ハンカチやマフラーをはじめとした服飾雑貨を販売しているメーカー・川辺株式会社が、高級動物繊維カシミヤのリサイクル事業をスタートさせた。工場から発生するカシミヤを使用した製品の規格外品や繊維廃棄物をバージンカシミヤ(新しい繊維)とブレンド・紡績して、再生糸を作る技術を開発。その糸を使って、新しいカシミヤ製品を製造するというサステナブルな取り組みだ。
![川辺株式会社、カシミヤ繊維のリサイクル事業をスタート](https://lifehugger.jp/wp-content/uploads/2022/10/sub9.jpg)
カシミヤリサイクルが作られる工程は、まず手作業で裁断機にかけやすいサイズにカットし、裁断機で細かくする。その後、反毛機にかけて繊維をほぐし、再生カシミヤの「原毛」状態にする。反毛(反毛加工)とは、一度加工した繊維を再び綿状に戻す機械及び技術のことだ。繊維が貴重だった戦後に発展し、現代にも受け継がれているサステナブルで優れたリサイクル技術といえる。
![川辺株式会社、カシミヤ繊維のリサイクル事業をスタート](https://lifehugger.jp/wp-content/uploads/2022/10/sub4.jpg)
再生原毛は、繊維が短く糸に加工しにくいため、バージンカシミヤを混ぜ込み、紡ぎ合わせて再生カシミヤ糸にしていく。
本プロジェクトの注目すべき点は、製造時に発生する繊維ロスだけではなく、不要になったユーザーのカシミヤ製品の回収も実施される。提携店舗にリサイクルボックスを設置し、廃棄予定のカシミヤ100%製品を回収していく予定だ。
リサイクルボックスはすでに9月中旬より順次設置スタートしているとのことだが、詳しくは川辺株式会社公式サイトにある、連絡先に直接問い合わせてみて欲しい。対象製品や回収ボックスへの出し方などが詳しく聞けるはずだ。
かつてはラグジュアリー素材として、コートやスーツなどにも採用されてきたカシミヤ。その心地よい手触りと丁度いい暖かさから、カシミヤの需要が増し、それがカシミヤ山羊の過繁殖・過放牧につながり、草原の砂漠化を招いてしまっているという問題もある。
参考ページ:リサイクル・カシミア | パタゴニア | Patagonia
リサイクルプロジェクトは、原産地の環境を守るための地道な取り組みのひとつだ。貴重なカシミヤを絶やさないためにも、ぜひ使っていないカシミヤ製品があったら、リサイクルを検討してみてはいかがだろうか。
【参照ページ】川辺株式会社
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斉藤雄二
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