サステナブルファッション素材の選び方|オーガニックコットンなど4種の違い

木のテーブルに畳んで重ねた綿の服と靴下

「環境にいい素材の服を選びたいけれど、オーガニックとリサイクルはどちらがいいの?」「タグを見ても、どこを確認すればいいのかわからない」「エコ素材と書いてあっても、本当に長く着られるのか不安」

そんな方に向けて、この記事では、オーガニックコットン・リネン・再生ポリエステル・リヨセルの4つの素材について、良さと気をつけたい点を紹介します。あわせて、服を買う前に見ておきたい判断軸もお伝えします。素材の名前だけで決めずに、「長く着られるか」「家で手入れできるか」「手放すときに循環できるか」という暮らしの目線から、次の1着を選ぶヒントにしてください。

1. 完璧にエコな素材はない

白い椅子に掛けたデニムと、床に敷いた生成りのラグ

「天然素材なら環境にやさしく、化学繊維なら負担が大きい」と単純に分けられたら、服選びはずっと楽になりますよね。でも、実際はそうではありません。綿は育つまでにたくさんの水を使います。ポリエステルは石油からつくられ、洗濯のたびに細かな繊維くずが出ます。どの素材にも「良さ」と「気をつけたい点」の両方があるのです。

もうひとつ大切なのは、素材そのものよりも「その服を何回着るか」が環境への影響を大きく左右することです。どれほど配慮された素材でも、数回着ただけでクローゼットに眠ってしまえば、つくるときに使われた水やエネルギーは生かされません。流行を短いサイクルで大量につくって売るファストファッションが問題視されてきたのも、素材より「つくって、すぐ手放す」という流れに理由があります。

素材選びは「唯一の正解」を探す作業ではありません。自分の暮らしの中で、長く付き合える1着を見つけることです。この前提で、代表的な素材の違いを見ていきましょう。

2. 代表的な4つのエコ素材の特徴

オーガニックコットン

化学合成の農薬や化学肥料に頼らない方法で育てた綿です。繊維そのものは一般的な綿と同じで、違いは「どう育てたか」にあります。畑の土や、栽培に関わる人の体への負担を軽くできるのが良さです。綿ならではのやわらかな肌ざわりや吸水性もそのままなので、肌着や子ども服、タオルなど、肌に直接ふれるものに取り入れやすい素材です。

気をつけたい点:綿であることに変わりはないので、育てるにはやはり水が必要です。また、丈夫さや着心地は、オーガニックかどうかよりも、糸の太さや織り方、縫製の良し悪しで決まる部分が大きくなります。「オーガニックだから長持ちする」とは限らない点は覚えておきたいところです。

リネン(麻)

亜麻(フラックス)という植物の茎の繊維からつくられます。亜麻は比較的少ない水で育ち、農薬への依存も少ない作物です。繊維が丈夫で、洗うたびにやわらかく肌になじんでいくため、「育てる服」として長く楽しめます。水分をよく吸ってすぐ乾くので、汗ばむ季節にも心地よく着られます。

気をつけたい点:シワになりやすく、着始めは少しハリやチクチク感が気になる人もいます。シワも風合いとして楽しめるかどうかで、向き・不向きが分かれる素材です。

再生ポリエステル(リサイクルポリエステル)

ペットボトルや使い終わったポリエステル製品などを原料にして、もう一度繊維にしたものです。新たに石油からつくる量を減らせるのが一番の良さです。丈夫で乾きやすく、型崩れもしにくいので、毎日のように洗う服やアウトドア用の服に向いています。

気をつけたい点:素材としてはポリエステルなので、洗濯のたびにマイクロファイバー(ごく細かな繊維くず)が出る点は、新しくつくったポリエステルと変わりません。これが排水を通じて海に流れ込むことが、マイクロプラスチックの問題につながっています。また、ペットボトル由来の場合は「ボトルとして何度も循環できたはずの資源を、服に回している」という見方もあります。服になったあとにもう一度リサイクルできるかどうかは、ほかの素材との混ざり方や回収の仕組みによって変わります。

リヨセル

木材パルプを溶かして、もう一度繊維にした再生セルロース繊維です。レーヨンの仲間ですが、製造に使う溶剤を回収して繰り返し使う製法でつくられるのが特徴です。原料が植物なので、条件がそろえば土の中で分解されるという性質も持っています。なめらかで落ち感のある肌ざわりと、湿気をよく吸う心地よさが魅力です。

