しっかり洗ったはずの洗濯物から生乾きのにおい、という経験は多くの方にあるのではないでしょうか。とくに部屋干しすると雑巾のようなにおいがすることもあり、気分も落ち込んでしまいます。生乾きのにおいはじつは菌が原因。「衣類に残るわずかな汚れをエサに繁殖し、嫌なにおいを引き起こしてしまうんだそう。「菌が原因だったら強力な洗剤を使って洗わなければ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしナチュラル洗剤でも実は大丈夫なんです。そこで今回は、洗濯物の生乾き臭をナチュラル洗剤などを使って防ぐ方法について徹底解説します。
洗濯物の生乾き臭の原因は「菌のフン」!?
洗ったはずの衣類が雑巾のようないやなにおいを放つのは「モラクセラ菌」が衣類に残ることが原因である、と花王と愛知学院大学の研究によって判明しました。モラクセラ菌は人体にも存在する常在菌ですが、衣類に残る皮脂や水分などをエサとして増殖し、フンのようなものを排出する際ににおいも発するんだそう。なんとも厄介な菌ですね。
洗濯物の生乾き臭を防ぐには?
つまり、洗濯物の生乾き臭を防ぐにはモラクセラ菌の繁殖を抑えることが重要です。菌を死滅させ、エサとなる汚れや水分をできるだけ与えないことがポイント。次のような方法が効果的です。
酸素系漂白剤でつけおきする
酸素系漂白剤には漂白作用のほか、殺菌・除菌の作用もあります。塩素系漂白剤に比べると作用は穏やかですが、色柄物にも使える点が便利(シルクやウール、金属のついた衣類を除く)。40℃前後のお湯に規定量の粉末の酸素系漂白剤を溶かし、30分〜2時間ほどつけおきしましょう。軽くすすいだあとはいつも通り洗濯してOKです。
煮洗いする
モラクセラ菌は熱に弱く、高温にさらされることで死滅します。そこで効果的なのが、鍋にお湯を張って煮洗いし、煮沸消毒する方法です。大きめの鍋にお湯を沸かし、少量の洗濯洗剤を入れ、途中菜箸などでかき混ぜながら15〜20分ほど煮立たせます。煮洗いが難しいなら、60℃以上のお湯の中にしばらく洗濯物をつけおきしておくだけでもOK。ただし、化学繊維、ポリエステル、シルク、ウールなどを含むものには、適しません。いずれの方法も繊維が傷みやすいので、タオルや布巾、普段着などにのみ行うようにしましょう。
粉末洗剤を使う
モラクセラ菌のエサとなる皮脂などの汚れをしっかり落とすには、粉末洗剤を使うのが効果的です。最近では液体タイプの洗濯洗剤が主流ですが、洗浄力は粉末タイプの方が上。酸性の皮脂汚れは、アルカリ性の粉末洗剤で中和して落とすことができます。ただし洗浄力が高いぶん、繊維や生地に与える影響も大きいため、タオルやTシャツなど生乾きのにおいが出やすい洗濯物だけを粉末洗剤で洗ってもいいですね。
乾燥機で乾かす
高温で洗濯物を乾かせる乾燥機を使えば、一気にモラクセラ菌を死滅させることができます。家庭用の洗濯乾燥機はもちろん、コインランドリーを活用してもいいですね。モラクセラ菌は紫外線による殺菌作用は効果がないため、天日干しでは生乾き臭を完全になくすことは難しく、乾燥機を使った高温での殺菌が最適です。
洗濯物の生乾き臭の原因は洗濯槽にも!?
生乾き臭は洗濯槽に潜むカビや、さまざまな菌が原因の場合も。汚れたままの洗濯槽では洗濯するたびに衣類へカビや菌が付き、においはもちろん衛生的にも問題がありますよね。そこで定期的に洗濯槽の掃除をすることも重要です。専用のクリーナーや酸素系漂白剤を使い、カビや菌を除去しましょう。
洗濯物から生乾きのにおいがする原因はモラクセラ菌。エサとなる皮脂汚れなどをしっかり落とすことや、酸素系漂白剤や高温による殺菌消毒が効果的です。また、洗濯槽に潜むカビや菌も生乾き臭の原因となるため、定期的に掃除を行いたいですね。とはいえ、毎日忙しく、目に見えない菌や汚れにまで気を配って洗濯する余裕がない、という方は家事代行サービスを活用するのもおすすめです。毎日身に着ける衣類だからこそ、気持ちよく洗濯しておきたいですね。
【参照サイト】花王、洗濯後に発生する衣類の悪臭の原因菌を解明 – 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン
【関連ページ】乾かない洗濯物は干し方を見直して速乾!においを防ぐ部屋干しのコツもご紹介
みすみぞの いずみ
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