日本の夏は日差しが強く、気温・湿度ともに高いのが特徴です。夏はエアコンをつけっぱなしにしているという人も多いのではないでしょうか。部屋で快適に過ごすため、熱中症対策のためにもエアコンの使用は仕方ないとはいえ、今年の夏は電力のひっ迫や電気代の値上げなども気になるところです。そこで今回は、家庭で無理なく実践できる夏のエアコンの節電アイデアをご紹介します。
エアコンの冷房使用時の1時間あたりの消費電力と電気代は?
まずは、エアコンの冷房使用時の消費電力と1時間あたりの電気代を見てみましょう。
2022年度モデルのPanasonic製エアコン(CS-LX402D2/主に14畳)の場合
- 冷房使用時の消費電力:120W~1,800W
- 1時間あたりの電気代の目安:3.2円~48.6円
(※エアコンの消費電力と電気代は、室内の状況や契約している電力会社によって異なります)
このことから、エアコンの使用状況によって消費電力や電気代に大きな差がでることがわかります。環境省によると、冷房の設定温度を1℃上げると消費電力を約13%削減できると言われています。環境保護のため、ご家庭の財布のため、上手く節電しながら冷房を使用する方法をみていきましょう。
簡単!無理なくできる冷房の節電アイデア9つ
家庭で今すぐ実践できる節電アイデアをご紹介します。
- まずは部屋を換気して熱を逃がす
- エアコンの風量は「自動」
- 風向きは「平行」か「上向き」
- サーキュレーターを併用する
- 2週間に1度はフィルター掃除
- 室外機の対策も忘れずに
- 部屋に直射日光が入るのを防ぐ
- 打ち水をする
- インテリアを寒色系にする
1.まずは部屋を換気して熱を逃がす
帰宅時に室内の気温が外よりも暑いと感じたときは、すかさず冷房を入れたくなるものです。しかし、熱気がたまったままの状態でエアコンを使用すると部屋が冷えるまでに時間がかかり、その分消費電力も大きくなります。エアコンの電源を入れる前には窓を開けて換気し、部屋にたまった熱気を外に逃がしましょう。このときに対角線上にある2つの窓を開けて換気するとさらに効果的です。
2.エアコンの風量は「自動」
エアコンは、運転を開始した直後と設定温度に到達するまでに多くの電力を必要とします。そのため、最初から風量を「弱」にしていると設定温度に達するまでに時間がかかり、その間多くの電力を消費し続けます。また「強」にしたままでいると、室温が設定温度に達した後も強風を吹き出し続けることになります。
そこでおすすめなのが風量を「自動」に設定することです。これであれば、最初は強風で部屋を設定温度まで冷やし、その後はエアコンが自動的に微調整をしながら運転してくれます。風量の設定はエアコンにお任せしましょう。
3.風向きは「水平」か「上向き」
熱い空気は上へ、冷たい空気は下へ流れる性質があります。風向きが「下」だと冷気が下に溜まり、天井付近は熱いままとなります。その結果、エアコンが設定温度に達していないと判断し、必要以上に稼働し続けてしまいます。だからこそ、エアコンの風向きは「水平」か「上向き」がベスト。天井から床に向かって冷気が下りてくるようにすることで効率良く部屋全体を涼しくすることができます。
4.サーキュレーターを併用する
エアコンとサーキュレーターの併用は本当に節電になるのかと疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。そこで、エアコンとサーキュレーターの消費電力と電気代を確認してみましょう。
先ほどご紹介したPanasonic製エアコン (CS-LX402D2/主に14畳)
- 消費電力:120W~1,800W
- 1時間あたりの電気代の目安:約3.2円~約48.6円
一般的なサーキュレーター
- 最大消費電力:21W程度
- 1時間あたりの電気代の目安:約0.5円
以上のことから、エアコンに比べてサーキュレーターの消費電力はごくわずかなことが分かります。そのため、暑いからと設定温度を下げてエアコンの消費電力を上げるよりも、サーキュレーターを併用するほうが消費電力を抑えることができます。また、サーキュレーターからの風が身体に当たることで涼しく感じやすく、エアコンの温度を高く設定できるようになります。暑いと感じるときはエアコンの設定温度を下げる前に、エアコンとサーキュレーターを併用してみましょう。
また、サーキュレーターを使用するときは、下に溜まった冷気を循環させるために天井に向けて風を送ると効率的です。
5.2週間に1度はフィルター掃除
エアコンは室内の熱い空気を吸い込み、冷気を送り返しながら稼働しています。このときにエアコンが室内の埃なども一緒に吸い込んでいるため、手入れをしないとフィルターに汚れが溜まっていきます。そして、エアコンの効率が低下し、消費電力が大きくなってしまうのです。
環境省によると、定期的なフィルターの清掃によって冷房時で約4%の消費電力を削減できると言われています。2週間に1度はフィルターのお手入れをするようにしましょう。
フィルターのお手入れ方法
- 感電防止のためエアコンの電源を切り、コンセントを抜く
- エアコンの前面カバーを外して2枚のフィルターを外す
- フィルターの表面に掃除機を当てて優しく汚れを吸い取る
- フィルターの裏面にシャワーを当てて水洗いする
- 頑固な汚れにはブラシ、中性洗剤を併用する(優しく!)
