冬の一大イベントであるクリスマス。このシーズンが近づくと街中がクリスマスツリーなどの装飾で彩られ、自然と心が弾んでしまいますよね。クリスマスの装飾と言えば、家庭でもツリーを飾る方も多いと思いますが、実は環境にとってはマイナスな一面もあるということをご存知でしょうか。
そこで当記事では、少しでも環境に配慮したクリスマスを過ごしたいという方のために、クリスマスツリーをサステナブルに楽しむ方法を紹介します。
クリスマスツリーが地球環境に与える影響とは
日本ではあまり馴染みがないかと思いますが、クリスマスの本場ともいえるヨーロッパやアメリカでは伐採したモミの木などの針葉樹をツリーとして飾るのが昔からの風習となっています。
生木のツリーは自宅からできるだけ近い場所で購入し、処分方法にも気を付ければ人工のものと比べて環境負荷が少ないと言われていますが、毎年クリスマスシーズンが終わると大量のツリーが捨てられてしまっているのが現状です。
参照サイト:クリスマス後700万本の生木が廃棄 海外でも深刻な「ホリデーごみ問題」解消促す新サービス | AMP
生木のツリーは環境にやさしいクリスマスツリー?
製品が環境に与える影響を調べるには、その原料の調達・輸送方法から廃棄に至るまでのすべての過程を見る必要があります。
生木のツリーには大量生産され、短い期間で消費・廃棄されるという課題がありますが、木の成長過程で大気から二酸化炭素を吸収するので、原料調達から廃棄までに排出される二酸化炭素を相殺できる点がメリットです。また、出荷するまでにおよそ10年間の栽培期間を必要とし、伐採されるまでは地下水の浄化や生き物の住処になるなど、生物多様性にもつながっていると考えられます。
一方、プラスチック製などの人工ツリーは、生産から廃棄までのすべての過程で温室効果ガスを発生させるため、環境面でのデメリットが多いのも事実です。こうしてみると、人工ツリーは環境に悪影響しかないのでは?と思ってしまいますが、クリスマスシーズン終了後には保管して次の年にも使えるというメリットがあります。
きちんと保管して長く大切に使えるのであれば、生木よりも環境にやさしい場合もあります。
参照サイト:生のモミの木と人工クリスマスツリー、環境負荷が高いのはどちらか : BIG ISSUE ONLINE
サステナブルにクリスマスツリーを楽しむ方法
ここでは、サステナブルにクリスマスツリーを楽しむ方法を紹介します。
回収サービスがある、生木のクリスマスツリー
本物にこだわりたい方には、やはり生木のクリスマスツリーがおすすめです。見た目はもちろんのこと、プラスチック製のツリーにはない木の香りでリラックス効果も期待できます。
生木のツリーは、シーズンオフになったら廃棄しなければならないので、回収サービスを行っているお店で購入すると安心です。
IKEAではクリスマスが近づくと生木ツリーを販売していますが、使い終わったツリーの回収サービスも行っているので、廃棄方法に悩むことがありません。回収されたツリーは焼却されるのではなく、チップ状にされてガーデニングなどの資材として再利用されています。
使い終わったツリーを持っていった際に、購入証明書にスタンプを押してもらうことで1,000円オフクーポンとして利用できる、お得なサービスも実施しています。
- 商品の詳細を見る:IKEA
サステナブルな素材や長く使えるデザインの人工のクリスマスツリー
生木にしか出せない雰囲気は確かにありますが、廃棄方法や利便性を考えると人工ツリーを選択するという方が多いと思います。人工のツリーを選ぶ場合には、なるべく長く使えそうなものを選ぶようにしましょう。
生木のリアルさや高級感を出したいのであれば、RSグローバルトレード社製のツリーがおすすめです。葉や枝の質感が本物に近く、しっかりとした作りなので長く大切に使うことができます。
ツリーを置くスペースがない場合や、生木のような見た目にこだわらないのであれば、インドの民族衣装であるサリーをリサイクルして作られているツリーという選択肢も。小さめのサイズになっているので、デスクや玄関をクリスマスらしく飾りたいというときにもピッタリなアイテムです。
- 商品の詳細を見る:Pepple Tree
使い終わった後は観葉植物に。鉢植えのクリスマスツリー
生木のツリーがいいけど、毎年廃棄するのは気が引けるという方には、鉢植えタイプのツリーがおすすめです。管理する必要があるため少しめんどうな点もありますが、繰り返し使えて環境にやさしいクリスマスツリーの選択肢として近年注目されています。
