【現地レポ】目黒の街に咲いた「想い」の花。Meguro Snow Christmas 2025で見つけたエシカルな冬の景色

Meguro Snow Christmas 2025 シンボルツリー

昨年12月19日から21日までの3日間、目黒駅周辺で「Meguro Snow Christmas 2025」が開催されました。2019年に地域の人と地元企業が「街に立ち寄り、想いを交わせる場を作りたい」という思いから始まった「目黒街角クリスマス」を原点に、環境や社会のことも考えながら楽しめる冬の催しとして続いてきました。

2025年は「HAPPY SNOW BLOSSOM|想い咲かせる」をテーマに、EASE街角エリア、MEGURO MARC、目黒駅周辺の複数会場で展開されました。マーケットでの買い物、雪の体験、トークショーなどが用意され、街を歩きながら順番に楽しめる内容でした。

まるで異国を旅するような「EASE街角エリア」のエシカルマーケット

アンティークの門をくぐると、ヨーロッパの街角のような景色が広がっていました。メイン会場のひとつであるEASE街角エリアでは、約50店舗が集まるエシカルマーケットが並びます。マーケットに並ぶのは、どれも背景にストーリーを持つものばかり。

EASE街角エリア EASE街角エリア

大量生産・大量消費ではない、作り手の想いがこもったアイテムを手に取ると、自然と会話が生まれます。また、会場運営では、ごみを減らす工夫としてマイバッグ、マイカトラリーの持参が案内され、買い物の場に行動のヒントが組み込まれていました。

唯一無二展

唯一無二展

唯一無二展と題されたこちらのブースでは、レザーや着物のアップサイクル、一点ものの作品、海外から取り寄せた食材が並びます。

赤いポスト黄色いポスト

赤いポストと黄色いポスト

すぐ相手に届けられる赤いポストと、一年後のクリスマス時期に届く黄色いポスト。時間を超えて「想い」をのせた手紙を送ることができます。

ワンちゃん店長

ペット用のエシカルショップ

ペット用のエシカルショップでは、ワンちゃん店長がお出迎えしてくれました。会期中はペットと共生する社会づくりや防災等のトークイベントも催されました。

原木しいたけ店

原木栽培のしいたけ店

原木しいたけのブースでは、伐採後の切り株から芽が出る「ひこばえ」や、どんぐりの芽吹きで山が育ち直すサイクルについてお話を伺いました。

作り手の方から直接、素材の背景を聞きながら買い物を楽しむことができます。日々の暮らしに取り入れたくなる品から、大切な人への贈りものに選びたくなる品まで、幅広く揃っていました。

EASE街角エリア

目黒で咲くシンボルツリーと雪を楽しむ「MEGURO MARC」

MEGURO MARCでは煌びやかなシンボルツリーが目を引きます。従来のクリスマスツリーとはまた違った、生け花の発想を取り入れたデザインが特徴です。ツリーを手がけた山本寛斎事務所の高谷健太さんは「目黒で咲かせるという発想から、想いを天に届ける拠り所にしたいと考え、生け花に辿り着きました。山本寛斎が生前尊敬していた『いけばな草月流』にお願いし、目黒オリジナルのツリーができあがりました」と話しました。

会期中のトークイベントでは、全日本スキー連盟の原田雅彦会長が雪をめぐる話題に触れました。「雪が用意されていて、子どもたちが目をキラキラ輝かせているのが印象的でした」と語り、スキー連盟が2025年に100年を迎え、雪の魅力を伝える活動を始めたと紹介しました。

雪の体験エリア

また、気候変動の影響で世界的に雪が減っている状況について、「小さなことでも地球環境の保全活動をとおして、山を守りたい」と話し、2026年2月にミラノ・コルティナで開催される冬季オリンピックをとおし、競技の魅力や冬らしさを感じてもらえたらと続けました。

自分以外の「あなた」を想う、未来を考えるクリスマス

(左から)高谷健太さん(山本寛斎事務所)/金井浩二さん(東急電鉄 目黒駅長)/室井健治さん(JR東日本 目黒駅長)/梶貴之さん(野村不動産)/福島澄夫さん(実行委員長・めぐもり理事)/森澤恭子さん(品川区長)/洪愛舜さん(めぐもり代表理事)/原田雅彦さん(SAJ会長)/岡本圭司さん・木村葵来さん(プロスノーボーダー)

イベントの趣旨について、実行委員長の福島澄夫さんは「飲んで騒いで終わるだけではない、未来を考えるきっかけになるクリスマスの過ごし方を考えました。行き着いたコンセプトは『あなたを想う』。『あなた』は自分以外の、家族、友人、地域の人、ひいては地球環境を考えること」と説明しました。そして地域の人びとと協力し作りあげることについても触れ、「手間暇をかけることは、愛情をかけていいものを作ろうとする『祈り』のようなもの。EASE街角エリアであたたかい時間を感じてもらえたら」と続けました。

さらに、目黒の地域活動を手がける一般社団法人めぐもりの洪愛舜さんは、便利なだけでは生きられない、つながりが生まれづらい都市部への問題を掲げ「大切にしていることは『街でつながりをつくる』こと」とめぐもりの活動について語りました。さらに、同イベントのコピーの『想い』について、「自分以外の誰かへ『想い』を広げることで、断絶や分断、世代間のずれが生じても、おたがいを思い合う入り口になり、それが環境問題や社会課題の一助になると思います」と語りました。

Meguro Snow Christmas 2025は、買い物や体験を通じて、だれかを想う気持ちを街のなかで育てる試みです。エシカルを通じた贈り物を選ぶこと、手紙を送ること、雪に触れて自然を考えることから、あたたかい暮らしにつながります。冬のイベントを、消費だけで終わらせず、地域のつながりと環境への視線へ結び直す工夫が、3日間の随所に息づいていました。

【公式サイト】Meguro Snow Christmas 2025
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秋山 綾

アパレル企業、女性誌の編集ライターを経て、紙媒体からウェブ媒体へ移行。幼少期に始めた音楽を通じて表現に興味をもち、好奇心の赴くままに不定期に芸術、文学に関する創作活動を行う。