- 水を切ってからフィルターを陰干し
- 完全に乾かしてから取り付ける
どうしても汚れが取れないときなど、無理して掃除を続けるとフィルターの網目が破けるなどの破損や故障の原因となります。頑固な汚れやエアコン内部の清掃はプロに任せるようにしてください。
6.室外機の対策も忘れずに
エアコンが吸い込んだ室内の熱い空気は、室外機を通して外に排出されます。そのため、室外機の吹き出し口にモノや雑草などがあると熱が排出されにくくなり、電力を多く消費してしまいます。室外機の吹き出し口は塞がないようにしましょう。
また、直射日光などによって室外機の温度が高くなることでもエアコンの効率が落ちてしまいます。室外機に日光が当たる場合は、すだれをたてかけるなどして室外機が日かげになるようにしてあげましょう。室外機の日よけ対策をするときも吹き出し口を直接塞ぐことのないように注意してください。
7.部屋に直射日光が入るのを防ぐ
お部屋に入ってくる熱の約70%は窓からだと言われています。そのため、エアコンの節電のためには部屋が暑くならないように工夫することも大切です。
遮熱カーテンを使うことで直射日光や赤外線を防ぎ、冷房で冷やした部屋の温度を保ちやすくなります。すだれやブラインド、植物で覆った緑のカーテンなどを使って直射日光を遮るのも効果的です。暑いときは日中でもカーテンを利用するなどして窓から入る熱を防ぎ、室温が上昇するのを防ぎましょう。
8.打ち水をする
打ち水をすることによって、濡らした部分の温度が下がります。濡れた部分は気温が上がりにくく、そこを通る風も涼しく感じます。また、室外機の周囲に打ち水をすると室外機周辺の温度が下がるため、冷房効率を上げることにもつながります。打ち水をする際には、前日のお風呂の残り湯や雨水などを使うと節水することができます。
9.インテリアを寒色系にする
寒色系とは、「青」「青緑」「青紫」など涼しいイメージを持つ色のことです。カーテンやラグ、布団などを寒色系にすることで見た目が冷しげになり、体感温度も下がると言われています。夏のインテリア選びの際は、寒色系のものを取り入れてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。記事に書かれている情報を参考に、節電をしながらエアコンを使用してみてください。その際は、環境省が推奨している「室温28℃」を目安に行なうと良いでしょう。しかし、部屋の状況などによっては室温が28℃でも暑く感じることがあるかもしれません。そのようなときは無理をせず、できる範囲で節電対策を行ないながら適切にエアコンを使うようにしてください。
【参照ページ】Panasonic-1時間あたりの電気代の目安(CS-LX402D2)
【参照ページ】環境省-エアコンの使い方について
【参照ページ】環境省-みんなで節電アクション
【参照ページ】プロ直伝-エアコンフィルターの掃除方法!
【参照ページ】一般財団法人日本建材・住宅設備環境協会
【関連ページ】エアコンの節電に効果的!自分でできる定期的なお手入れの手順とポイント
あゆみ
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