世界的には先進国とされている日本だが、相対的貧困率は年々高まっている。相対的貧困とは生死にかかわる飢餓レベルではないものの、相対的に見て収入や資産が少なく、生活も厳しく不安定な状態のこと。
2022年の国民生活基礎調査によると、2021年の相対的貧困の基準は世帯年収127万円、相対的貧困率は15.4%(対2018年△0.3ポイント)。そして17歳以下における子どもの貧困率は11.5%(対2018年△2.5ポイント)という現状だ。これは日本人口の6人に1人、約2,000万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされていることを表している。
こういった背景から、近年ではまだ食べられる不要な食品を回収し、必要な家庭や団体に回す取り組み「フードバンク」が浸透してきた。
今回、一般社団法人FASHION BANKはアパレルや企業などの協力を得て市場で余っている衣類を回収し、必要な人のもとへ届ける「ファッションバンク」を設立した。
2021年よりサステナブルファッションをテーマにさまざまな活動を行ってきた、一般社団法人FASHION BANK代表理事の菅野充氏。彼はファッションに関わる人間として、持続可能な社会を作るために何ができるのかと自問し、世界のファッション業界において「足りているのに足りていない」というアンバランスな状況を解決するため、ファッションバンクを設立した。
菅野氏は「洋服を寄付する喜び、洋服を着る喜び、活動を支援する喜び。支える人も支えられる人も喜びを感じる、そんな取り組みにして行ければ」と語っている。
本格ローンチに先駆け、協力アパレル企業約6社から集めた衣類を埼玉県・三芳町社会福祉協議会など4団体に配布した際には、予想以上の反響があったという。
この活動には、個人・法人ともに月額25,000円~支援できる。支援を受けたい団体は、公式サイトより問い合わせ可能だ。これまでにはフードバンク、社会福祉協議会、児童養護施設、障害者施設などに洋服を届けている。
まだ着られるのに着なくなった服を必要な人へ回す取り組みは、寄付やリサイクルショップへの持ち込みなど、さまざまな方法がある。今回紹介したファッションバンクは、アパレルや企業より多くの余剰衣類を回収できるため、規模の大きな取り組みとなることが期待される。気になる人には、ぜひサイトをチェックしてみていただきたい。
【参照サイト】FASHION BANK
【参照サイト】2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
【参照サイト】余剰在庫を生活困窮者に届ける「ファッションバンク」が始動|WWD
mia
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