【防災×もったいない】あるものでまかなう防災グッズ(前編)~必需品をリュックに詰めていざという時に備える~

防災リュック

日本は海に囲まれ、山や川など豊かな自然に恵まれています。一方で、世界の中でも自然災害が多い国といわれています。災害時に避難指示が出た時に、何を持っていこうか、考えている時間はありません。普段から災害に対する心構えとともに、「備え」として、さっと持ち出せる非常用の防災袋を用意しておきましょう。

そこで今回は、避難時に持ち出す際の防災袋の作り方について紹介します。防災袋を用意するためにすべてを購入する必要はありません。すでに家にあるものを活用し、サステナブルで役立つ防災袋を作っていきましょう。

防災グッズ、何を用意したらいい?

必要だと感じていても、いつ使うのかわからない非常時のアイテムを買い揃えようと思うと、なかなか腰が上がりません。そこで、まずは家にある「使わない」ものを防災グッズとして活用してみましょう。「もったいないから捨てずに取ってあるもの」が、いざとういう時に、自分や家族を守る道具に生まれ変わります。

防災グッズを入れる、リュックを用意する

避難時に両手が使えるように、防災袋はリュックを活用することをおすすめします。新しく防災袋用のリュックを購入するのではなく、普段使っていないリュックがあればそれを活用します。子どもが小さい頃に使っていたキャラクターものや、スポーツに使用してボロボロになってしまったものなど、普段使いが難しいリュックをぜひ防災袋として使ってみてください。家族であっても持っていきたいものはそれぞれ異なります。できる限り人数分の防災リュックを準備しましょう。

必ず入れておきたい防災グッズ

災害が起こった直後の避難時に持っていく防災袋は、避難状況がわからないため、重量やサイズをコンパクトにまとめます。避難所で役立つものを厳選して袋に入れましょう。

リュック中身1

大人用リュック中身

懐中電灯・乾電池

災害はいつ起こるかわかりません。夜中の暗い時間に避難しなければならなくなることも。そうした時には、懐中電灯やランタンがあるとスムーズに避難しやすくなります。必要な時に電池切れがないように、一緒に乾電池も入れておきましょう。子どもが使わなくなったおもちゃやキーホルダーの中には、ライトとしてまだ役立つものもあります。また、電池不要のソーラーランタンを準備しておくのもおすすめです。

軍手・ヘルメット・マスクなどの装備品

災害発生後は、ガラスやがれき類など鋭利なものが散乱する中を歩かなければいけない可能性があります。また建物の崩壊などで粉塵が飛散していることも。安全のために、軍手やマスクは必ずセットしておきましょう。特にマスクは感染症対策の意味でも必需品です。ホテルや飛行機でもらう使い捨てのスリッパも避難所で使えるので入れておくと便利です。ヘルメットは普段使っている自転車用ヘルメットを玄関に置いておけば、いざという時に慌てずにすみます。

新聞紙・ごみ袋・敷物など

季節や地域によっては、防寒対策も大きな課題です。避難所で寒さをしのぐのに、新聞紙やアルミシートは、床に敷いたり毛布のようにくるまったり、いろいろと活用できて便利です。ごみ袋やビニールのショッピングバッグは、防寒や防水にも使える上に、中に衣類を詰めれば、クッションや枕にもなります。破けてしまい屋外では使えないレジャーシートも新聞紙と同様に使えるので、捨てずに防災袋に入れておくと便利です。

現金

災害で停電した際に、コンビニやスーパーでクレジットカードが使用できないことも想定して、数日分の買い物ができる程度の現金を準備しておきましょう。非常時は携帯電話やインターネットが繋がらない可能性があります。公衆電話を使うことを想定し、小銭も用意しておきましょう。

財布の中身

お金と一緒に何個か飴を入れています。

緊急連絡先一覧、ラジオなどの情報収集に必要なもの

災害時には、正確な情報を収集できるかどうかが生死を分けることもあります。携帯電話やインターネットが繋がらない場合でも、最新の情報を集めるために、ポータブルラジオや、家族や親しい友人の連絡先を書いた緊急連絡先一覧、モバイルバッテリー、筆記用具などを入れておきましょう。子どもが工作したFMラジオなども、防災グッズとして役立てることができます。

救急セット・薬などの医療品

避難が必要な状況の場合、病院を受診することはなかなか難しいかもしれません。消毒や絆創膏などが入った簡単な救急セットや、胃薬・風邪薬などの常備薬を入れておくと安心です。また、喘息やアレルギーなど、環境の変化により体調を崩しやすい方や、持病を抱えている方は、数日分の薬を用意しておくなど、いざという時の対応を病院と相談しておく必要があります。

衛生用品

避難所での生活が長引くことを想定して、歯ブラシなどの洗面用具や衛生用品も備えておきましょう。宿泊先でもらった歯磨きセットや石鹸、使わなくなったタオルやハンカチを防災グッズとして防災リュックに入れておきましょう。また、感染症対策として、アルコール消毒、除菌ウェットティッシュも入れておきます。また、トイレを自由に使用できない可能性もあるので、簡易トイレも準備しておくと安心です。

防災リュック(犬用も)

我が家には犬もいるので犬用の防災リュックも用意

個人で必要なもの

眼鏡・薬・生理用品・子どものオムツなど自分が毎日の生活で必要なものも「備え」のリュックの中に入れておくことを忘れないようにしましょう。避難所の生活ではストレスが溜まるものです。お気に入りのグッズや好きな香りのアイテムなどを入れておくのもいいでしょう。

  • 眼鏡(コンタクト)
  • 生理用品
  • 小さな子どもがいる人は子どもが必要なオムツなど
  • ペットを飼っている人はドッグフードやトイレシートなど
リュックの中身2

子どものリュックの中身は避難所で退屈しないような工夫も大切

スペースにまだ余裕があれば入れたいアイテム

防災袋のスペースにまだ余裕がある場合は、サバイバル用折りたたみナイフ・ラップ・携帯用食器皿や箸・耳栓・ライターなどのアイテムを入れておくと、何かの時に役立つ可能性もあります。

防災袋の置き場所を確認しよう

災害は突然起こるので、避難する時はゆっくり物事を考える余裕がないものです。だからこそ、日頃から家族で避難場所や防災袋の置き場所を確認して、いざという時にスムーズに避難できるようにしておくことが必要です。また、防災袋は家族で一緒に中に入れるものを確認しながら作ることをおすすめします。各自が中身を把握できるだけでなく、災害時に必要なものを揃えていく過程で、防災を「自分ごと」として捉えることが大切です。

リュックの置き場

すぐに取り出せるように、玄関のドア近くにかけています。

災害に備えることは大切だとわかっていても、忙しい日常の中で、「非常時」への対応は後回しになってしまいがちです。
まずは、日々の暮らしで使わないけれども、捨てるのはもったいないと思うものも集めて、1つ防災袋を作ってみましょう。また、いざという時に本当に役立つ「備え」になるよう、一度作った防災袋は、衣替えや部屋の大掃除・模様替え、進学、進級、転職などのタイミングに、中身を見直すことも忘れないようにしましょう。

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Yoko

留学時代に住み込みのベビーシッターのアルバイトを経験し、英国の家や庭を愛しDIYを楽しむ暮らしに影響を受ける。自宅の模様替えが趣味で、心地よい部屋作りのための掃除は欠かさない。海外での出産経験から、世界の教育・子育て事情にも興味あり。