米袋で製作したバッグ「カムサック」登場。岩手から日本農業の技術を発信

COME SACK

岩手県で日本の農業資材等を販売する北日本製袋株式会社は、米袋の生地で製作したバッグ「COME SACK(以下、カムサック)」を発表した。

カムサックの生地は米袋ということもあり、軽くうすく丈夫なテープヤーン(細いテープ状の糸)の平織り生地を使用している。バッグ底は米袋用のミシンで一つひとつ縫製しており、はしに伸びた底糸紐は、米袋の名残をイメージしデザインしている。

製品は、大型・中型のマルシェと、大型のビッグクラッチ、マチつきトート、クラッチ型のワンストラップバッグの全5種。価格は税込3,960円から。旅行バッグやアウトドア用品バッグとして、まち歩きのサブバッグにも、丈夫な作りでしっかりと容量があるため用途に合わせて自由な使い方が可能だ。

COME SACK

【COME SACK tote】カムサック トート

カムサックの生地に使われている米麦用樹脂袋は、耐久性にすぐれており、米麦の運搬だけではなく、災害時の土嚢袋といった用途にも使われ海外では一般的に流通している。一方で、日本国内の米麦用袋はフレコン(フレキシブルコンテナ)や紙袋に移行するとともに、海外から輸入された安価な製品に押されており、国内の米麦用樹脂袋へのニーズは激減している現状だ。

同社によると現在、米麦用樹脂袋を一貫で製造できる機械を保有する企業は、国内で北日本製袋社ただ一社のみ。米麦用樹脂袋の生産をつづけ、機械を動かしつづけることは簡単ではない。そこで、古くから続く日本の技術がつまったこの機械を存続させるべく、同社はカムサックを開発した。

カムサックは3月21日までクラウドファンディングを実施しており、4月上旬にはECサイトでの一般販売の開始を予定している。また、4月3日まで、東京・銀座並木通りのホテル「ハイアットセントリック 銀座 東京」の4階ロビーにて、カムサックを実際に手にとって見ることもできる。

日本の農業と歩んできた技術を知り、その技術を身近に感じたい方、応援したい方、またはレトロであたたかく丈夫なバッグを探している方は、ぜひカムサックを日常に取り入れてはいかがだろうか。

【参照ページ】COME SACKで国内における米麦用樹脂袋の生産を未来に残したい(北日本製袋株式会社 2023/02/19 公開) – クラウドファンディング READYFOR

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秋山 綾

アパレル企業、女性誌の編集ライターを経て、紙媒体からウェブ媒体へ移行。幼少期に始めた音楽を通じて表現に興味をもち、好奇心の赴くままに不定期に芸術、文学に関する創作活動を行う。