「オール電化にしてから、冬の電気代の請求を見るのが怖い」「エコキュートの設定って、買ったときのままで大丈夫なの?」「料金プランを見直したほうがいいと聞くけれど、何から手をつければいいのか分からない」。そんなモヤモヤを抱えたまま、暖房シーズンを迎えようとしていませんか。寒さを我慢しなくても大丈夫です。オール電化の家は、お湯(エコキュート)の設定、料金プラン、暖房の使い方の順に見直すと、無理なく手をつけられます。
そんな方に向けて、この記事では、オール電化の電気代が冬に上がりやすい仕組みをやさしく解説し、見直しの判断軸を4つ紹介します。後半では、料金プランの見直しや再エネプランが「向く家庭・向かない家庭」、電力会社を切り替えるときの手続きの流れもまとめました。
1. オール電化の電気代が冬に上がりやすい仕組み

オール電化の家では、お湯も暖房も調理もすべて電気でまかないます。だからこそ、冬に電気代が上がるのには、はっきりとした理由があります。まずは全体像をつかんでおきましょう。
- お湯(エコキュート):エコキュートは、空気中の熱をヒートポンプで集めてお湯を沸かし、タンクに貯めておく給湯機です。冬は外の空気も水道水も冷たいため、同じ量のお湯を沸かすのにより多くの電気が必要になります。さらに、シャワーや湯船の温度を高めにしたくなる季節でもあります。
- 暖房:ガスや灯油を使わない分、部屋を暖める熱もすべて電気から生まれます。家族が家にいる時間が長いほど、暖房の電気使用量は積み上がります。
- 料金プランの時間帯:オール電化の家では、夜間の単価が安く、日中の単価が高い「時間帯別」の料金プランを契約していることが多くあります。お湯を夜に沸かす前提のプランなので、日中にお湯を沸き増ししたり暖房を長く使ったりすると、単価の高い時間帯の使用量が増えてしまいます。
- 使った量に比例してかかる費用:電気料金には、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が含まれます。再エネ賦課金は使用量に応じてかかるため、使用量の多いオール電化の家ほど負担が大きくなります。
なお、去年の冬と請求額を比べるときは少し注意が必要です。国の電気・ガス料金支援のように期間限定の値引きがあった月とない月では、請求額を単純に比べられません。金額ではなく「使用量(kWh)」で見比べるのがおすすめです。最新の実施状況は、資源エネルギー庁の発表をご確認ください。
2. 見直す順番を決める4つの判断軸
電気代を下げたいと思ったとき、つい「とにかく電気を消す」「暖房を我慢する」に意識が向きがちではないでしょうか。けれど、オール電化の家で効きやすいのは、毎日自動で動いている設備の設定や、契約そのものの見直しです。一度整えれば、その後は意識しなくても効果が続くので、暮らしに「余白」を残したまま取り組めます。
見直す順番の目安を、表にまとめました。
| 順番 | 見直す場所 | 確認すること | 手間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | お湯(エコキュート) | 沸き上げる時間帯・湯量・温度の設定が今の暮らしに合っているか | リモコン操作で完結しやすい |
| 2 | 料金プラン | 契約中のプランの安い時間帯と、実際に電気を使う時間帯が合っているか | 検針票や会員ページの確認から始められる |
| 3 | 暖房 | 家全体ではなく、過ごす場所を絞って暖められているか | 家族で過ごし方を相談しながら少しずつ |
| 4 | 電気の中身 | プランを変えるなら、環境負荷の低い電気も選択肢に入れるか | 料金シミュレーションと合わせて検討 |
この表は一般的な傾向をまとめたものです。設備の機種や契約内容によって異なるため、詳細は各メーカー・各電力会社の公式情報でご確認ください。
判断軸1:エコキュートの沸き上げ時間と湯量は、今の暮らしに合っているか
最初に見直したいのが、エコキュートの設定です。購入時や入居時の設定のまま、何年も使い続けているご家庭は少なくありません。
- 沸き上げる時間帯:エコキュートは、料金単価の安い夜間にまとめてお湯を沸かす使い方が基本です。料金プランを変えたとき、または停電のあとなどに、リモコンの時刻や沸き上げ時間帯がずれていないかを確認しましょう。せっかく夜間が安いプランでも、沸き上げが単価の高い時間帯に食い込んでいては意味がありません。
- 沸き上げる湯量:多くの機種では、沸き上げる量の目安をモードで選べます。子どもが独立した、在宅勤務が減ったなど、家族の暮らし方が変わったのに「多め」の設定のままになっていないでしょうか。毎晩お湯が大量に余っているなら、量を控えめにする余地があります。
- 日中の沸き増し:お湯が足りなくなるたびに日中に沸き増しをしていると、単価の高い時間帯の電気を使うことになります。湯切れが続くなら、日中に足すのではなく、夜間の沸き上げ量を見直すほうが合理的です。
- 長く家を空けるとき:旅行や帰省のときは、休止や不在の設定を使うと、使わないお湯を沸かし続けずに済みます。
設定項目の名前や操作方法は機種によって異なります。取扱説明書やメーカーの公式サイトで、ご自宅の機種の設定を確認してみてください。
判断軸2:料金プランの安い時間帯と、暮らしの時間帯が合っているか
