関西旅行というと、京都を思い浮かべる人が多いかもしれません。
寺社仏閣に京グルメ、抹茶スイーツなど見どころたっぷりの観光地ですが、特に最近、人気の観光スポットは世界中からの観光客で溢れ返っているのが現状です。
混雑を避けてゆっくりとその土地を楽しみ、その土地ならではのユニークな体験がしたい。人目を気にせず写真を撮影したい。地産地消の食事を楽しみたい。今回は、そういった希望を叶えられる京都から滋賀県への旅をご提案します。
京都から滋賀の琵琶湖へ、水を旅する
桜の時期、ピンク色と菜の花の黄色に包まれた疏水を走るボートの写真を目にしたことはありませんか。今回は、「びわ湖疏水船」に実際に乗船して、最新のコースをご紹介します。琵琶湖疏水を旅する
琵琶湖疏水は竣工130年を迎えた令和2年、文化庁により「日本遺産」に認定。明治時代の偉業とも言われるこの疏水は、琵琶湖から京都へ水を引くだけでけでなく、大阪までの物流ルートとして使われていました。竣工以来、今も現役で使われている人工の運河です。
この大規模な疏水建設で特筆すべきは、すべてが人力であったこと、大半の資材を自給自足でまかなったこと。さらに当時の日本では大規模な土木工事は外国人技師の設計監督に委ねるのが一般的でしたが、琵琶湖疏水は全工程を日本人の手で行われました。
コースの延長で新しい体験も
びわこ疏水船の航路が2024年より延長!今までの蹴上から三井寺までのコースが、三井寺からさらに大津港まで(1.5km)の船旅も楽しめるようになりました。
数ある見どころの中でも、今回延長された区間に位置する「大津閘門(おおつこうもん)」は、琵琶湖と疏水の水位差の調整を体感できる、貴重なポイントです。
ガイドさんの話に耳を傾けて
最初に動画やガイドさんの説明を聞き、琵琶湖疏水について少し学んでからの乗船になるため、クルーズがより楽しめます。びわこ疏水船にいざ乗船!
疏水クルーズは蹴上駅付近の乗船場からスタート。出発後すぐに第3トンネルをくぐるところから、水の旅路ははじまります。そして第2トンネル、琵琶湖の近くにある第1トンネルを抜けるとこの旅のクライマックス、大津閘門が待っています。トンネルのなかは涼しく、外とは数度違うように感じます。そのトンネルの出入り口にかかげられているのは、伊藤博文や山縣有朋など明治の先人たちによる石に文字を掘ったへん額。文字のデザインや言葉の意味を楽しんで。
またトンネルを進むと、ガイドさん曰く「テーマパークのようなアトラクション」も待っていますが、それは乗った人のお楽しみ…!また琵琶湖に近づくと、京阪石山坂本線が疏水の上を通っています。タイミングがよければ疏水の上を列車が走る風情溢れる景色に出会えます。
桜、菜の花、新緑、紅葉
疏水沿いには、季節ごとに花々が咲き誇ります。特に諸羽トンネルと第二トンネルのあいだの安朱橋付近は桜や菜の花で有名なスポットです。さらにコスモス、また新緑や紅葉の美しさも格別です。 人々の目を楽しませる以外に、根を生やし土地を守るという目的も。ガイドさんによると、なんとこれらの花は主に地元の人たちが世話をしているそうですよ。クライマックスの大津閘門から大津港へ
今回の航路延長によって追加された、ハイライトのお楽しみがこちら!
パナマ運河の手法と同様で、2つの門を使い琵琶湖疏水と琵琶湖の水位を調整し、船が両者を行き来できるような仕組みです。今までは、人力で扉の開閉をしていましたが、最近自動になりました。船に乗ったまま、じわじわと水位が上がるのを体験できます。琵琶湖に続く扉が開くときは、ワクワクの気持ちが高まります。
地産地消のランチなら
大津港の乗下船場の近くでランチするなら、ぜひ「浜大津アーカス」を目指して。そのなかにある、フードコート併設の「湖の駅 フードコート おいしや」がおすすめです。滋賀県産キヌヒカリなど、地元の食材を使った近江国自慢のグルメを楽しめます。釜で焚いているご飯はおかわり可能。琵琶湖ならではの身の締まったビワマスがメインの御前を選び、野菜の小鉢と美味しくいただきました。無料の麦茶まで滋賀県産と、細部までこだわりを感じます。
デザートには濃厚な山田牧場ソフトクリームを使った抹茶ソフトクリームを忘れずに。
その後はお隣の「近江の特産品 うれしや」で一日の記念に、お土産を探すのも楽しいひとときに。
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歴史に想いを馳せ、いつもと違う目線で豊かな自然のなかをクルーズする非日常的な楽しさ。また疏水沿いの人たちが次々と手を振ってくれたこと、その笑顔がとても印象に残っています。
京都から一歩外に出て出会う、新しい風景と体験。ぜひ次の旅の候補に検討してくださいね。
【参照サイト】日本遺産 琵琶湖疏水
【参照サイト】湖の駅浜大津
mia
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