有機栽培やオーガニック野菜に興味はあっても、自分で育てるのは難しそうだと感じていませんか。
コンパニオンプランツ(共栄植物)とは、相性の良い植物同士を一緒に植えて、お互いの生育を助け合う栽培方法です。取り入れることで、野菜が美味しく育つことや、家庭菜園から出るごみを減らすことも期待できます。
この記事では、野菜の科ごとの特徴、春夏秋冬それぞれ3つずつのおすすめの組み合わせ、コンパニオンプランツに向くハーブ・花と向かないハーブ・花を紹介します。
安全で安心、そして環境にも優しい家庭菜園への一歩として、日々の暮らしに取り入れてみてください。
コンパニオンプランツとは

できれば農薬に頼りすぎずに育てたい、と思う方も多いはずです。そんなときに取り入れたいのが、コンパニオンプランツです。
コンパニオンプランツ(共栄植物)とは、相性の良い植物同士を一緒に植えて、お互いに助け合いながら良く育つ関係のことです。野菜から出る物質が、良い作用を生んでいると考えられています。ただし、科学的に解明されていない点もあります。
コンパニオンプランツの良さは、お互いの生育を助けることだけではありません。病害虫を減らし、農薬や化学肥料の使用を減らすことも期待できます。
代表的な例が、ガーデニングでおなじみのマリーゴールドです。野菜と一緒に植えると、モンシロチョウやアブラムシなどの害虫を寄せ付けにくくする働きが期待できます。花が終わった後は、土づくりに生かすこともできます。
コンパニオンプランツのメリット
限られたスペースで、いろいろな野菜を少しずつ育ててみたい。そう思ったことはありませんか?
コンパニオンプランツは、家庭菜園やコンテナ菜園に向いている栽培方法です。主なメリットは、次の4つです。上手に取り入れて、安全で安心な野菜づくりを目指しましょう。
野菜が美味しくなり、収穫量も期待できる
相性の良い野菜を一緒に植えると、生長が促されます。その結果、野菜の味が良くなったり、収穫量が増えたりすることも期待できます。
害虫を予防する
野菜の中には、害虫を食べる虫(テントウムシやカマキリなど)を呼び寄せるものがあります。
また、害虫が苦手な野菜を一緒に植えると、害虫の被害を防ぐことも期待できます。
病気を予防する
植物の中には、土の中の病原菌を入りにくくして、病気を減らすものがあります。根に殺虫成分などを含み、病原菌を減らす植物もあります。
家庭菜園から出るごみが減る
病害虫が減ると、農薬や化学肥料に頼る場面も少なくなります。そのぶん、安全で安心な野菜づくりにつながります。
農薬などを使ったあとに出るプラごみも減らせるため、ゼロウェイストにもつながります。
代表的なコンパニオンプランツと期待される効果

野菜ごとに相性を一つずつ覚えるのは、少し大変です。けれども、コンパニオンプランツは植物分類学上の「科」ごとに似た性質を持っています。まずは科ごとの特徴をつかんでおくと、組み合わせを考えやすくなります。
ここでは、代表的な4つの科と、それぞれに期待される効果を紹介します。
- ヒガンバナ科 (旧ユリ科)
- キク科
- マメ科
- シソ科
ネギ、ニラ、ニンニクなどです。根の周りに付く物質が、土の中の病原菌を防ぎます。そのため、一緒に育てている野菜も病気にかかりにくくなります。
シュンギク、レタス、マリーゴールドなどです。独特な香りや味には、害虫を寄せ付けない働きがあります。一緒に植えた野菜の生育を良くしてくれます。
エダマメ、ラッカセイ、インゲンマメなどです。土の中の余分な水分を吸収し、乾燥を防ぎます。土の病気が発生しにくくなり、一緒に植えた野菜の生育を良くしてくれます。
バジル、サルビア、シソなどです。独特な香りには、害虫を寄せ付けない働きがあります。また、土の中の水分を調節し、乾燥を防いでくれます。
おすすめのコンパニオンプランツの組み合わせ

