靴下の穴はダーニングで繕う、糸の選び方とお玉で代用するやり方

木の作業台で黒い布を手縫いする手元

朝晩が冷えてきて、引き出しの奥から厚手の靴下を出しました。はいてみると、かかとがうっすら透けています。もう片方はつま先に小さな穴がぽつり。新しい靴下を買い足してもいいのですが、穴ひとつで手放すのは少し惜しい気もします。

この記事では、糸を織るように渡して穴をふさぐ「ダーニング」のやり方を、穴の大きさ別の手順で紹介します。家にあるお玉や電球を台にする代用の方法や、毛糸と刺しゅう糸の選び方も分かるので、今週末、気になる一足を手に取ってみてください。

1. 靴下の穴は、かかととつま先から始まる

歩くたびに、かかとは靴の内側とこすれ、つま先は靴の先に当たります。体重がかかるところほど糸は少しずつ細くなり、ある日、薄くなった部分がぷつりと切れて穴になります。足の形やはき方のくせによって、毎回同じところがすり減りやすくなります。

穴があいても、靴下全体はまだ十分にはけることがほとんどです。ゴムはゆるんでいないし、足になじんだ形もそのまま。傷んでいるのは手のひらに収まるほどの一部分だけ、ということも少なくありません。その一部分を糸で補えば、同じ一足をもう一度引き出しに戻せます。

ダーニング(darning)は、穴のまわりに糸を縦に渡し、そこへ横糸を上下交互にくぐらせて、小さな布を織るように穴をふさぐ繕い方です。布を当てて縫う方法と比べてニットの伸び縮みになじみやすいので、靴下に向いた直し方です。

2. 用意するのは、糸と針と丸い台

専用の道具がなくても始められます。手芸箱や台所にあるもので、まずは一足ぶん試せます。

2-1. 糸は、靴下と同じくらいの太さを目安に

ウールの靴下にはウールの毛糸、綿の靴下には綿の糸というように素材をそろえると、洗ったときの縮み方が近くなり、繕った部分だけがつれにくくなります。太さは、靴下の編み目と同じくらいか少し細いものが扱いやすいです。太すぎると繕った部分が厚く盛り上がり、靴の中で足に当たります。

刺しゅう糸は細い糸が何本か撚り合わされていて、使う本数を変えれば太さを調整できます。色数も多いので、薄手の靴下や、色で遊びたいときに便利です。編み物で余った毛糸があれば、まずはそれから使ってみてください。

2-2. 針は、とじ針か刺しゅう針

毛糸を使うなら、針穴が大きく先の丸いとじ針が向いています。先が丸いと、編み目の糸を割らずにすくえます。刺しゅう糸なら刺しゅう針で十分です。

2-3. ダーニングマッシュルームは、お玉や電球で代用できる

ダーニングマッシュルームは、きのこのような形をした繕い用の台です。丸い頭の部分に靴下をかぶせ、柄のところで布を絞ると、穴のまわりがほどよく張って縫いやすくなります。家にあるもので代わりになるのは、次のようなものです。

  • お玉:丸い背の部分に靴下をかぶせ、柄を握って持ちます。かかとの丸みに沿いやすい形です。
  • 使っていない電球:昔から繕いの台に使われてきた形です。ガラスなので、針を強く押しつけないようにします。
  • テニスボールなど小さめのボール
  • カプセルトイの空きカプセルや、丸みのある小さな瓶

どれも、かぶせた靴下の口を輪ゴムやヘアゴムで留めると布が動かず、両手を使いやすくなります。

3. 穴の大きさ別、ダーニングのやり方

どの大きさでも、穴より一回り大きい範囲を繕うのがコツです。穴の縁はすでに糸が細くなっているので、まだ丈夫なところまで糸を渡すと長持ちします。糸の端は玉結びにせずに少し残しておき、最後に裏側の編み目にくぐらせて始末すると、足裏にごろつきが出にくくなります。

3-1. 薄くなってきたところは、穴になる前に縫い重ねる

光に透かすと向こうが見えるくらい薄くなっていたら、穴があく前に手当てするのがいちばん楽です。薄い部分を少し広めに囲うように細かい並縫いを何列も並べ、すり減った糸を新しい糸で補います。

目安:手早く終わるので、針仕事に慣れていない人の最初の一回にも向いています。家にある糸を使えば、新しくお金はかかりません。

3-2. 指先ほどの小さな穴は、縦糸と横糸で織ってふさぐ

  1. 穴のある部分を台にかぶせ、ゴムで留めて布を張ります。
  2. 穴より一回り外側を、並縫いで四角く(または丸く)囲います。ここが繕う範囲の目印です。
  3. 縦糸を渡します。囲った範囲の端から端まで、糸を平行に往復させます。穴の上は糸を渡すだけ、穴の外は編み目を少しすくって留めます。糸どうしの間を、糸一本分くらいに詰めるのがコツです。
  4. 横糸を織ります。縦糸に対して直角に、上・下・上・下と交互にくぐらせます。次の段は前の段と上下を逆にし、針先で段を詰めながら進めます。
  5. 穴がすっかり隠れたら裏に糸を出し、編み目に何度かくぐらせてから切ります。