鉢植えのツリーは、クリスマスシーズン以外もインテリアグリーンとして活用できます。木の種類はゴールドクレストなどの針葉樹が適していますが、すでに観葉植物をお持ちであれば、それに飾りつけしてみるといいかもしれません。
鉢植えツリーとは少し異なりますが、フラワーギフトなどを手がける第一園芸では、クリスマスからお正月まで楽しめるミニツリーを全店舗で販売しています。正月飾りにリメイクしたり、萎れてきたらドライフラワーにしたりと、インテリアとして長く楽しめる商品です。
【関連ページ】第一園芸、クリスマス用のブーケとしても正月飾りとしても楽しめる「ハッピーブーケ」を販売スタート
クリスマスツリーは買わずに借りる。クリスマスツリーをレンタルする
ワンシーズンだけ利用したい場合や、ツリーの保管が難しいという場合にはレンタルツリーという選択肢も。
人工ツリーのレンタルはもちろん、本物にこだわりたいなら生木のレンタルも可能です。設置・飾り付けから撤去まで行ってくれるところもあるので、仕事や家事に追われて忙しいという方でも気軽にクリスマスツリーを楽しむことができます。
- 詳細を見る:iconicflower
人工のクリスマスツリーの保管・処分方法は?
人工のクリスマスツリーは大切に使えば長く楽しめるもの。環境のためにも適切な方法で保管して、次の年につないでいきましょう。ここでは、クリスマスツリーを長持ちさせるための保管方法や捨てる以外の選択肢で処分する方法を紹介します。
クリスマスツリーを長持ちさせる保管方法
クリスマスツリーについたほこりをそのままにしておくとカビが生えやすく、劣化の原因にもなります。
クリスマスシーズンが終わってツリーを片づけるときには、はたきや掃除機などを使ってしっかりとほこりを取り除くようにしましょう。濡れ雑巾などでツリーの汚れをふき取った後には、しっかり乾燥させてから収納することも重要です。
しまう際には購入時に入っていた箱に入れ、直射日光が当たらず、湿気の少ない場所で保管すると経年劣化を防ぐことができます。破損や紛失で購入時の箱がない場合は、ツリー用の収納バッグなどを利用するのもおすすめです。
廃棄せずに処分する場合
リサイクルショップ
廃棄しないですぐに処分したい場合にはリサイクルショップに出してみてはいかがでしょうか。買取価格はあまり期待できませんが、粗大ごみに出すよりは費用がかからず、手間も少ないのでおすすめの処分方法です。
時期によっては買い取ってくれない場合もあるので、クリスマス直前の10~11月頃にリサイクルショップへ持ち込むようにしましょう。
フリマアプリ
廃棄せずに手放したい方におすすめしたいもうひとつの方法は、フリマアプリへの出品です。
フリマアプリの場合、すぐ売れるとは限らないので今すぐ処分したい人には向きませんが、状態のいいツリーを手放したい場合やリサイクルショップよりも高値で売りたいという場合にぴったりの処分方法となっています。
ごみとして処分
古くなってしまったツリーはリサイクルショップやフリマアプリに出しても売れないということもあるかと思います。また、生木であれば基本的にワンシーズン使用したら廃棄するほかありません。
生木・人工ツリーのどちらにしても、45Lのごみ袋に入るサイズであれば可燃ごみで出すことができます。そのままでは入らないサイズも、切ることでごみ袋に収まればこの方法で問題ありません。
サイズが大きすぎたり、切って小さくしたりすることが難しい場合は、粗大ごみとして出すことになります。プラスチック製のツリーであっても基本的には可燃ごみとして出せますが、リサイクルマークが付いている場合はプラスチックごみとして出すようにしましょう。
一年の中でも大幅に消費が増え、廃棄されるごみも多くなる年末年始時期だからこそ、少しでも環境に配慮したクリスマスの過ごし方を見つけていきたいですよね。サステナブルなクリスマスツリーを選ぶのもその一つ。今あるものを大切に使用するのはもちろんですが、新しいものを購入するときには廃棄方法を考慮しつつ、長く使えそうなものをチョイスするようにしましょう。
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角家小百合
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