ここでは、おすすめのコンパニオンプランツの組み合わせを季節ごとに紹介します。どの野菜を一緒に植えるか考えるときの参考にしてください。
紹介する組み合わせのほかにも、コンパニオンプランツはたくさんあります。育てたい野菜が決まったら、相性の良い植物を一度調べてみてください。
春の組み合わせ
コマツナ × レタス
期待される効果:害虫忌避
アブラナ科のコマツナは、アオムシやヨトウムシの幼虫などに葉を食べられやすい野菜です。キク科のレタスと一緒に植えると、こうした食害を防ぐのに役立ちます。また、2つは必要とする栄養がそれぞれ違うため、どちらも良く生長します。
トマト × ニラ
期待される効果:土壌病害忌避
ニラの根には、病原菌を抑える微生物(菌)が生息しています。この菌が、トマトの土壌病害を防ぐ働きをします。土も豊かになるので、良く生長します。
ジャガイモ × バジル
期待される効果:害虫忌避
バジルの香りには、ニジュウヤホシテントウなど、ジャガイモを狙う害虫を遠ざける働きがあります。一緒に育てることで、害虫を防ぐ効果が期待できます。
夏の組み合わせ
エダマメ × ミツバ
期待される効果:害虫忌避
ミツバの香りには、エダマメに来るカメムシを遠ざける働きがあります。ミツバの代わりに、パセリと組み合わせるのもおすすめです。
カボチャ × 長ネギ
期待される効果:土壌病害忌避
カボチャと長ネギは、それぞれの根から出る老廃物を利用し合います。そのため、どちらも良く生長します。根が絡むように植えるのがポイントです。土壌の病気を防ぐ働きも期待される組み合わせです。
インゲンマメ × ルッコラ
期待される効果:生育促進・病害虫予防
2つは、根の周りに生息する微生物がそれぞれ異なります。そのため土が豊かになり、お互いに良く生長します。お互いの害虫を遠ざけ合う、相性の良い組み合わせでもあります。
秋の組み合わせ
ハクサイ × シュンギク
期待される効果:害虫忌避
シュンギクの香りには、ハクサイを狙って来るモンシロチョウやヨトウガなどを遠ざける働きがあります。一緒に育てることで、害虫を防ぐ効果が期待できます。
ダイコン × ニンジン
期待される効果:害虫忌避
ニンジンはモンシロチョウを、ダイコンはアゲハチョウを遠ざける働きがあります。一緒に植えると、お互いの害虫を遠ざけ合う相性の良い組み合わせです。
イチゴ × ニンニク
期待される効果:病害予防・害虫忌避・生育促進
ニンニクの香りには抗菌物質が含まれていて、イチゴの病害を抑える働きがあります。アブラムシやハダニなどを遠ざける働きもあります。
冬の組み合わせ
ミズナ × レタス
期待される効果:害虫忌避
レタスには、ミズナを狙ってくるモンシロチョウやヨトウガなどを遠ざける働きがあります。また、2つは必要とする栄養がそれぞれ違うため、どちらも良く生長します。
シュンギク × コマツナ
期待される効果:害虫忌避
シュンギクには、コマツナを狙ってくるモンシロチョウやヨトウガなどを遠ざける働きがあります。一緒に育てることで、害虫を防ぐ効果が期待できます。
エンドウ × チャイブ
期待される効果:土壌病害忌避
ネギの仲間のチャイブの根には、病原菌を退治する菌がついています。この菌が、土壌病害を防ぎます。チャイブは生長すると大きく育ちます。株分けすれば、次の年も使えます。
ハーブや花もコンパニオンプランツとして使える?向き・不向きの見分け方
コンパニオンプランツとして活躍するのは、野菜だけではありません。ハーブや花の中にも、野菜と相性の良いものがあります。
ただし、向き・不向きがあります。それぞれの特性を知って、無理なく取り入れていきましょう。
コンパニオンプランツに向くハーブ・向かないハーブ
向いているのは、比較的穏やかに生長するハーブです。バジル、イタリアンパセリ、ルッコラ、チャイブ、ナスタチウムなどがあります。
一方、ミントをはじめとする生長の勢いが良いハーブは不向きです。野菜が負けてしまうためです。
また、ベリー類、ローズマリー、ラベンダーなどは、野菜と一緒に植えると生育が悪くなることがあるとされています。植える場所には気を配りましょう。
コンパニオンプランツに向く花・気をつけたい花
マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、クレオメなど、花壇に植えるような花(園芸種)もコンパニオンプランツとして活躍します。
野菜畑にカラフルな花の彩りが加わると、気持ちも明るくなります。家庭菜園の作業も、より楽しい時間になるでしょう。
ただし、ハーブと同じく、生長の勢いが良い花はコンパニオンプランツには向きません。植える前に、育ち方を確かめておくと安心です。
おわりに
自分で育てた野菜は、安心して味わいたいものですよね。
家庭菜園にコンパニオンプランツを取り入れると、病害虫を減らし、安全でおいしい野菜の収穫につながることが期待できます。
今回紹介した組み合わせのほかにも、コンパニオンプランツはいろいろあります。気になる野菜から、少しずつ試してみてください。
安全で安心、そして環境に優しい家庭菜園を、ゆっくり楽しんでいきましょう。
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※2026年10月に、Life Hugger編集部が本文を更新しました。
中池 梓
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