プラスチックの大量生産が始まった70年前、その間に海に流出した膨大な量のプラスチックごみの行方は、実はほとんどわかっていない。
プラスチックは自然界で分解されず、半永久的に地球上に残り続けると考えられている。特に、5mm以下のマイクロプラスチックは、海洋生態系に深刻な影響を与え続けている。
海にあるマイクロプラスチックのうち、約35%がマイクロファイバーと言われており、アパレル産業も大きな責任を負っている。
そんな中、アニエスベーは2024年7月27日(土)から9月29日(日)まで、東京・青山の「アニエスベー ギャラリー ブティック」で「誰がマイクロプラスチックを食べているの?」展を開催している。
展示期間中には、「Tara JAMBIO(タラ ジャンビオ)マイクロプラスチック共同調査」で過去3年間にわたって採取されたマイクロプラスチックのデータや、アニエスベージャパン社によるビーチクリーン活動の内容が紹介されている。
Tara JAMBIOは、アニエスベーの創設者であるアニエス・トゥルブレ氏がフランスに設立した「タラ オセアン財団」の日本支部「一般社団法人タラ オセアン ジャパン」が2020年からおこなっている、日本沿岸のマイクロプラスチック汚染調査プロジェクト。
より具体的な研究内容やデータを展示し、深刻化する海洋プラスチック問題やマイクロプラスチックが及ぼす影響について、来場者に深く考え、行動を促す機会を提供している。
【展覧会概要】
- 会場:アニエスベー ギャラリー ブティック
- 東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
- 会期:7月27日(土)〜9月29日(日)、月曜日休廊(ただし8月12日、9月16日、9月23日は開廊)
- 時間:12時〜19時
関連イベントとしては、アニエスベー渋谷店3Fのカフェで、タラ号のクルーが撮影した写真展『Sailor’s eyes:タラ号クルーの視点』や、子どもたちが描いた海洋環境をテーマにしたポスター展『タラ号ポスターコンクール 2024 受賞作品展示』を開催。臨場感のある写真や、子どもたちの視点・感性で表現した絵画からは、研究データとはまた違ったインスピレーションを得られるだろう。
すべての問題を一度に解決できるような、完璧なプロジェクトや製品はない。海洋プラスチック問題を回避するために天然由来の製品を選んでも、農業による水質や土壌汚染、雇用格差など、また別の問題を誘発する可能性もある。
だからこそ、一人ひとりが現状の問題や向き合い方を知ったり、考えたりすることが大切なのかもしれない。9月いっぱいまで開催しているので、興味のある人はぜひ立ち寄ってみよう。
【ウェブサイト】アニエスベー
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斉藤雄二
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