九州長崎の西方100kmに浮かぶ大小140余りの島々からなる五島列島は、美しい海や自然に溢れ2018年にはいくつかの島の集落や教会が「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として2018年に世界遺産に認定されたこともあり、観光地としても人気が高まっている。島には「藪椿」という自然の椿が1000万本ほど自生しており、古くから島の宝として島民に愛されている。
その島に咲く椿の花を余すことなく使ったコスメが、「五島の椿」である。「サスティナブルコスメアワード2022」において、「椿の葉 保湿水」が「審査員賞 地方創生部門」を受賞。高品質なコスメとしての評価だけでなく、持続可能な社会に向けた取り組みが高く評価された。
2023年2月21日には、新宿のパークハイアット東京で行われたスキンケア商品の発表会に、株式会社MTGの松下剛代表取締役社長(以下松下氏)と俳優の吉永小百合さんが登壇。吉永さんは、「五島の椿プロジェクト」のサポーターに就任し、「椿サポーター」として椿の生産地である五島列島にも何度も足を運び、プロジェクト全体を応援している。
五島列島を訪れた際、吉永さんは、群生している自然の椿の美しさや、雪の中でも凛と咲く椿の力強さに心惹かれたそう。しかし、「妙齢になり、化粧品をおすすめするのはどうなのかな」と思い、化粧品のコマーシャルはやらないことにしていたという。
そんな吉永さんの心を動かしたのは、今回のプロジェクトの主旨である「五島列島に若い人たちが生き生きと働ける場所、産業を作りたい」という松下氏の想いである。このプロジェクトをなんとか応援したい。吉永さんもそうした思いで、36年ぶりに化粧品のプロジェクトのプロモーションを引き受けることにしたそう。
世界初、葉のツヤツヤ成分「椿葉クチクラ」の原料化に成功
吉永さんも愛用している「五島の椿」には、今回サスティナブルコスメアワードを受賞した「椿の葉保湿水」「椿酵母せっけん」「椿酵母オイル」の3種類のスキンケア化粧品がある。使い方も、「石けん(洗顔)→保湿水→オイル」の3ステップとシンプルだ。
どのアイテムにも椿の花から葉まで余すことなく使って抽出した成分が配合されているが、その中でも注目なのは、世界で初めて化粧品の原料化に成功した「椿葉クチクラ(椿葉ロウ)」が配合されている椿酵母せっけんと椿酵母オイルである。椿の葉を1年中しっとり艶やかに保つクチクラ層に着目し、そこから椿葉クチクラを抽出。椿葉クチクラの効果としては肌に保湿力を与えてくれるという。
ほのかに椿の葉の香りが漂う「椿の葉 保湿水」は、ツバキ葉水「ヤブツバキテルペン」を一滴一滴低温で丁寧に蒸留し、抽出した保湿水。肌本来のバリア機能をサポートして保湿力を高める効果が期待できる。椿酵母せっけんは椿葉クチクラ以外にも、椿の花酵母や果皮、さらに天然の洗浄成分といわれる椿果皮サボニン、椿オイルと、まさに花から葉、果皮に至るまで椿を余すことなく使っている。
五島列島の島の真心や空気も一緒に届ける
爽やかな緑に真っ赤な椿の花が満開に咲き乱れ、小鳥のさえずりが聞こえてくる。そんな島の自社農園では、椿の植栽、栽培、そして加工まで一貫して行っている。また、葉を摘む作業も現地スタッフが一枚一枚丁寧に手作業で行うなど、五島の椿には、島の人が、島の工場で、島らしい商品を丁寧な手仕事でつくるというこだわりを感じる。
そして、島の真心や空気も一緒に届けられるように、商品は五島の椿農園から購入者の元に直接届けられる。
また、島の暮らしでは海ごみや海洋プラスチック問題が常に身近にあるため、容器の素材には多くの自治体で容器回収を行っている「ガラス」が採用された。今後は詰め替え用の開発なども検討し「循環していく商品」へと進化させていきたいという考えだ。
編集後期
発表会当日は、会場と島とを中継でつなぎ、現地にいる五島の椿株式会社代 谷川富隆代表取締役とスタッフの皆さんに吉永さんがスクリーン越しに声をかけるなど、現地とつながり、島の空気に触れたように感じられた。これから先も五島の椿の箱を開ける時には、島の椿農園の人たちの顔を思い出すに違いない。松下氏の「人口減少という課題を抱えたふるさとの五島列島に持続可能な産業を」という想いで生まれた「五島の椿」。地域経済、環境、そしてもちろん、肌にもプラスの効果が期待できるアイテムとして、今後も注目していきたい。
【参照サイト】五島の椿プロジェクト公式
【関連ページ】乾燥肌におすすめ!高保湿&サステナブルな人気化粧水8選
最新記事 by Life Hugger 編集部 (全て見る)
- サーキュラーエコノミーをもっと身近に!横浜で『Circular October 2024』特別企画を開催 - 2024年10月11日
- 【残席あり】10月12日開催!Life Hugger × Circular Yokohama共同企画『古布でゼロウェイスト・リース作り』 - 2024年10月11日
- 大丸有エリアにて多様性の祭典「E&Jフェス」10月11日・12日開催 - 2024年10月9日