Iphone14発売!進化する Appleの環境への取り組みとは

世界一の企業Appleのサステナブルな取り組みと大きな変化

2022年9月8日にAppleのスペシャルイベント「Far Out.(ファー アウト)」が開催されました。毎年、秋のタイミングでiPhoneやApple Watchの新型機が発表されることが多いため、期待していた人も多いのではないでしょうか。

注目は、新製品の発表だけではありません。Appleはここ数年、サステナブルやSDGsに関する同社の取り組みについても積極的に公開しています。今回のイベント配信動画でも新型機お披露目のたびに、サステナブルに関する取り組み内容やその成果を発表していました。

そこで本記事では、Appleのサステナブルな取り組みに注目して見ていきます。

各製品カテゴリごとにサステナブルな活動内容を公開

Appleのスペシャルイベント「Far Out.」はYouTubeでも公開されており、日本語字幕も用意されています。発表のなかで、Appleは同社のサステナブルに関する取り組み内容や成果について公開しており、各製品カテゴリの発表の最後に、それらの活動報告を加えている点が印象的です。

世界一の企業Appleのサステナブルな取り組みと大きな変化

画像出典:Apple

例えば1時間4分43秒あたりからは、新型iPhoneに関連する具体的な取り組み事例を紹介していました。AirPods Proについては45分から、Apple Watch Ultraは36分から紹介されています。

特設ページでは詳細な活動内容を閲覧できる

Appleはオンラインイベントで発表したサステナブルに関する内容を、より詳細に知ることができる特設ページを公開しています。

世界一の企業Appleのサステナブルな取り組みと大きな変化

画像出典:Apple

例として、iPhoneのアンテナ線の素材にはアップサイクルしたペットボトルを使用しており、貴重なレアメタル(金など)は100%リサイクルしたもののみを採用しています。充電機能に使用される「MagSafe(マグセーフ)」の磁石も100%再生希土類元素です。

本体だけではありません。パッケージ中の使い捨てプラスチックは2015年から75%削減。プラスチックに加えて銅、スズ、亜鉛といったさまざまな素材が最も多く必要とされる充電アダプタは、iPhone 12世代から同梱していません。これにより、今日までに55万トン以上の銅、スズ、亜鉛の採掘を回避できたと推定されています。

実際に、筆者のiPhone XSと新しく購入した新型iPhone 14の化粧箱を比較してみましょう。サイズが約半分になり、同梱物も大きく減っています。

Apple

2018年に販売されたiPhone XSでは、充電ケーブルのほかにイヤホンと充電アダプタが同梱されています。一方、2022年に販売されたiPhone 14には充電ケーブルしか入っていません。説明書やSIMピン、Appleステッカーなども大きく削減されています。

充電器やイヤホンが同梱されなくなった点については賛否両論ありますが、約2〜4年という買い替えスパンのiPhoneユーザーにとって、毎回周辺機器が同梱されている必要はないという判断なのかもしれません。必要に応じて購入するのが、環境にとってもユーザーにとっても、賢い選択だといえます。

過去の各製品カテゴリについても、モデルごとに「製品環境報告書」を公開しており、2008年に日本で初めてリリースされた「iPhone 3G」まで遡っていつでも閲覧可能です。

サプライチェーンを含めた全体でカーボンニュートラル100%を目指すApple

Appleは、ユーザーが手にする製品端末だけではなく、自社やサプライチェーンを含めた全体でサステナブルな取り組みを進めており、2030年までに完全にカーボンニュートラルを達成することを目標としています。

例えば、2008年以降の製品平均エネルギー消費量は70%まで削減に成功し、企業活動においては、太陽光や風力といった再生可能エネルギーで100%運営しています。それでも、カーボンフットプリントの約70%は製品の製造による排出が占めていることから、2022年現在は213社のサプライヤーが、Apple製品の製造に100%再生可能電力を使うことを確約しているそうです。これにより、2021年に1,830万MWhのクリーンエネルギーを生み出し、約1,400万トンの炭素排出を回避したと発表しています。

「Appleのサプライチェーンにおける人と環境」の2022年進捗報告書には環境問題だけではなく、人の生活環境や雇用問題に対するアプローチも詳細に報告しています。労働者の権利や人権はもちろんのこと、健康や安全性、ウェルネスに関する要点など、103ページに渡ってまとめられているものです。

ユーザーも「製品リサイクル」で参加しよう

企業やサプライチェーンの努力だけでは、カーボンニュートラル100%は達成できません。特にAppleのような大きな企業にとっては、ユーザーの協力も必要です。

そのために、Appleは自社製品の回収やリサイクルプログラムも積極的に実施しています。

世界一の企業Appleのサステナブルな取り組みと大きな変化

画像出典:Apple

「Apple Trade In」は、新製品の購入と同時に申し込める下取りサービスです。下取り価格を新しい製品の購入費から差し引くことができます。申し込みから、古い端末の発送まで非常にスムーズに完了できる点も魅力です。下取り価格が付かないような古い端末については、無料で引き取ってもらえる「リサイクルプログラム」も実施しています。どちらも、Apple製品だけではなく、他社製品も対象となっているケースがあるため、気になる人はチェックしてみましょう。

今後は大企業のサステナブルな取り組みにも注目

Appleのサステナブルな取り組みについて紹介してきました。「化粧箱のフィルムがなくなった」や「充電アダプタが同梱されなくなった」など、小さな変化に気がついていた人は多いようですが、ここまで大きな変化があったことには驚きです。

iPhoneだけでも、年間数千万〜数億台の出荷があると言われていて、その影響力はとても大きなもの。ときには、こういった大きな企業の取り組みにも注目してみると、普段何気なく使っている製品への見方が変わるかもしれません。

【参照サイト】:Apple
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斉藤雄二

「フレキシタリアン」を実践している静岡在住のWebライター。これまでモノ系、テクノロジー、サイエンス、ビジネス、ファッションといったジャンルで執筆してきました。趣味は読書とフィットネスと料理。最近は愛車のfiat500でドライブに出かけるのが楽しみです。