いざという時に防災拠点になる防災公園とは?家の近くにないか調べてみよう!

災害が起こった時に活用される「防災公園」を知っていますか?最寄りの防災公園がどのような場所かを事前に知っておくことで、いざ災害が起こった時に慌てずにすみます。普段から利用している公園が、実は防災公園だったということもあるかもしれません。防災の視点を持ち、日常の生活を見直すことで、災害時の行動に役立てることができます。

この記事では、防災公園がどんな場所であるか、災害が発生した際にどのようなことができるかを分かりやすく説明します。

防災公園とは?

災害が発生した際に防災の拠点や避難場所としての役割を担うために整備された公園を防災公園と言います。普段は一般的な公園と同じように、近隣の人々の集うことができる場所として提供されています。訪れたことがある公園が実は防災公園だったということもあるかもしれません。

災害時に防災公園ができること


防災公園は、防災関連の設備が整っているのが特徴です。代表的な防災設備をご紹介します。

防災トイレ

防災トイレには、普段はベンチになっているものや、マンホールとして目立たない場所に設置されているものなどがあります。

かまどベンチ

かまどベンチは、レンガ囲いの土台の上に座板をのせたものです。普段はベンチとして利用しますが、災害時にはかまどとして料理をしたり暖をとったりすることができます。

防災パーゴラ(あずまや)

パーゴラとは、イタリア語の「ブドウ棚」が語源の、公園や軒先などに設置されている格子状の棚のことをいいます。防災パーゴラは、災害時にシートで周りを覆って、救護所や一時避難場所として使用することができます。

太陽光発電の照明

災害時は電気が止まってしまう可能性があります。そんな状況を想定し、太陽光発電が導入されるようになっています。街灯はもちろん、コンセントを利用できるところもあります。

防災デジタルサイネージ

災害時には災害情報を流します。停電していても非常用電源や太陽光発電を利用します。

耐震性貯水槽

耐震性貯水槽は、災害の際でも壊れにくく、安全に水を保つことができるように設計された貯水槽です。水道の配水管路に設置されていることから、常に水道水が循環しており、水質が保全されています。

揚水ポンプ

揚水ポンプは、水道などのライフラインがストップした時に利用できる、手動で汲み上げる水道ポンプのことです。

ヘリコプター臨時離着陸場

災害時は、けが人の手当てや、物資支援、自衛隊の派遣など、さまざまな目的でヘリコプターが被災地にやってきます。防災公園にはそうした外部からの助けを受け入れる設備があることも多いです。

防災公園でなくとも、災害時対応トイレや、かまどベンチがある公園、太陽光発電を設置した公共の施設なども最近は増えてきています。防災の視点を持って、自分の生活圏内を見渡してみると新しい気づきがあるかもしれません。

【参照ページ】防災公園とは

防災公園の紹介

災害時の広域防災拠点となっている防災公園を2つ紹介します。災害時の拠点は都道府県によって異なりますので、時間のある時にお住まいのエリアについて一度調べてみてください。

三木総合防災公園(兵庫県三木市)

三木総合防災公園

画像は、三木総合防災公園から引用。

面積202.4ヘクタールある兵庫県立の広域公園です。災害時には隣接する広域防災センターと一体となって全県の広域防災拠点として機能するとともに、通常はスポーツ・レクレーションの拠点となっています。陸上競技場のスタンド下には備蓄倉庫があり、非常食などが備蓄されています。

ウェブサイト:三木総合防災公園

東京臨海広域防災公園(東京都江東区有明)

東京臨海広域防災公園

画像は、東京臨海広域防災公園から引用。

面積約13.2ヘクタールある東京都の防災拠点施設です。大規模な災害発生時に、首都圏広域防災のヘッドクォーターや広域支援部隊等のベースキャンプ、災害時医療の支援基地などの機能を果たします。通常はレクレーションの場とともに、防災情報の交換や各種訓練など発災時に備えた活動もおこなわれています。

ウェブサイト:東京臨海広域防災公園

身近な防災公園の調べ方

東京都公園協会

画像は、公益財団法人東京都公園協会から引用。

身近な防災公園を知るには、お住まいの自治体のサイトや公園協会のサイトなどで調べてみてください。東京都には、60カ所以上の防災公園があり、公益財団法人東京都公園協会のサイトで詳しくチェックすることができます。また、普段は観光用としての水上バス3隻も災害時には防災船として大切な役割を担います。水上バスについても防災特集サイトに紹介されています。

【参照ページ】防災への取り組み|公園へ行こう!(公益財団法人東京都公園協会)

防災公園へ行くきっかけ

東京臨海広域防災公園

画像は、東京臨海広域防災公園から引用。

防災公園に興味があってもなかなか行きにくく感じる場合もあるかもしれません。普段は、一般的な公園と同じような公共の空間となっていますので、気軽な気持ちで訪れてみてください。

お散歩

普段は一般的な公園と同じように利用できます。子どもたちの遊び広場や散策ルート、スポーツをおこなえる施設がある防災公園もあります。散策もかねて軽い気持ちで一度訪れてみてください。

防災訓練イベント

定期的に防災訓練をおこなっている防災公園もあります。消火活動訓練や人命救助訓練など、災害時を想定しておこなっています。公園内の防災機能を知る良い機会になります。公園のスケジュールをチェックしてみましょう。

親子イベント

親子で楽しめるようなゲーム感覚の防災訓練も開催されています。キッチンカーや子ども向けの遊びなどが用意されているイベントもあり、楽しく学ぶことができます。子どもの防災の意識づけに繋げることができる良い機会となります。

防災公園を訪れた時にチェックしておきたいこと

実際に防災公園を訪れた際に、確認しておきたいことを紹介します。事前に知っておくことで災害時により落ち着いて動くことができます。

  1. 家から防災公園までどのようなルートで行くと安全か
  2. 公園内にどのような施設がどのように配置されているか
  3. 災害時にどのような役割を果たすのか
  4. 防災トイレの場所
  5. 防災井戸ポンプがあるか(災害時すぐに水が使えるか、飲み水として利用可能か) など

さいごに

緊急時自動販売機
今回は防災公園について紹介しました。時間のある時に身近に防災公園があるかどうかを調べてみてください。もし近くにある場合は、気軽な気持ちで訪れてみてはいかがでしょうか?

また、大きな防災公園でなくても、小規模な公園や普段よく利用する最寄りの公園、市民センターなどの公共施設にも、災害救援自動販売機や防災トイレなど防災対策がおこなわれていることがあります。日常の中でいつもより少しだけ防災のアンテナを張ってみると、今まで見えていなかった新しい気づきがあるかもしれません。


【参照ページ】公園とみどり:防災公園の整備 – 国土交通省
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中池 梓

現在は子育てに奮闘しながら、頑張り過ぎずエコで優しい生活を目標に田舎暮らし。最近の趣味は、小説の深読み(植物が登場する作品に限る)。参考文献などを読みあさり自己流に作品を分析してマニアックに楽しむことにはまっている。