まだ使える着物や帯を「生地素材」として販売する「Kimono そのまんまセンター」が木更津にオープン

着物

とても高品質に作られており、何世代にもわたって使い続けることができる日本の着物や帯。しかし「着る機会がない」、「保管が大変」といった理由で、また終活や遺品整理などを背景として、着物や帯は寿命を全うすることなく手放されたり廃棄されたりしているのが現状だ。

日本リユースシステム株式会社は2022年12月1日、千葉県木更津市で不要になった着物・帯を集め、モノづくり用の生地素材として販売する「Kimono そのまんまセンター」をオープンした。

Kimonoそのまんまセンターでは、オゾン加工を施し除菌・消臭加工済みの着物地・帯地を常時約4,000点展示・販売。料金は一律1点3,300円(税込)。

ハンドメイド作家やデザイナー、服飾系学校の学生など次の人に渡ることで、まだ十分使用できる着物や帯を新しい用途や価値で活かしてもらうことを目的としている。定期的に生地を総入れ替えしているので、いつ買いに行っても新しい素材を選ぶことができそうだ。

日本で集まった着物や帯は、Kimono そのまんまセンターを経てモンゴルへ輸出され、そこで伝統衣装であるデールの素材として活用されたり、現地の障がいがある方などの手によってKimono Upcycle Cloth「ohariko(おはりこ)」といった反物状の生地に作り変えられたりして、カンボジアなど世界中へ輸出される。

2017年1月から累計で415,320着もの着物や帯を活かし、廃棄物や温室効果ガスの削減および、障がいがある方や貧困層の方の仕事を生み出すなど、SDGsの10のゴール達成に貢献している。

日本独特の美しさがある反面、値段が高く、着付け等の難しさから敷居が高いと感じる人も多い着物や帯などの和装品。Kimono そのまんまセンターが活用されることで、服や小物といった身近なものに生まれ変わり、私たちの日常生活を彩ってくれるようになるかもしれない。

【参照サイト】日本リユースシステム株式会社
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Life Hugger 編集部

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