ファクトリエが挑戦する、日本初オーガニックコットンTシャツの「水平リサイクル」とは? 

大量生産・大量消費の流れから、一気に持続可能な社会に向けた取り組みへと方向転換しているファッション業界。さまざまなリサイクルの方法が次々と展開されています。そんな中、工場直結のファッションブランド「ファクトリエ」が日本初となる「水平リサイクル」の綿100%のTシャツを発表。今回は水平リサイクルの仕組みや新発売されたオーガニックコットンTシャツについて、8月31日に行われたオンライン発表会の内容をもとにご紹介します。

工場直結型を活かしてサステナブルな取り組みをしてきたファクトリエ

「ファクトリエ」はメイドインジャパンの工場直結型ブランド。ファクトリエを運営するライフスタイルアクセント株式会社 代表取締役 山田敏夫さんによると、工場と直接契約しているからこそ、ファクトリエは長く着続けられるこだわりの製品を適切な量だけ生産でき、職人の技術の保持や工場へ適正価格の還元などができるサステナブルな仕組み作りにも取り組めてきたそうです。

ファクトリエ

2020年からはCOTTON PROJECT(コットン プロジェクト)をスタート。山梨県にあるオーガニックコットンファームやそれぞれの自宅でコットンをタネから育て、ワタを取り、自分の育てたコットンが入ったアイテムを着るというプロジェクトです。洋服ができるまでをゼロから体験できるという新しい洋服体験を提供してきました。

こうした取り組みを続けてきた同社ですが、2021年8月に発表された気候変動に関するIPCC報告書を読んだことで、改めて環境問題に対する危機感を認識したそう。水も二酸化炭素も大量に使うファッション産業が、石油産業に次いで世界で2番目の環境汚染要因だと指摘されていることも踏まえて、「これまで以上にさらに事業をサステナブルなものにしていかないといけないという考えに至った」と山田さんは語りました。

日本でコットンの洋服を作るとなぜ環境に負荷がかかるのか

環境省サステナブルファッションが発表しているデータでは、Tシャツを1枚作るのに使われる水は浴槽約11杯分、排出される二酸化炭素は約25.5kgだとされています。この製造工程のうち、原材料の調達から輸送までの間に排出される二酸化炭素が全体の94%を占め、同じ間に使われる水が全体の91%を占めます。つまり、原材料の調札と輸送の問題をクリアすることが環境負荷においてとても重要だということがわかります。

そもそも日本におけるコットンを使った洋服は、アメリカやインド、トルコなどの主要原産国からコットンを輸送して日本国内で紡績して作られていることが一般的。そのほうが安上がりだからです。それをコットンの生産段階から日本国内で行えば、輸送もしなくて済むので二酸化炭素の排出が大きく軽減します。また、同じTシャツのコットンをもう一度使うため、コットンを育てるコストが不要に。その結果、水の使用量を一気に減少させることが可能になります。

国内工場との繋がりがあるからこそ実現した水平リサイクルのTシャツ

今回ファクトリエから発表されたのは「オーガニックコットンのサステナブルな太番手Tシャツ」3,960円(税込)です。

ファクトリエ

何度洗っても頑丈なだけでなく、吸水性と吸湿性が高いため、肌触りや着心地がいいという特徴があります。またポリエステルが入っていない特別な糸を、本来の縫製に使う糸の量の倍以上を使用。このため、強度が増しているのに軽さがあります。

ファクトリエ

ファクトリエの新しいオーガニックコットンのTシャツは、使用済製品を原料として、再び同じ製品を製造する「水平リサイクル」を実現するアイテム。水平リサイクルとは、着古した衣類を原材料に戻し、再び同じ商品を作成して販売すること。着古したTシャツをファクトリエに送ると、生地を原材料であるコットンに戻し、もう一度同じTシャツを作るということです。こうした水平リサイクルのツの試みは、ファクトリエが日本初なんだそう。

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水平リサイクルができるのは、ファクトリエがお客さんと国内の工場を直接つないでいるビジネスモデルだからだと山田さんは解説します。まず、手数料などがかからないため、低コストで実現できる。それに加え、国内工場とのつながりで製造からリサイクルまで国内ですべてを完結できるといいます。

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水平リサイクルの循環は「オーガニックコットンのサステナブルな太番手Tシャツ」を消費者が購入し、着古してからがスタート。消費者からファクトリエに送り返されたTシャツは大阪の紡績工場へと送られ、10cm四方ほどに切って反毛機(はんもうき)という機械に通されます。

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反毛機で生地を引っ掻くことで生地を細かくしていき、綿の状態にまでします。「反毛」とは繊維くずや着古した洋服を綿の状態にすること。他のリサイクル繊維とは異なり、水も薬品も使用することなくできるので環境に負担のかからない方法です。

将来に向けた投資として低価格で販売

ファクトリエ

反毛されて原材料の状態に戻ったコットンは、紡績され100%コットンの糸として生まれ変わります。その後は愛知の工場で生地として編み立て、兵庫の工場で編み立てた生地を縫製。新しいTシャツとなって再び販売されるというサイクルです。

ファクトリエでは通常、コットンTシャツは6,000円台で販売されていますが、今回の将来の「オーガニックコットンのサステナブルな太番手Tシャツ」は3,960円と通常よりもリーズナブルな価格設定になっています。

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これは将来的に新しく作るTシャツの生地代が安くなることを想定しているためです。山田さんいわく「環境への啓蒙と未来への投資として、ファクトリエとしては初めての3,000円台の価格にしました」とのこと。

環境に負荷をかけない原材料の調達方法だけでなく、作る人と使う人の「長く着続けられるように」「捨てられずに新しいTシャツとして生まれ変われるように」という温かい気持ちがこもったファクトリエの「オーガニックコットンのサステナブルな太番手Tシャツ」。現在予約発売が開始されているので、気になった方はぜひHPをチェックしてみてください。

【参照サイト】ファクトリエ サステナブルライン・特設ページ
【参照サイト】オーガニックコットンのサステナブルな太番手Tシャツ

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Life Hugger 編集部

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