SDGs先進国と言われる北欧の国々。その中でもスウェーデンは、日本でも人気のIKEA(イケア)やH&Mが生まれた国であり、環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんの出身国でもあります。サステナビリティに関心がある人であれば、一度は訪れてみたい場所の一つではないでしょうか。
そんなスウェーデンの今をオンラインで体験できるのが、日本・スウェーデン・アフリカを拠点に活動しているOne Planet Caféが主催する「One Planet Cafe 主催のSDGs視察ツアー in スウェーデン」です。

今回のオンラインツアーは全部で3日間(週1回、1時間半)。6月29日に開催された第1回では「街づくり・移動・ライフスタイル編」として、ヨーロッパの中でもっともカーボンニュートラルな街として知られている、スウェーデン第3の都市マルメを見学しました。
現地の様子をガイドしてくれるのは、One Planet Caféのペオ・エクベリ氏。マルメの町を歩き、サステナブルなポイントを案内してくれました。
現地とリアルタイムでつながりながら、スウェーデンの今を体験できる90分。ツアーの中で「日本にもあったらいいな」と思う取り組みを紹介します。

One Planet Cafeのペオ・イクベリ氏が日本語でマルメの町を紹介してくれました
SDGs先進国のスウェーデンを旅する90分
今回ペオさんが案内してくれたマルメは、カーボンニュートラルな街として世界から注目されているスウェーデン第3の都市。画面の向こうには青い空が美しい港街の風景が広がっていました。
実はこのマルメ市、90年代までは造船業が盛んであったこともあり、深刻な環境問題に直面していました。それが今では、環境・情報・教育の町としてリニューアル。汚れていた海も人が泳げるまで回復しているようです。

以前のマルメは重工業の町で、環境汚染が問題でした。
スウェーデン人の生活にサステナビリティが浸透しているのは「人々が快適なサステナビリティを追求し、無理をしないこと」だとペオさんは言います。そして、地球環境にとって正しい方向に進んでいくために、サステナビリティを科学的に捉えることが大切だとも。
スウェーデンでは子どもの頃から、地上のモノ(生ごみや紙ゴミ)は循環するのでCO2が出ても大丈夫。でも、地下のモノ(石油など化石燃料)は循環しないので原理原則を学んでいるそうです。

地上のモノと地下のモノ。スウェーデン人は子どものころから、この原理原則を学びます。
カーボンニュートラルな街、マルメを歩く
町のいたる所にごみステーションがあるマルメ。日本のようにごみ回収の時間など気にせず、24時間いつでもごみを出せるのでとても便利だそう。もちろん、ステーションの中ではごみが細かく分別されています。

集合住宅の真横にある、24時間使用できる住人専用のごみステーション
スウェーデンでは2007年に生ごみを一般のごみ捨て場に捨ててはいけないことになりました。そのため、住宅エリアでは家のすぐ近くに近隣の方と共同で使用するコンポストが設置されています。
実はこのコンポストは、生ごみを投入するとバキュームがごみを吸い、中央処理室に送られる仕組みになっています。そしてマルメ市では、それら集めた生ごみを活用して自然エネルギーを生成しています。

コンポストには鍵がかかっていて、住民以外がごみを投入できないようにしています
そして、生ごみから生成したエネルギーは街を走るバスや電車に使われます。ちなみに、バナナ一本の皮を発酵させてできたエネルギーで、車やバスが100m走行可能だとか。マルメの人にとって、野菜や果物の皮は「生ごみ」ではなく、バスを走らせるエネルギーのための大切な「資源」なのです。
生ごみをどう処理するかではなく、街のインフラを支えるエネルギー資源として考える。そんな街づくりを日本でもできたらいいですよね。

生ごみを使って発電したクリーンエネルギーで走るバス
日本にもあったらいいな。マルメで見たサステナブルな暮らし
ヨーロッパの中でも最もカーボンニュートラルな町と言われるマルメ。住宅や建物などの屋根や屋上は緑化されたり、太陽光パネルが設置されたりしています。マルメ市は2030年までに100%再生エネルギーの街をめざしているそうです。

家の屋根の上には芝生や太陽光パネルが設置されています
マルメでは、Regeneration(リジェネレーション)にも取り組んでいます。まずは雑草を植えて放置するところからスタートします。雑草が生えてくれば虫が集まります。蜂などが受粉を行うようになれば花や果物が育ちます。バス停の屋根の上は、蜂を集めるための花を設置しているところを見ても、マルメの人たちが蜂を大切にしていることがわかります。

バス停の屋根を利用したフラワーガーデン。ハチを集めます
またマルメは、サイクリストフレンドリーな町。自動車用道路以上に自転車用道路の整備が進んでいるそうです。駐輪場は町中にありほぼすべて無料だとか。実は自転車道路を作ると道路沿いの店の売り上げが3割ほど増すという経済効果もあるそうです。

バス停脇の駐輪場。もちろん無料です。奥にはカーシェアリングとEVステーションも
最後はペオさんが参加者からの質疑応答に答えたり、クリーンエネルギーで走るバスに乗車して、中の様子レポートするのを見ながら、ツアー初日は終了しました。
いつか訪ねてみたいと思っていたSDGs先進国スウェーデン。羽田からマルメに画面が切り替わった瞬間、画面越しから北欧の爽やかな空気が流れてきたような、ライブ感あふれる90分でした。
快適なサステナビリティを実現し、環境問題に熱心な人も、そうでない人もサステナブルな生活を実践しているスウェーデン。少し不便でも地球のために我慢しなければと思うことが多い日本に比べ、サステナビリティが浸透していることにも納得です。
One Planet Cafe 主催のSDGs視察ツアー in スウェーデンでは、日本のことを知り尽くしているぺオさんが、日本語でガイドしてくれるので、聞きたいことを聞きたいタイミングで質問し、インタラクティブにツアーを楽しむことができます。
第2回と第3回のテーマそれぞれ「教育」と「ビジネス」について。オンラインツアーに参加して、世界のSDGsの今をぜひ体験してみてください!
One Planet Cafe 主催のSDGs視察ツアー in スウェーデン

テーマ:
・第1回 6月29日(水)18:30-20:30 ~街づくり·移動·ライフスタイル編~※終了※
・第2回 7月 6日(水)18:30-20:30 ~教育·コミュニケーション編~ お申し込みはこちら
・第3回 7月13日(水)18:30-20:30 ~ビジネス·店·レストラン編~ お申し込みはこちら
参加費:
大人 各4,000円/回(税込)
学生 各3,000円/回(税込)
***全3回参加特別割引***
大人 10,000円(税込)
学生 7,500円(税込)
【参照サイト】One Planet Cafe
【関連ページ】フォロワー4万人の「サステラ」読者と企業が本音で語り合う。サステナブル・ライフスタイル研究会イベントレポート


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