カンコー学生服は、「服から服をつくる®」をコンセプトとしたサーキュラーエコノミーブランド「BRING™(ブリング)」と協働し、「制服・体操服の循環型プロジェクト」を、福岡市、北九州市、宗像市、沼田市、彦根市の5都市に拡大することを発表した。
「制服・体操服の循環型プロジェクト」とは、不要になった制服や体操服を学校で回収し、リサイクルすることで資源の循環を目指す取り組みだ。回収された制服等はBRING™のプラットフォームを通じてリサイクルされ、新たな製品の原料として活用される。
回収〜リサイクルに携わるBRING™は、これまでにも、さまざまなアパレルブランドと連携してきた。回収した衣類は独自のPETケミカルリサイクル技術を使い、100%繊維由来の再生ポリエステルへと生まれ変わる。
各都市の協力のもと、対象となる中学校・高等学校にオリジナル回収ボックスを設置し、制服・体操服の回収を実施する。
回収後には学校全体でどのくらい回収したかがわかる「回収品受け取り証明書」が発行されるほか、資源循環の授業として、「回収した制服をどのように循環させるのか」等を伝える授業も予定しているそうだ。また将来的には、新しい循環型学生服の開発も進めたいとのこと。
すでに愛知県や大阪府で同様の取り組みが開始されている。今回の5都市への拡大により、より広い範囲で制服・体操服の廃棄問題解決に向けた取り組みが可能となるとともに、子どもたちにも循環型社会の重要性を体験してもらう良いきっかけになることが期待されている。
梅雨が明けると、暑い夏がはじまる。多くの学校では衣替えが行われ、夏服への切り替えが進むが、成長期の子どもたちは体型が変化しやすく、サイズが合わなくなった冬服の学生服や体操服が廃棄されるケースも少なくない。
これらの学生服や体操服にはポリエステルなどの合成繊維が使われていることも多く、処分時には環境に大きな負荷がかかってしまう。また、校章や刺繍といったデザイン、素材の種類や色の違い等も各学校や学年で異なるため、再利用がなかなか難しいとされてきたものだ。
本プロジェクトは、リサイクル技術だけでなく、学校・家庭・企業が連携することで、再利用の仕組みを再構築する点が、もっとも大きな変化といえる。毎年大量に廃棄されてきた学生服や体操服を無くすための新しい挑戦に、今後も注目していきたい。
【参照サイト】制服・体操服の循環型プロジェクト
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斉藤雄二
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