「『サステナブル』『エコ』と書かれた服が増えて、どれが本当に環境や働く人に配慮しているのか分からない」「タグに付いている認証マークが何を意味しているのか知りたい」「ブランドのサイトを開いても、どこを読めばいいのか迷ってしまう」。服を買うたびに、そんなもやもやを抱えていませんか。
そんな方に向けて、この記事では、店頭やネットで服を買う前に確かめたい5つの判断軸を、タグの認証マーク・素材の表示・ブランドの情報開示・言葉の選び方に分けて紹介します。代表的な認証マークが「何を保証していて、何を保証していないか」も一覧にしました。
買う前に確かめたいのは、次の5つです。
- タグの認証マークに、ロゴ・認証機関・番号の3点がそろっているか
- そのマークが、素材・作り手・安全性のどれを保証しているか
- 素材の表示で、オーガニックやフェアトレードの割合が分かるか
- ブランドの情報開示が、どの商品の、どの段階の話か
- 「エコ」「サステナブル」という言葉に、何が・どれくらい・誰が確かめたかの答えがあるか
1. タグの認証マークは「ロゴ・認証機関・番号」の3点で見る
店頭で最初に手がかりになるのは、下げ札や縫い付けのラベルです。オーガニックテキスタイルの国際基準であるGOTS(Global Organic Textile Standard)の場合、認証を受けた製品の表示は、包装・下げ札・ラベルなど、買うときに見える形で製品に付けることになっています。
1-1. 確認の仕方
GOTSの正しい表示には、次の3つがそろっています。
- 商標登録されたGOTSのロゴ(または「Global Organic Textile Standard」の文字)
- 認証機関の表示
- 認証を受けた事業者の認証番号
お店(小売店)は自ら認証を受けなくてよいため、ラベルに載っている番号が、その服を作った製造者や仕入れ先の商社のものであることもあります。ラベルの認証番号(または事業者名)は、GOTSの公開データベースの自由入力欄に入れて検索できます。
有害物質の試験に関するラベル「STANDARD 100 by OEKO-TEX®」は、ラベルのQRコードを読み取るか、公式の「Label Check」に番号を入れると有効性を調べられます。番号は大文字と小文字が区別されるので、そのまま入力するのがコツです。取り消された証明書・ラベルの一覧も公開されています。
1-2. 認証マークで見誤りやすいところ
- ロゴの無い「GOTS」の文字だけの説明:上の3点がそろった表示が無く、商品説明などでGOTSに触れているだけの場合、最終製品の認証を示していないことがあります。
- 「GOTS認証の糸を使用」という表示:糸や生地だけが認証されていて、縫製などを含めた最終製品が認証されていない場合、GOTSラベルは使えません。「GOTS認証の糸を使用」のような書き方は売り手の主張で、認証の対象外です。
- GOTSとGRTSが1つになったラベル:GOTSと、同じ仕組みで運用されている別の認証GRTS(Global Responsible Textile Standard)の表示を、1つのラベルにまとめることはできません。
- データベースで見つからない:GOTSの認証事業者データベースは、認証機関が新しい仕組みへのデータ更新を進めている途中で、掲載内容は最終的な確認には使えないとGOTS自身が明記しています。事業者の認証範囲を正式に示す書類は「Scope Certificate」、出荷ごとの証明は「Transaction Certificate」です。
2. そのマークが何を保証していて、何を保証していないかを分ける
認証マークは「エシカル」をまるごと保証するものではなく、それぞれ見ている範囲が違います。素材の環境、作り手の働き方、肌への安全性のどれを確かめたいのかによって、見るべきマークが変わります。
| マーク | 主に示していること | 示していないこと | 番号などの調べ方 |
|---|---|---|---|
| GOTS | 認証を受けた有機繊維を70%以上使い、加工・製造・取引のすべての段階の事業者が認証を受けていること。毎年の現地審査が前提 | 綿花などを育てる農業そのものの認証(農業の段階は有機農業の基準で認証される) | ラベルの認証番号・事業者名を公開データベースで検索 |
| 国際フェアトレード認証(コットン) | フェアトレードの基準に沿って作られたコットンが使われていること | 製品の素材がすべてコットンであること(混紡の製品は、製品重量の50%以上がコットンであることが条件) | — |
| WFTO(世界フェアトレード連盟)の認証 | 事業者全体がWFTOのフェアトレード基準に沿っていること。SGSグループの認証機関による第三者監査 | 商品ごとの審査ではない | — |
| STANDARD 100 by OEKO-TEX® | 糸・ボタン・付属品まで、1,000種類以上の有害物質のリストに対して試験されていること。証明書の有効期間は1年 | 素材がオーガニックかどうか、作り手の労働条件 | QRコード、またはLabel Checkに番号を入力 |
2-1. 確認の仕方