気をつけたい点:濡れた状態で強くこすると、表面が毛羽立ったり白っぽくなったりしやすい素材です。洗い方には少し気を配る必要があります。また、原料の木材がどこから来ているかは製品ごとに異なります。

※表は横にスクロールできます。

素材 原料 良さ 気をつけたい点 手入れの目安
オーガニックコットン 化学合成の農薬・化学肥料に頼らず育てた綿 土や生産者への負担を軽くできる/肌ざわりがやさしい 栽培に水を使う/丈夫さは織りや縫製次第 家庭で洗える服が多い
リネン 亜麻の茎の繊維 少ない水で育つ/丈夫で、洗うほどなじむ シワになりやすい/着始めにハリがある 洗えるものが多いが、シワ対策が必要
再生ポリエステル ペットボトルや使い終わったポリエステル製品 新しく使う石油を減らせる/丈夫で乾きやすい 洗濯でマイクロファイバーが出る/混紡だと再リサイクルしにくい 扱いやすいが、洗い方の工夫で繊維くずを減らしたい
リヨセル 木材パルプ 溶剤を回収して使う製法/植物由来で分解されやすい 濡れた状態での摩擦に弱い 洗濯表示を確認し、やさしく洗う

一般的な傾向をまとめたものです。詳細は各ブランドの公式情報や、服に付いている品質表示・洗濯表示でご確認ください。

3. 「オーガニック」「リサイクル」が服のどこを指すかを見る

ひとつめの判断軸は、エコ素材という言葉が「服のどの部分の、どれくらい」を指しているかです。同じ「オーガニックコットン使用」でも、生地のすべてがオーガニックコットンの服もあれば、ごく一部に混ぜているだけの服もあります。

確認の仕方:服の内側に付いている品質表示(組成表示)のタグで、素材の種類と割合を見ます。オンラインで買うときは、商品ページの「素材」欄に書かれた割合を確認しましょう。表地・裏地・リブ(袖口や裾)など、部分ごとに素材が分かれていることもあります。第三者認証のマークが付いている場合は、それが原料だけを示すのか、製品全体を示すのかを説明文で確かめると安心です。

よくある失敗:タグに「エコ」「サステナブル」と大きく書かれていたので選んだのに、組成表示を見たら対象の素材はわずかだった、というケースです。言葉の印象ではなく、数字の割合で判断する習慣をつけると迷いにくくなります。

4. 素材の混ざり方(混紡)を確認する

綿とポリエステル、ウールとナイロンのように、複数の素材を混ぜて織った生地を混紡といいます。シワになりにくい、乾きやすい、丈夫になるなど、それぞれの良いところを組み合わせられるのが混紡の魅力です。ただ、手放すときに素材ごとに分けるのが難しく、繊維として再生しにくいという面もあります。

確認の仕方:組成表示が「綿100%」「ポリエステル100%」のような単一素材か、複数の素材が混ざっているかを見ます。伸縮性を出すためのポリウレタンが少しだけ入っている服も多いので、その有無もチェックしておきましょう。

よくある失敗:ストレッチが効いて着心地がよいからと選んだら、数年でゴムのような伸びが戻らなくなった、という声はよく聞かれます。ポリウレタンは時間がたつと劣化しやすい素材です。とはいえ、混紡がいつも悪いわけではありません。混紡のおかげで丈夫になり、長く着られるのなら、それも合理的な選択です。「手放すときのこと」と「長く着られること」を天秤にかけて決めましょう。

5. 長く着られる作りかどうかを見る

素材がどれだけ環境に配慮されていても、すぐにほつれたり、形が合わずに出番がなくなったりしては意味がありません。結局のところ、一番のサステナブルは「長く着ること」なのではないでしょうか。

確認の仕方:店頭では、縫い目が細かくまっすぐか、ボタンがしっかり付いているかを見てみましょう。生地を光にかざして、目が詰まっているかも確かめます。デザインは、手持ちの服とどんな組み合わせができるかを具体的に思い浮かべるのがおすすめです。何通りもの着こなしが浮かぶ服は、自然と出番が増えます。

よくある失敗:「素材がいいから」という理由だけで、サイズ感や形がしっくりこない服を買ってしまうことです。着心地や似合うかどうかに少しでも迷いがあると、結局は手に取らなくなりがちです。素材は「最後のひと押し」くらいに考え、まずは自分が本当に着たい服かどうかで選びましょう。

