作り手の想いや、環境に配慮した素材や工程の透明性、伝統文化の継承など、エシカルにこだわり抜いたアイテムが集まる場所。昨年末にLifeHuggerのニュースでピックアップした tells market(テルズ マーケット)は、そんな、未来に語り継ぎたい、厳選されたエシカルな品々が揃うECサイトです。
Life Hugger編集部では、tells marketの環境に配慮した商品選びや、作り手の想いを丁寧に伝える姿勢に共感し、運営会社の株式会社Freewillで広報を担当する白木さん、星野さんに、tells marketが目指す、エシカルな選択の先にある未来ついて詳しくお話を伺いました。
大量生産・大量消費の先にある世界を変えたいという想い
tells marketのストーリーは、株式会社FreewillのToshi Asaba氏が、世界42カ国を旅した時に見た世界の姿と、想いから始まっています。
「19歳の当時、バックパッカーとして旅していた代表のAsabaは、大量生産大量消費の陰にある途上国の過酷な労働環境やひっ迫している地球環境問題を目の当たりにし、今の資本主義のあり方に疑問を感じたそうです。
この世界をどうにか変えたい。ただ、人々の消費の習慣や方法を変えることはなかなか難しい。それならば、ITの力で、モノ買うという行為が、自動的に環境や社会に貢献できる仕組みを構築すればいい。そんな想いから、tells marketを立ち上げました。」
tells marketが考えるエシカルの定義、「後世に伝えたい」モノとは?
tells marketでは、「後世に語り継ぎたいもの=エシカル」と定義づけているそう。日本の作り手や職人さんの想いや伝統文化の継承、社会課題の解決、環境への配慮を伝えることを大切に、エシカル消費を推進していきたいと、白木さんは言います。
「日本の伝統的なモノづくりや消費文化は、自然との共生を大切にしており、当たり前に倫理的なことはクリアしています。日本では昔から、環境負荷の低いエシカルなモノづくりがなされていたと言えます。
例えば日本の伝統工芸品の一つである南部鉄器は、製造過程においても全て土に還るようにできています。日本のこと、受け継ぐ担い手がいないと消えてしまう伝統文化をもっと知り、伝えていきたい(=tells)です。そうすることで伝統文化の継承、地域の活性化につなげていけたらと思っております。
tells marketでは、製造工程や原材料についての情報の透明性について、信頼性に基づいたスコア表示の機能を搭載しています。信頼性を見える化することで、ユーザーが商品を選択しやすいようにしています。今後は、購入者からの評価の掲載など、ユーザーがより自分に合った商品を選びやすくなるような仕組みを実装する予定です。」
「買う」だけで、いつのまにか社会が良くなる仕組みづくり
tells marketでは、買い物をするだけで自動的に森が増えていく仕組みを構築しています。エシカルな商品を購入して付与された消費者のポイントの一部が、苗木の購入に使われる制度をスタートしています。
「tells marketで買い物をすると、サステナブル エココインが付与されます。サステナブルエココインは、1コイン=1円換算で、商品を購入する際に使用できます。近年、ポイントサービスの利便性が向上する反面、使い忘れたポイントが失効してしまったという、悔しい経験がある方も多いのではないでしょうか。
通常のポイントだと、一定期間経過し失効したポイントは、サービスを運営している企業の資産となるケースが多いです。しかしながら、tells marketでは、使われていない寝かした状態のポイント資産を、そのまま「森の苗木」に変え、森林保全や環境活動などを行う団体へと寄付します。」
地球や社会課題に向き合う作り手のストーリーを“tells”する
tells marketで取り扱う商品は、地球環境や地方創生に本気で向き合っているメーカーと、一件ずつ打合せを重ね、作り手の想いを聞き「後世に伝えたい」と感じるモノをセレクトするため、人手と沢山の時間が必要だといいます。結果として、掲載できる商品を集めるのにはかなり時間がかかったそうです。
「商品セレクトで一番大切にしていることは、作り手の商品に対する想いです。どのような想いで商品を作っているのか、どんなストーリーがあるのかを重視しています。それ以外にも、製造工程や原材料の情報開示などの透明性、労働環境などを考慮しています。
今はコンセプトに共感した方や、出張先で出会った人から紹介していただくことが多くなりました。サービス掲載料や管理費などは不要で、販売した際の手数料のみしか費用はかからないので、伝統工芸品を扱っている小規模の作り手の方でも掲載しやすいようにしています。
少人数ではありますが、作り手の想いが詰まっているストーリーをどう掲載すれば伝わりやすいか、どの様な仕様にしたらサイトが使いやすいかということを、Webサイト開発チームと何度も議論を重ねているなどしてサイト作りを行っています。」
エシカルな体験を通して、人と人とがつながる場に。そして世界へ
今後は、エシカルな商品ラインアップを充実させていくと同時に、モノが集まるエシカルマーケットという役割だけでなく、作る体験ができたり、作品の作り手同士が出会え場とし ても、tells marketを活用していきたいと白木さんは言います。
「今は主に20代~30代の女性のユーザーが多い印象です。取り扱っている品物が、アクセサリー類やファッション小物類が多いからでしょうか。ただ今後は、食品や伝統工芸品、キッチン用品など、幅広いジャンルのアイテムを取り扱っていく予定なのです。それにともない、ユーザーの性別や年齢層も幅広くなっていくことを期待しています。
また今後は、コインの寄付先を環境保全団体だけではなく、地域通貨として地方自治体などにも寄付していき、地方創生、地域活性にも貢献していけたらと思います。
そして、日本の素晴らしい文化を世界に発信するため、英語での対応も可能になる予定です。tells marketが、世界中の人に作り手の方の想いがこもった日本のモノを知ってもらうきっかけになればと思っています。」
編集後記
売り手と買い手、供給と消費、富める者と貧する者という、従来の資本主義に沿ったビジネスの仕組みではなく、tells marketは、作り手、買い手、社会・環境などすべてにとってメリットがあるよう配慮されています。買い物するだけで、地球や社会が良くなる。意識しなくとも環境や社会にポジティブな影響を与える活動に参加できるので、誰でも気軽に取り組める持続可能な仕組みだと感じました。
サステナブルやエシカルという言葉は気になるけれども、実際に何をしたらいいのかわからないで止まっている方は、まず、買い物をする場所を、エシカルに変えてみるということからはじめてみてはいかがでしょうか。
【参照サイト】tells market
【参照サイト】株式会社Freewill
【関連ページ】買い物すると森が増える!エシカルオンラインマーケット「tells market」がオープン
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