タグでマークを見つけたら、まず「素材」「作り手」「安全性」のどれに当たるかを当てはめます。OEKO-TEXの場合は、ラベルに付く製品クラスもヒントになります。製品クラスは4つで、Class 1は3歳までの乳幼児向け製品で基準がもっとも厳しく、Class 2は肌に直接触れる製品、Class 3は肌に直接触れない製品(ジャケットなど)、Class 4はカーテンなどのホームテキスタイルです。有害物質の基準値は、少なくとも年1回見直されています。
2-2. マークの意味で取り違えやすいところ
- 「OEKO-TEXのラベルがある=オーガニック」ではありません。有害物質の試験の認証なので、素材の育て方や作り手の働き方は別のマークで見ます。
- WFTOのメンバーであることと、認証を受けていることは別です。WFTOは保証制度から第三者認証制度へ移行している途中で、認証はすべてのメンバーに必須ではありません。基準の多くは認証の時点で満たす必要があり、一部は2〜4年以内の達成や継続的な改善が求められます。
3. 素材の表示でオーガニックやフェアトレードの割合を見る
同じ「オーガニックコットンの服」でも、使われている割合は服によって違います。認証ラベルには、その割合を読み取れる区分があります。
GOTSでは、認証を受けるには有機繊維が70%以上必要で、ラベルの区分は「made with organic」が70%以上、「organic」が95%以上です。さらに、同じ原料の慣行繊維(オーガニックではない綿など)を混ぜることはできず、混ぜられるのは別の種類の繊維だけです。つまり「made with organic」のラベルの綿の服に、ふつうの綿が混ざっていることはありません。
国際フェアトレード認証のコットンラベルは、混紡の製品の場合、製品重量の50%以上がコットンであることが条件のひとつです(ユニフォームとワークウェアに限り30%以上)。
3-1. 確認の仕方
- 認証ラベルの区分(GOTSなら「organic」か「made with organic」か)を見る
- 服の内側の素材表示(綿○%、ポリエステル○%など)と並べて、どの素材がどれくらい入っているかを見る
- ネット通販では、商品ページの「素材」欄と、ラベルの画像や認証の説明が載っているかを見る
3-2. 素材表示で見誤りやすいところ
「オーガニックコットン使用」「リサイクル素材使用」という書き方は、使っていることは分かっても、割合や誰が確かめたかまでは分かりません。割合の書かれた素材表示や、番号の付いた認証ラベルとセットになっているかどうかで、情報の確かさが変わります。
4. ブランドの情報開示は「どの商品の、どの段階の話か」で読む
ブランドの公式サイトには、サステナビリティへの取り組みをまとめたページがあることが多くあります。読むときに大切なのは、その説明が「会社全体の話」なのか「特定の商品やコレクションの話」なのか、そして「素材・紡績・縫製・取引のどの段階の話」なのかを分けることです。
たとえばGOTSは、加工・製造・取引のすべての段階の事業者が認証を受けていることを、最終製品をGOTSとして売る前提にしています。一方でWFTOの認証は、商品単位ではなく事業者全体を審査するものです。同じ「認証を取得」という言葉でも、何が審査されたのかは認証ごとに違います。
4-1. 確認の仕方
- 認証の名前が書かれているか。書かれていれば、それが商品の認証か、会社の認証か
- どの商品・コレクションが対象か。全商品なのか、一部のラインなのか
- 商品のタグに、認証番号の入ったラベルが付いているか
- 「〇年までに目指す」という目標と、すでに達成した実績が分けて書かれているか
WFTOでは、メンバーが自己評価報告の一部として、2年ごとに「Fair Payment」ツール(公正な支払いに関する記入シート)を更新しています。また「Fair Trade Accountability Watch」という窓口があり、基準に反する疑いを誰でも通報できます。こうした仕組みが公開されていることも、情報開示を読むときの手がかりになります。
4-2. 情報開示で読み違えやすいところ
会社全体の取り組みが紹介されていても、手に取っているその1着に当てはまるとは限りません。反対に、認証マークが無いからといって、作り手や環境に配慮していないとも言い切れません。GOTSのように認証は毎年の審査が前提で、事業者には費用もかかるため、マークが無いことだけで判断しないのが現実的です。認証を受けていなくても、工房や素材の産地を自ら詳しく公開しているブランドであれば、具体的な産地・工程・割合まで書かれているかが見どころです。
5. 「エコ」「サステナブル」などのあいまいな言葉に気づく
「エコ」「サステナブル」「環境にやさしい」「地球に配慮した」といった言葉は、それだけでは何がどれくらい良いのかを示していません。言葉の印象ではなく、中身を3つの問いに置き換えて読むと、判断しやすくなります。
5-1. 確認の仕方
- 何が? 素材なのか、染色などの工程なのか、作り手の働き方なのか、梱包なのか
- どれくらい? 素材の割合や、対象になっている商品の範囲が書かれているか
- 誰が確かめた? 番号付きの第三者認証なのか、ブランド自身の説明なのか
3つとも答えが書かれていれば、根拠のある説明だと判断しやすくなります。どれかが空白なら、その部分はまだ分からない、と受け止めておくのが現実的です。