糸を引っぱりすぎるとまわりがつれて、はいたときに当たりやすくなります。台から外したとき、繕った部分がまわりと同じくらい平らになっていれば上出来です。

目安:好きな番組を一本見るあいだくらいで仕上がります。毛糸や刺しゅう糸の余りで足ります。基本のやり方なので、一度覚えておきたい人に向いています。

3-3. 大きめの穴は、縁を整えてから織る

穴が大きく、縁から編み目がほどけかけているときは、先にほつれを止めます。穴のまわりのまだしっかりした編み目を並縫いでぐるりと囲い、ほどけてきた輪を拾って留めておくと、織っている途中で穴が広がりません。

そのあとは小さな穴と同じ手順ですが、範囲が広いぶん縦糸がたるみやすくなります。台の丸みにしっかり沿わせ、何回かに分けて休みながら進めると仕上がりが落ち着きます。

目安:時間に余裕のある週末の午後などに。小さな穴で一度手順に慣れてからのほうが取り組みやすいです。

4. あえて違う色の糸で、直した跡を楽しむ

靴下と同じ色の糸を探しても、ぴったりの色はなかなか見つかりません。それなら、いっそ違う色で繕ってみるのも手です。紺の靴下にからし色、グレーに赤、生成りに青。四角く織った繕い跡は、それだけで小さな模様になります。

縦糸と横糸で色を変えると、チェックのような柄になります。家族の靴下ごとに糸の色を決めておけば、洗濯物をたたむときに持ち主が分かりやすいという実用もあります。

隠す直し方ではなく、見せる直し方です。人目が気になるなら、靴の中に隠れるかかとから、好きな色で一度試してみてください。

5. 長くはける靴下は、かかととつま先と素材で選ぶ

繕いながらはくつもりなら、次に買う一足の見方も少し変わります。

  • かかととつま先の編み:この部分だけ編み目が詰まっていたり、糸が足されていたりするものは、すり減りに強くなります。
  • 素材の組み合わせ:ウールの靴下には、丈夫さを補うためにナイロンなどの合成繊維を混ぜたものがあります。品質表示で組成を見ておくと、繕うときの糸選びにも役立ちます。
  • 繕いやすさ:ある程度厚みがあり、編み目が見えるくらいの靴下は糸を通しやすく、ダーニングと相性がよいです。

オーガニックコットンの靴下を選ぶときは、表示の見方が手がかりになります。オーガニックテキスタイルの国際基準 GOTS(Global Organic Textile Standard)の認証を受けた製品なら、包装や下げ札、ラベルに GOTS のロゴ、認証機関の表示、認証を受けた事業者の認証番号が入ります。「GOTS 認証の糸を使用」のように糸や生地だけに触れた表示は、売り手の主張で、最終製品の認証を示すものではありません。

服の素材やつくられ方をもう少し広く知りたい方は、サステナブルファッションについてまとめたコラムもあわせて読んでみてください。

6. 目がそろわなくても、はいてしまえば馴染む

最初の一回は、縦糸の間隔がまばらになったり、横糸が波打ったりするかもしれません。それでも、穴がふさがっていれば十分です。靴の中で踏まれ、何度か洗ううちに糸がなじみ、ふくらみも落ち着いていきます。

続けるコツは、穴を見つけたときに一足ずつ手を動かすこと。繕い用の針と糸、台にするお玉を小さなかごにまとめて、洗濯物をたたむ場所の近くに置いておくと、思い立ったときにすぐ取りかかれます。

一方で、ダーニングが向かない靴下や人もいます。

  • ストッキングや、ごく薄手のナイロンの靴下(糸が太く感じられ、繕い跡がごろつきやすい)
  • 足裏全体が薄くなっていて、繕ってもすぐ隣から穴があきそうなもの
  • 靴がきつめで、わずかな厚みでも足に当たるのが気になる人

そうした靴下は無理に繕わなくても大丈夫です。掃除用のウエスにして使い切ったり、衣類の回収に出したりと、別の行き先もあります。着なくなった服の手放し方は、衣類の回収・リサイクルとブランドの選び方を紹介したコラムで詳しく紹介しています。

靴下のかかとの穴は、糸と針、それに台にするお玉がひとつあれば、今日からでも直せます。まずは引き出しから穴のあいた一足を取り出して、好きな色の糸を合わせてみてください。繕った靴下で歩く冬、あなたならその一足にどんな色を足しますか?

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Life Hugger 編集部

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