現在、渋谷駅東口を含む渋谷の複数の場所で、海洋問題を含む環境問題への具体的行動を促進することを目的としたイベント「渋谷で感じる海。プロジェクト」が開催されている。
渋谷を舞台に、未来を担う小中高大学生から、彼らや社会を支える自治体、アカデミア、企業などが連携し、環境に良い影響を与える計5つのプロジェクトが実施中(※)だ。
最も注目なのが、廃漁網を100%利活用した巨大サーキュラーアート作品「From The OCEAN(フローム ザ オーシャン)」の展示イベントだ。海洋プラスチックごみの約50%が漁網や漁具由来と言われるなか、これまでにもさまざまな団体や企業が、廃棄されることが多い「漁網」に着目し、リサイクルやリユースに取り組んでいる。
From The OCEANは、投棄前に回収した廃漁網100%の生地「Netplus(ネットプラス)」を使用し、肉眼では見ることができない数ミリのプランクトンを全長8メートルに拡大して表現した作品だ。渋谷川直下に、微小生物の視点を体感できる空間を作り出した。
また、渋谷駅東口地下広場には、日本プランクトン学会提供のプランクトン写真を約1,000倍に拡大して展示している。作品づくりには渋谷区の小中学生たちも参加しており、環境問題への意識啓発と、関連団体や地域との連携を目指した。
Netplusは通常、資源やアパレル製品を作るための素材として利用されることが多いが、アート作品として多くの人の手や目に触れることで、さらに多くの活躍の機会が、これから増えるかもしれない。
具体的な開催日時は、8月17日(土)〜8月31日(土)、場所は渋谷駅東口地下広場の地下2FにあるUPLIGHT COFFEE(アップライトカフェ)前となっている。アクセスも非常によく、気軽に無料で足を運べるため、子どもたちの自由研究の題材としてもおすすめのイベントだ。
ほかにも、地域の川や池の水に住むプランクトン観察から生まれたオンライン作品、「地球を元気にするプランクトン図鑑」が現在(※2024年8月23日)も公開中だ。
また、From The OCEANのアート制作をサポートしたメンバーたちによるトークセッション「アート制作のサポートメンバーによる対話」が本日8月23日(金)16時30分から開催される。
場所は渋⾕スクランブルスクエア15階 SHIBUYA QWS、参加費無料に加え、オンライン視聴も可能なため、こちらもぜひチェックしてみよう。
「渋谷で感じる海。プロジェクト」のようなアートやトークセッションを絡めた取り組みは、人々の目を惹き、これまで関心がなかった層を巻き込む力がある。こうした地道な活動がこれからの未来を作っていくのかもしれない。
※もともと6つのプロジェクトで開始していたが、小中学生向けのワークショップは終了済み
【参照サイト】一般社団法人SWiTCH
【参照サイト】日本財団ジャーナル
【関連ページ】アニエスベー、プラごみ問題と向き合う展覧会「誰がマイクロプラスチックを食べているの?」を開催中
斉藤雄二
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