5-2. 言葉の印象で選びやすいところ
- 素材名の書かれていない「環境に配慮した素材」
- 割合の書かれていない「オーガニック」「リサイクル」
- 最終製品の認証ではない「〇〇認証の糸を使用」「〇〇認証の生地を使用」
- 葉っぱや地球のイラストなど、認証ラベルに似た独自のマーク(認証機関や番号が無いもの)
6. あなたはどのタイプ?大事にしたいことから選ぶ見分け方
5つの判断軸をすべて毎回確かめるのは大変です。自分がいちばん大事にしたいことを1つ決めて、まずはそのマークや表示から見ていくと、買い物の負担を増やさずに続けられます。
6-1. 素材の環境を大事にしたい人は、GOTSのラベルから
オーガニックの素材を選びたいなら、ロゴ・認証機関・認証番号がそろったGOTSのラベルが目印です。「organic」(95%以上)か「made with organic」(70%以上)かの区分まで見ると、割合も分かります。素材ごとの特徴はサステナブルファッションの解説記事にまとめています。
6-2. 作り手の暮らしを大事にしたい人は、フェアトレードのマークから
綿花の生産者に目を向けたいなら国際フェアトレード認証のコットンラベル、ブランドや作り手の団体そのものの姿勢を見たいならWFTOの認証が手がかりになります。商品のマークか、事業者のマークかを分けて見るのがポイントです。
6-3. 子どもの肌着や肌に触れる服を選ぶ人は、OEKO-TEXの製品クラスから
乳幼児の服や肌着なら、STANDARD 100 by OEKO-TEX®のラベルと製品クラスを見ます。3歳までの乳幼児向け製品はもっとも厳しいClass 1、肌に直接触れる製品はClass 2です。ラベルの番号はLabel Checkで調べられます。
6-4. 新しく買う量そのものを減らしたい人は、手持ちの服・古着・レンタルから
どんなに配慮された服でも、新しく作られる以上は素材やエネルギーを使います。着る機会の少ない服は借りる、気に入った服は長く着る、という選び方もあります。服を借りるという選択肢についてはファッションレンタルの記事で詳しく紹介しています。
6-5. 認証マークで見分けるやり方が向いていない場面
古着やフリマアプリで買うことが多い人は、下げ札が外れていたり、ラベルの番号を調べられなかったりして、認証マークで見分ける方法では判断材料がそろわないことがよくあります。その場合は、服の内側の素材表示と、サイズや傷み具合、手持ちの服との合わせやすさから「自分が長く着られるか」を軸に選ぶほうが、無理なく続けられます。
7. エシカルな1着は、すでにクローゼットの中にもある
エシカルな服の見分け方を知ると、新しく買うときの基準ができます。そのうえで、Life Hugger が大切にしたいのは「すでに持っている服を長く着る」という選択肢です。ボタンを付け直す、毛玉を取る、洗い方を見直すといった小さな手入れで、1着を着られる期間は延ばせます。
新しく買うときも、新品だけが選択肢ではありません。古着は、すでにある服をもう一度循環させる方法です。素材表示を見て、自分が長く着たいと思える1着を選ぶことは、新品と同じようにできます。
エシカルな服を見分けるときは、次の5つを手がかりにすると迷いにくくなります。
- タグの認証マークに、ロゴ・認証機関・番号の3点がそろっているか
- そのマークが、素材・作り手・安全性のどれを保証しているか
- 素材の表示で、オーガニックやフェアトレードの割合が分かるか
- ブランドの情報開示が、どの商品の、どの段階の話か
- 「エコ」「サステナブル」という言葉に、何が・どれくらい・誰が確かめたかの答えがあるか
次に服を買うときは、まず1枚、タグの認証番号を公開データベースやLabel Checkで調べてみてください。調べ方は1度覚えると、次の買い物でもそのまま使えます。素材の違いやサステナブルファッションの全体像は、サステナブルファッションの解説記事で続けて読めます。
新しい1着を迎える前に、クローゼットで眠っている服をもう一度手に取ってみる。その時間も、暮らしの余白のひとつではないでしょうか。
「ファッション」の関連コラム
- 2026/10/27エシカルな服の見分け方、タグの認証マークと情報開示で確かめる5つのこと
- 2026/10/26エアークローゼットとアナザーアドレスの違い、料金・届く服・返却を比較
- 2026/10/22ファッションレンタル比較、年末年始の服や冬コートを買う前に借りる選び方
- 2026/10/21ニットの毛玉の取り方と予防、ハサミ・ブラシ・毛玉取り器の使い分け
- 2026/10/20サステナブルファッション素材の選び方|オーガニックコットンなど4種の違い
- 2026/10/19古着の通販おすすめの選び方|サイズ・状態・返品で比べる3タイプ
最新記事 by Life Hugger 編集部 (全て見る)
- ほうきの選び方、座敷ぼうき・棕櫚ほうき・手ぼうきの違いと床に合う1本 - 2026年10月27日
- 固形石鹸の選び方、体・顔・髪・洗濯の使い分けと最後まで使い切る見方 - 2026年10月27日
- ソフトバンク自然でんきへの切り替え手順、必要なものと料金プランの見方 - 2026年10月27日













