらったこともたくさんありました。海や航海について情熱的に教えてくれたこと。
私たちがはじめて高知に行った時、加奈子の家に家族4人を泊めてくれたこと、一緒に料理したこと、地域の方を紹介してくれたこと。そんなすべてが、すごいシェアだったなあ!とあらためて思うのです。
ハワイではどんなシェアの文化があるのか、聞いてみたいな。きっと、どこに住んでいても、加奈子の周りには、たくさんのシェアが生まれると思うから。
お返事は気の向いたときにゆっくりで大丈夫。
今日もこれから菜の花を摘みに行ってきます!
高知の麻子より
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服部麻子
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