旅行の必需品アイテムといえばスーツケース。耐久性や強靭性、防犯、移動のしやすさや、さっと荷物を取り出したりしまったりといった使い勝手のよさなど、いいスーツケースには、実にさまざまな条件が求められますよね。すべての条件を満たすスーツケースとなると、生産時や廃棄時、輸送時の環境負荷も、そのぶん大きくなってしまいます。
そこで本記事では、「いいスーツケースの条件」を満たしつつ、環境への負担を軽減したスーツケースを集めました。デザインや使い勝手も良いものばかりですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
環境負荷を軽減したサステナブルなスーツケース
さっそく、環境に配慮したサステナブルなスーツケースを紹介します。選定基準は、つぎの3つです。
- サステナブルな素材を使っているブランド
- 無料回収といったリサイクルプログラムを実施しているブランド
- 修理サービスなどが充実しており長く使えるブランド
以上のどれか、または複数に該当するものから厳選しています。どのメーカーも環境負荷軽減に力を入れたおすすめのものばかりです。順番に見ていきましょう。
「Glide(グライド)」y43
Glideは、スーツケース本体シェルの製造過程で生じる端材を100%再利用したスーツケースです。シェル端材のリサイクル素材は、ボディが柔らかくなりすぎることが悩みでしたが、デザイナーと技術開発チームのアイデアを組合せ、強度面とデザインをしっかりと両立。品質管理と技術向上を図るため設立したエース品質管理研究所(A.T.I.)において、すべての品質管理テスト項目もクリアしています。本体重量は3.0kg(35L)、3.6kg(61L)、4.6kg(96L)の3サイズ展開です。
【ウェブサイト】ACE LUGGAGE
- 59,400円、62,700円、6,6000円(税込)
「MAGNUM ECO(マグナム エコ)」Samsonite(サムソナイト)
シェルにはヨーグルトカップ、内装にはペットボトルのリサイクル素材を使ったスーツケースです。スーツケース1台あたり、ヨーグルトカップは483個分、ペットボトルは14個分も使われています。自然からインスパイアされた5色のカラーラインナップです。機動性に優れたダブルホイール(2輪キャスター)とTSAロック(※)を採用。海外旅行にも安心して持っていけます。
※TSAロックとは、アメリカ運輸保安局により認可されている高セキュリティーのスーツケースの鍵のこと。
【ウェブサイト】Samsonite
- 商品の詳細を見る:楽天
- 14,990円〜(税込)
「MAXPASS RI(マックスパス アールアイ)」Proteca(プロテカ)
MAXPASS RIは、自動車の使用済みバンパーを再利用したスーツケースです。シェルにバンパー再生素材を100%使用し、内装仕切りとインナーケースにはリサイクルポリエステルが使われています。長期間使用を前提とした、3年間の無償製品保証サービス「プロテカプレミアムケア」と、スーツケース回収サービス「エースリサイクルプロジェクト」が利用可能。本体重量は3.5kg、容量は38Lです。
【ウェブサイト】Proteca
- 商品の詳細を見る:楽天
- 42,900円〜(税込)
「SPECTRA(スペクトラ)3.0」VICTORINOX(ビクトリノックス)
SPECTRA 3.0は、ソニー製SORPLAS™とDupont(デュポン)社が開発した抗菌機能搭載の再生生地「SILVADUR™(シルバーデュア)」を採用したスーツケースです。ジッパーを開けばマチ部分が広がり、20%〜最大40%まで容量を拡張して使うことができます。3桁のTSA承認ロックとPCや小物を収納しやすいフロント収納、外部USBポートで使い勝手も抜群。本体重量は3.3kg(37〜44L)〜6.8kg(103〜143L)の4サイズ展開です。
【ウェブサイト】VICTORINOX
「ブラックホール・ウィールド・ダッフル 100L」Patagonia(パタゴニア)
アウトドアブランド・Patagoniaのスーツケース「ブラックホール・ウィールド・ダッフル 100L」です。本体と裏地、ウェビング(調整ベルト)にはユーザーから回収したリサイクルポリエステルを100%使用。環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証「ブルーサイン」も取得済みです。Patagoniaは修理サービスも非常に充実しており、ジッパー交換から糸ほつれまで受け付けています。ひとつのものを長く大切に使い人にもおすすめです。
【ウェブサイト】Patagonia
「Circle One(サークル ワン)」Horizn Studios(ホライズン スタジオ)
Horizn Studiosが販売している「Circle One」は、世界でもっともサステナブルなスーツケースといわれています。リサイクル素材を使ったジッパー、種や木の実の殻からできたハンドル、ボディには、アルミと比べてカーボンフットプリント約1/100、エネルギー消費量約1/4の独自素材「BioX(バイオ エックス)」を使用。5年間の修理サービスがパッケージに含まれており、常に最新の素材や方法で修理するため、購入時よりも良い製品になって戻ってくる可能性まであります。
旅行業界としてはヨーロッパ初のD2Cブランド(※)として注目されており、「一生使えるスーツケース」を目指して生まれたのがCircle Oneです。日本国内ではまだ正式な取り扱いがないため、販売開始が待たれています。
※D2Cブランドとは、Direct to Consumerの略で、企画・製造・販売までを一貫しておこなうビジネスモデルのこと。
【ウェブサイト】Horizn Studios
スーツケースの回収をしているブランド
修理しながらどんなに大切に使っていても、経年劣化でスーツケースはいつか使えなくなってしまいます。そんな時におすすめな、購入時に引取サービスをおこなっているブランドを紹介します。
Aww(アウ)のリサイクルサービス
トラベルブランド「Aww」では、同社のスーツケース購入者を対象とした、無料の引取サービスを実施しています。Aww以外のブランドも対象、送料もAwwが負担するので、買い替え時にはぜひ利用したいサービスです。回収したスーツケースは、再利用できるものはリユース、故障しているものでも、パーツごとにリサイクルを行います。発展途上国の団体や施設等への物資支援にも活用するとのこと。
【ウェブサイト】Aww
Moln(モルン)のスーツケースとリサイクルプログラム
ライフスタイルブランド「Moln」でも、スーツケースを購入した人を対象とした、無料の引取サービスを実施しています。回収するスーツケースはメーカー、サイズ、状態を問わず、送料や回収にかかる費用も無料です。回収したスーツケースは、状態に応じて再利用や、素材ごとに分別し100%リサイクルを行うとのこと。また、同社のスーツケースはすべて、商品到着から2年間の無料修理サービスが付属しています。有料修理サービスもおこなっているので、こちらも長く愛用したい人におすすめです。
【ウェブサイト】Moln
サステナブルなスーツケースで人にも環境にも優しい旅を
今回はサステナブルなスーツケースを紹介しました。旅行アイテムのなかでも、大きな割合を占めるスーツケースは、見方を変えれば投資効果の高いものともいえます。実用性とサステナビリティを兼ね備えたスーツケースを選び、ぜひ人にも環境にも優しい旅を目指してみましょう。
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斉藤雄二
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