飲食店やスポーツジム、オフィスなど、多くの職場で着用されているユニフォーム。その多くは、使用後にリサイクルされることなく廃棄されている現状があります。一般社団法人日本ユニフォーム協議会のデータによると、企業ユニフォームの回収率は現在1%未満に留まっており、アパレル産業における環境負荷の課題として挙げられてきました。こうした働く服を地球の資源へと変える、新しい取り組みが始まっています。
生活用品の専門商社である株式会社三栄コーポレーションは、2月17日より、環境負荷の低減とリサイクルの効率化を目指した企業向けユニフォームサービス 「GREEN UNIFORM(グリーン ユニフォーム)」を開始しました。このサービスは、製品の設計段階から回収・再資源化までを一つのスキームとしてとらえ、繊維資源の循環を目指すものです。

「GREEN UNIFORM」の“完全持続型スキーム”※画像はPRIMESより引用
これまでユニフォームのリサイクルは、ボタンやファスナー、異なる種類の生地が混ざっていることで分別の手間がかかり、実現が難しい側面がありました。そこで GREEN UNIFORM が取り入れたのが、すべてのパーツを単一素材で構成するモノマテリアル設計という工夫です。これにより、回収後のスムーズな再資源化を可能にしています。
素材にはJEPLAN社の再生ポリエステル BRING Material™ を使用し、さらに水を使わずに生地を染める e.dye® という技術を組み合わせることで、製造時の水質汚染やCO2排出の抑制を図っています。パートナー企業の株式会社JEPLANも、この再生ポリエステルと無水染色素材の掛け合わせについて、環境負荷低減に貢献できる業界でも例のない新しいチャレンジであると期待を寄せています。
リサイクル性だけでなく、一着を大切に長く着られることも、サステナブルな視点では重要な要素です。無水染色技術で染められた生地は、くり返しの洗濯や日光による色落ちに強く、タフな現場でも美しさが長持ちする特徴があります。
実際に導入を決めたレストラン運営のソルト・グループによると、飲食の現場では漂白作業による色落ちや油汚れ、くり返しのクリーニングによる色あせなどで生地の劣化が進みやすく、これまでは買い替えにともなうコストや環境負荷が課題となっていたといいます。色落ちしにくい素材によって長期間の使用が可能になり、買い替え頻度を減らせる GREEN UNIFORM の仕組みは、現場の課題解決にも寄与することが期待されています。
この取り組みは、すでに身近な場所で広がり始めています。レストランを展開するソルト・グループのほか、エニタイムフィットネスを運営する株式会社Fast Fitness Japan、ウォーターサーバー事業の株式会社OSGコーポレーションなどで導入が決まっています。ふだん利用しているお店やサービスを通じて、知らず知らずのうちにこの循環の輪に触れる機会が増えていきそうです。

※画像はPRIMESより引用
街中でこのユニフォームを見かけた際、製品タグのQRコードをスキャンすると、その一着が削減した水や化学薬品の量、CO2排出量などが具体的に表示される仕組みも整えられています。利用しているサービスの裏側で、どれだけの環境負荷が抑えられているのかを数字で知ることは、サステナブルな選択をより身近に感じるきっかけになります。
「混ぜればゴミ、分ければ資源」という言葉がありますが、それを設計段階から形にしたモノマテリアル(単一素材)という考え方は、これからのモノづくりのスタンダードになっていくかもしれません。何気なく目にしていた働く服の背景にあるストーリーを知ることで、モノを選ぶ基準も少しずつ変化していくのではないでしょうか。
【公式サイト】GREEN UNIFORM – Our Earth Project
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Circular Economy Hub 編集部
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