リボベジというと、野菜の切れ端を使うイメージがありますが、果物でもリボベジができることをご存じでしょうか?
リボベジ(再生野菜)とは「リボーンベジタブル(reborn vegetable)」の略で、食べ残した野菜のヘタや根元部分を使って、植物の再生能力を活かした栽培方法です。
家庭菜園を始めるには、準備や手間がかかりますが、リボベジは本来捨ててしまう野菜を活用するので、とても気軽に始めることができます。そのため今までに植物を育てたことがない初心者にもおすすめです。
今回は、パイナップルを食べた後に残ったヘタの部分を利用しリボベジに挑戦した様子と育て方のポイントなどを紹介します。
リボベジは初心者におすすめ
リボべジは、もともと捨てる部分を利用するので、失敗をおそれず軽い気持ちで挑戦することができます。「家庭菜園に興味はあるけれど、初心者なのでハードルが高い」「料理のときに出る野菜ごみがもったいない」「食費を節約したい」と感じている人におすすめです。
育てる野菜によって栽培の難易度がありますので、育てやすいものから挑戦してみてください。
【関連ページ】リボベジに挑戦!初心者が育てやすい野菜・ハーブ5選を紹介
パイナップルのリボベジを始める前に
パイナップルのリボベジを始める前にあらかじめ知っておいた方がいいことをまとめました。
収穫までに約2年かかる
2年は長く大変のように感じますが、元は捨てる部分ですので、上手くいけばラッキーという気軽な気持ちでぜひ挑戦してみてください。なかなか実がつかない場合は、観葉植物として楽しむこともできます。
病害虫に強い
パイナップルは病害虫に強く丈夫なので、栽培に手間がかからず初心者にもおすすめです。比較的暑さや乾燥に強いタイプですが、風通しが悪いとカイガラムシが、乾燥し過ぎるとハダニがつくことがあります。
寒さに弱い
パイナップルは寒い冬が苦手です。寒い季節には、日当たりの良い室内などで栽培してください。室内では観葉植物としても楽しめます。尖っている葉先が気になる場合は、葉先を切って栽培することもできます。
パイナップルのリボベジに挑戦してみました!
パイナップルをリボベジで育ててみました。実を収穫するまでの栽培の記録と共に管理する際のポイントなどを紹介します。今回の栽培は、春にリボベジを開始しています。
栽培前
パイナップルを食べた後のヘタを使います。ヘタは数日ほど乾燥させて、今回は水耕栽培で根が出る様子を観察しました。
栽培1年目
水耕栽培は、日当たりの良い室内に置きます。葉の部分に水がつかると腐りやすいので、水の量は切り口が浸る程度に調整しました。
※水耕栽培をせず乾燥後そのまま土にヘタを植えても大丈夫です。今回は無事に根が出ることを観察したかったので水耕栽培を選びました。
白い根が出てきたら、水耕栽培から外の土栽培へと移しました。実際は切り口全体より根が出た状態で土へ移しました。本来は生長と共に徐々に大きい鉢へと植え替えをしていきますが、手間なので大きめの鉢に植えました(以降植え替えはしていません)。
また、寒さが苦手なため冬はビニールハウスに入れて栽培しました。肥料は4~10月が良いそうですが、今回は月に1度のペースで与えています。また、土は元肥が入った土を使用し、農薬などは使用していません。
栽培2年目
春に蕾がつきました。朝晩の気温が上がってくる頃、鉢をビニールハウスから外へ出して栽培しました。
初夏に花が咲き始めました。下から順に花が咲きます。形もパイナップルの実になってきています。
夏の終わりには完全な実となりました。実になったばかりはまだ緑色です。
実が緑色から黄色へと変化してきました。収穫まであと少しです。
秋に実の全体が色づいたのを確認し、収穫しました。熟すとほのかに良い香りがします。パイナップルは追熟しないため、収穫するタイミングを慎重に見極めました。
完熟で収穫するため、とても甘くジューシーなパイナップルとなり大満足でした。甘みが強いので芯の部分も美味しくいただきました。食べた後のヘタは、もちろん再リボベジします。
子株も分けて植えてみた
今回、パイナップルを育てていると、脇から子株が出てきていることに気づきました。株分けをして再び栽培することに挑戦してみようと思います。株分けから栽培するともう少し早く収穫できるのではないかと期待しています。
さいごに
パイナップルの栽培期間が約2年と知った時は長く感じましたが、実際に育ててみるとわが家では虫や病気もなく、とても順調に育てることができました。寒さ対策には注意が必要ですが、家庭菜園の他の野菜よりも手間がかからずに育てられたようにも感じます。おうちでパイナップルを食べる機会がある際は、ぜひパイナップルのヘタは捨てずにリボベジ栽培に活用してみてください。みなさんにも完熟のパイナップルを味わってほしいです。
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中池 梓
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