吉祥寺の街とともに10年!「オンワード・リユースパーク」は、地域に根付いたサステナブル発信拠点

衣料品を回収し、リサイクルや寄付などに回すアパレル企業がどんどん増えています。株式会社オンワードホールディングスもそのひとつ。この春リニューアルオープンした「オンワード・リユースパーク 吉祥寺」は、オンワードグループが取り組むサステナブル活動の発信拠点として今年で10周年を迎えました。

今回は吉祥寺駅前にある環境コンセプトショップ「オンワード・リユースパーク 吉祥寺」を取材。注目すべき取り組みなどを紹介します。

不用品回収として預かったオンワードグループの衣料品をチャリティ価格で提供

業界初の環境・社会貢献型店舗として2014年にオープンした、オンワード・リユースパーク 吉祥寺では、消費者から買い取った「23区」「組曲」などの人気ブランド服のリサイクル衣料を最大90%オフというチャリティ価格で手に入れることができます。

外観

2009年からスタートした、衣料品循環システムの構築を目指す「オンワード・グリーン・キャンペーン」の取り組みでは、不要になった同社の衣料品を預かり、そのなかから状態の良いものを選別し、すべてクリーニングを施して販売しています。ちなみに店舗での売上はすべてオンワードグループのサステナブル活動に活用されています。

外観2

また、不要になった衣料品からエプロンやブローチなどを制作する「エコロジーワークショップ」も定期的に開催。ただのリサイクルショップではなく、地域の人たちが環境について話し合える場としても機能してきました。

回収した不用品をリサイクルして作ったサステナブル素材を新什器に

累計の来場客数はこの10年間で約100万人、販売実績は累計35万点。さらに今期は過去最高の売上を記録するなど、昨今のユーズド商品のニーズの高まりを顕著に感じられる同店。そんななか、出店10周年の節目を迎えた2024年3月1日にリニューアルオープンとなりました。

内観

今回のリニューアルでは、オンワードのサステナブルな活動を知ることができる、さまざまな工夫が施されています。まずは製品にサステナブル素材の使われていることです。

新什器

外観のウィンドウとメインディスプレイには、オンワード・グリーン・キャンペーンで預かった、不要な衣料品から製作した新什器が設置されていました。マネキンや商品名が書いてある棚にも新什器が採用されています。

買い回り袋

他にも、買い物袋も再生ポリエステル100%のものに刷新しました。

展示パネル

店内には同社のサステナブル活動がわかりやすく説明された展示パネルがあります。ただお得に買い物できるだけでなく、サステナブルファッションについて知見を広げたり、買い物をしながら環境保全のためにいいことをしている気分になれたり。そんな貴重な体験ができる場所になっています。

さらに吉祥寺に根付いた場所になるために

より吉祥寺という地域に根付いたお店にアップデートされたことも特徴です。店内の1階から3階までは、3つの糸が伸びたようなデザインになっています。これは糸を蔦に見立てて、自然豊かな井の頭公園の緑を表しているのだとか。使われている葉っぱは、井の頭公園の葉っぱをトレースして表現しているそうです。

店頭ディスプレイ

店頭のディスプレイも文化の街である吉祥寺をイメージし、絵画のキャンパスのようなデザインに。

掲示板

さらに入口のガラス扉には近隣にある演劇の公演情報や映画館の公開情報、吉祥寺図書館で行われるイベント情報が書かれた紙が張ってありました。これは武蔵野市の情報発信地として、2019年から行っている取り組み。劇場や映画館に頼まれているわけではなく、スタッフが地域情報を逐一調べてピックアップしたものを手書きしているそうです。アナログだけれども、温かみのある地域の掲示板です。

こうした取り組みを通して、「吉祥寺リユースパークで待ち合わせしよう」と言われるくらい、地元のスポットとして根付いていってほしいという願いが込められています。今後は武蔵野市役所の環境部とも協議しながら、吉祥寺を拠点にするデザイナーとのワークショップ、食関係など、業種を超えたコラボ、商店街を巻き込んだイベントなどにも積極的に取り組んでいくと構想を語られていました。

オンワードグループの商品価値の高さをさらに知ってもらうための自社製品回収

株式会社オンワードホールディングス代表取締役社長の保元道宣さんによると、同社のオンワード・グリーン・キャンペーンによる不用品回収率は約10%だそう。今後は循環比率を上げていくため、店舗での回収だけでなくオンラインの引き取りなど、間口をさらに広くしていくそうです。

保元道宣さん

「コロナ禍や時代の流れもあってアパレル業界全体では過剰生産の波が落ち着き、生産量が圧縮されてきました。一点一点の商品価値が上がっていて、良いものを長く使い続けるほうが格好良いという消費者のマインドが変化していることを、この店舗を通じて強く感じています。現状、他社製品の回収はしていませんが、まずは自分たちが生み出した商品の循環比率を上げ、オンワードグループのクオリティを広く伝えていきたいです」(保元さん)

洋服

同社のリユースパークはオンワード・リユースパーク 吉祥寺のみ。店舗を拡大していくのではなく、吉祥寺の街とともに歩んでいくこのお店を大事にしていくと、店舗への想いを語っていました。

みなさんも吉祥寺を訪れた際にはぜひ足を運んで、同社グループのサステナブル活動に触れてみてはいかがでしょうか。

【参照サイト】オンワード・リユースパーク: ONWARD Reuse Park
【関連ページ】着なくなった服、捨てるの待って!常設で衣服回収を行うアパレルブランド
【関連ページ】【比較表あり】いらない洋服やノンブランド服の買取可能サービス10選! 高く売るコツや整理方法も

The following two tabs change content below.

Life Hugger 編集部

Life Hugger(ライフハガー)は暮らしを楽しむヒントを紹介するウェブマガジンです。消費や暮らしをサステナブルな方向へと変えていきたいと考えている人に向け、サステナブルなライフスタイル、丁寧な暮らし、子育て、農と緑、健康、家事、レジャーなどに関する情報を紹介しています。
InstagramTwitter