6. 家で手入れできるかを見る

手入れの手間は、その服を着る回数に直結します。忙しい毎日の中で「洗うのが面倒だから、今日はやめておこう」と思う服は、少しずつ出番を失っていきます。

確認の仕方:洗濯表示で、家庭で洗えるか、手洗いが必要か、乾燥機を使えるかを確認します。素材ごとのコツも知っておくと安心です。

  • リネンは、干す前に軽く引っぱってシワを伸ばすと、アイロンの手間が減ります。
  • リヨセルは、洗濯ネットに入れて弱めの水流で洗い、濡れた状態でこすらないようにします。
  • ポリエステルなどの合成繊維は、洗濯ネットに入れる、洗濯機に詰め込みすぎない、汚れていなければ毎回洗わずに風を通す、といった工夫で摩擦が減り、繊維くずも出にくくなります。

よくある失敗:クリーニングが前提の服を普段着として買い、手間がかかって結局着なくなるパターンです。毎日のように着たい服は家で気軽に洗える素材、特別な日の服は手間をかけてでも大切にしたい素材、と使い分けると、手入れの負担と心のゆとりのバランスが取りやすくなります。

7. 手放すときに循環できるかを見る

買うときから「この服を手放すとき、どうなるだろう」と考えておくのも、大切な判断軸です。服の終わり方まで考えておけば、捨てる罪悪感にとらわれず、次の人や次の資源へとつないでいけます。

確認の仕方:単一素材の服は、素材ごとに再生しやすくなります。天然素材は最終的に分解されやすく、合成繊維は分解されにくいという違いもあります。また、ブランドによっては着なくなった服を店頭で回収していることもあるので、商品ページや公式サイトで確認しておくと手放すときに迷いません。何より、きれいな状態を保てていれば、古着として譲ったり売ったりと、リユースの選択肢がぐっと広がります。

よくある失敗:手放す先を考えずに着続けて、汚れや傷みでリユースできない状態にしてしまうことです。シミは早めに落とす、毛玉はこまめに取るなど、日々の小さな手入れが、服の次の行き先を守ることにつながります。

8. あなたはどのタイプ?素材選びの目安

肌ざわりと心地よさを大切にしたい人

肌着や部屋着、子ども服など、肌に直接ふれるものを選ぶなら、オーガニックコットンやリヨセルが候補になります。やわらかさや吸湿性を感じやすく、毎日の「着ていて気持ちいい」が積み重なっていきます。リヨセルを選ぶときは、洗い方まで含めて無理なく続けられるかを考えておくと安心です。

洗濯の手間を減らしたい共働き・子育て世帯

毎日のように洗う服や、汚れやすい外遊び用の服には、乾きやすく丈夫な再生ポリエステルや、綿とポリエステルの混紡が向いています。洗濯ネットを使う、まとめ洗いで詰め込みすぎないなど、マイクロファイバーを意識した洗い方を組み合わせれば、時短と環境への配慮を両立しやすくなります。

一着を育てるように長く着たい人

シワも風合いとして楽しめるなら、リネンはぴったりの素材です。洗うたびにやわらかくなり、自分の暮らしになじんでいく過程そのものを味わえます。シャツやワンピースなど、季節をまたいで何年も着たいアイテムから試してみてはいかがでしょうか。

まずは今ある服から始めたい人

エコ素材の服を新しく買うことだけが、サステナブルな選択ではありません。手持ちの服を手入れして着続けることや、古着を取り入れることも、立派な一歩です。素材だけでなく、つくる人や地域への配慮まで含めた服の選び方を知りたい方は、エシカルファッションについてのコラムもあわせて読んでみてください。

9. まとめ

服の素材に、完璧にエコな正解はありません。オーガニックコットン、リネン、再生ポリエステル、リヨセルには、それぞれの良さと気をつけたい点があります。選ぶときに見ておきたいのは、次の5つです。

  • エコ素材が服のどこに、どれくらい使われているか
  • 単一素材か、混紡か
  • 長く着られる作りかどうか
  • 家で無理なく手入れできるか
  • 手放すときに循環できるか

次に服を買う前に、まずはクローゼットのお気に入りの1着のタグを裏返してみてください。長く着ている服の素材や作りに、あなたに合う選び方のヒントが隠れているはずです。服との付き合い方をもう少し広く考えたい方は、サステナブルファッションについてのコラムもどうぞ。長く愛せる1着に囲まれた暮らしは、買い物に迷う時間を減らし、毎朝に小さな余白をつくってくれます。

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Life Hugger 編集部

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