近年、大手アパレルメーカーでも、リユース・リサイクルプログラムに取り組むなど、ファッション産業では、サステナブルファッションへの取り組みが活発だ。また、ヴィーガンレザーや生分解性のマテリアルなど、自然環境に配慮した環境負荷の少ない「サステナブル素材」を使ったアイテムも次々に発表されている。
これまでも、オンラインストアに紙製パッケージを採用するなど、サステナブルファッションに向けさまざまな取り組みを行なっている、H&M。なかでも年に2回発表されるH&M Studio(ストゥディオ)は、同社の最もハイエンドなコレクションとして知られている。
そんなH&M Studioが今回発表した、2022年の春夏コレクション全36種類のアイテムには、すべてサステナブルな素材が採用されている。ブドウの皮・茎・種を材料にしたレザーやプラスチックくずのリサイクル素材など、今回のコレクションに使われている素材の一例を紹介しよう。
EcoVero ™ビスコース
森林の木材を原料とした天然由来の素材。一般的なビスコース繊維と比較すると、二酸化炭素排出量と水への影響を最大50%低減可能で、EUエコラベル認証も取得している。
LivaEco™ビスコース
認証済みのサステナブルに管理された森林の木材を原料とした天然由来の素材。柔らかく、なめらかな肌触りが特徴の素材で、吸湿性や生分解性にも優れている。
Naia™アセテート
木材パルプを原料としたセルロース繊維。環境負荷を最小限にとどめて製造されている。
VEGEA(ヴェジェア)
ワインの製造時に廃棄されるブドウの皮、茎、種などの副産物を原料としたヴィーガンレザー。従来のレザー製作と比較すると、廃棄物や水・化学薬品の使用量を大幅に軽減可能。
リサイクルPMMA
本来廃棄される、使用済みのプラスチック製品や生産工程で発生するプラスチックくずなどを再利用して作られたアクリル樹脂。
最新のコレクションはサステナブルであることに加えて、デザインも秀逸。今年のトレンドでもある爽やかでビビッドな色使いや、ドラマチックなプリントを身にまとえば、春に向けて気持ちが明るくなりそう。他にもスタッズが施されたデニムスカートや華やかなラッフルが特徴のメッシュトップス、足首からウエストにかけてスナップボタンを配したワイドパンツなど、1990時代後半へ回帰する華やかなデザインが目白押しだ。
シンプルなコーディネートをアップデートしてくれそうなスクリーングリーンのロングイヤリングやチャンキーネックレスなど、アクセサリーにも注目が集まっている。
ファッション産業がサステナブルファッションへの取り組みを活発化させるなか、私たち消費者もファッションのサステナビリティについて意識を高める必要がある。モノを購入する場面でも、デザインや価格だけではなく、使われている素材や製造過程も、リユース・リサイクルプログラムの有無なども、ポイントとして押さえておきたい。
まだまだ寒い日は続きそうだが、暦の上ではすでに春。環境に配慮したサステナブル素材を使用したH&M Studioのスプリングアイテムで、新生活をサステナブルに始めてみてはどうだろうか。
【参照サイト】H&M Studio
【参照サイト】H&Mマガジンページ
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河端 麻紀
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