次に確認したいのが料金プランです。時間帯別のプランは、夜にまとめて電気を使い、日中はあまり使わない暮らしを前提にしています。ところが、在宅勤務が増えた、小さな子どもと日中を家で過ごすようになった、といった変化があると、日中の高い単価で使う電気が増え、プランと暮らしがかみ合わなくなることがあります。
まずは、検針票や電力会社の会員ページで、時間帯ごとの使用量と単価を確認してみましょう。数カ月分を並べると、自分の家の「電気を使う時間帯のクセ」が見えてきます。料金は地域・使用量・季節によって変わるため、ほかのプランが合うかどうかは、各電力会社の公式サイトにある料金シミュレーションに実際の使用量を入れて確かめるのが確実です。
ここで一つ注意があります。オール電化向けの古い料金プランの中には、すでに新規受付を終えているものがあり、一度ほかのプランへ切り替えると戻れない場合があります。今のプランが自分に合っている可能性もあるので、切り替える前に、現在の電力会社にも条件を確認しておくと安心です。
判断軸3:家全体ではなく、過ごす場所を絞って暖められているか
暖房は、我慢するよりも「暖める場所を絞る」発想に切り替えると、心のゆとりを保ちやすくなります。
- 家族が集まる部屋を中心に:使っていない部屋まで暖めていないか、家族が自然と集まる部屋をつくれないかを考えてみましょう。
- 熱を逃がさない工夫とセットで:窓は熱が出入りしやすい場所です。厚手のカーテンを床まで届く長さにする、隙間をふさぐといった工夫で、暖房の効きが変わります。
- 体の近くを温める:ひざ掛けや厚手の靴下、こたつなど、部屋の空気全体ではなく体の近くを温める方法を組み合わせると、設定温度を上げすぎずに済みます。
- エアコンのお手入れ:フィルターにほこりがたまると、暖房の効率が下がります。シーズン前に一度、掃除しておきましょう。フィルター掃除の手順や、自分でできるお手入れの範囲は、エアコンの節電とお手入れをまとめたコラムが参考になります。夏向けの内容ですが、フィルター掃除の考え方は冬の暖房前にもそのまま使えます。
家の中でできる省エネの工夫は、家庭でできる省エネアクションをまとめたコラムでも紹介しています。暖房以外の見直しもあわせてチェックしてみてください。
判断軸4:プランを変えるなら、電気の「中身」も選択肢に入れるか
料金プランを見直すタイミングは、「どんな電気を使うか」を考えるよい機会でもあります。日本の電気はまだ火力発電の割合が高く、電気の選び方が環境負荷に関わります。オール電化の家は電気の使用量が多い分、その選択が暮らし全体の環境負荷に与える影響も大きくなります。
再エネを打ち出す電気料金プランを選ぶときは、「再エネ100%」の意味を確かめることが大切です。
- 電源そのものが再エネのプラン:太陽光・風力・水力などで発電した電気を調達し、電源構成として再エネの割合が高いもの。
- 非化石証書による「実質再エネ」のプラン:電源は火力などを含んでいても、再エネなどの環境価値を証明する「非化石証書」を組み合わせることで、CO2排出を実質ゼロとみなしているもの。
どちらが良い・悪いということではなく、何を大切にしたいかで選び方が変わります。各社の公式サイトで電源構成や証書の使い方の説明を確認し、納得できるものを選びましょう。電気の選択を暮らしの循環の中でどう位置づけるかは、ゼロウェイストな暮らしと電気の選び方のコラムも参考になります。
3. 料金プランの見直し・再エネプランが向く家庭、向かない家庭
プランを変えることがいつも正解とは限りません。ご家庭の状況に照らして、向き・不向きを確認してみてください。
見直しが向いている家庭
- 在宅勤務や子育てなどで、日中に家で電気を使う時間が増えた
- 家族の人数や暮らし方が変わってから、プランを一度も確認していない
- 検針票を見ても、時間帯ごとの単価や使用量を把握できていない
- 電気代だけでなく、使う電気の環境負荷も気にかけたい
急いで切り替えなくてもよい家庭
- 夜間にお湯を沸かし、日中はほとんど家にいないなど、今のプランの前提どおりに暮らせている
- 新規受付を終えた古いオール電化向けプランを契約していて、シミュレーションでも大きな差が出ない
- エコキュートの設定や暖房の使い方をまだ見直していない(先に判断軸1・3から取り組むほうが手軽です)
再エネプランについても同じです。料金の差と、電源構成や証書の考え方を見比べて、無理のない範囲で選べば十分です。「全部を一度に変える」より「できるところから一つずつ」が、長く続けるコツです。
4. 電力会社・料金プランを切り替える手続きの流れ
電力会社の切り替えは、思っているよりシンプルです。基本的には、新しく契約する電力会社に申し込むだけで、今の電力会社への解約連絡は新しい会社が進めてくれるのが一般的です。
- 今の契約内容を確認する:検針票や会員ページで、契約中のプラン名、毎月の使用量、契約者名、供給地点特定番号を確認します。冬だけでなく、できれば1年分の使用量を手元に用意しましょう。
- 料金シミュレーションで比べる:候補の電力会社の公式サイトで、実際の使用量を入れてシミュレーションします。時間帯別のプランなら、昼と夜の使用量の配分も入力できるか確認を。
- 条件を確認する:契約期間の縛りや解約時の費用、今のプランに戻れるかどうか、エコキュートの沸き上げ時間帯と新プランの安い時間帯が合っているかを確かめます。
- 申し込む:新しい電力会社に、公式サイトなどから申し込みます。
- 切り替え後に設定を見直す:切り替わったら、エコキュートの沸き上げ時間帯やタイマーが新しいプランの時間帯に合っているかをもう一度確認しましょう。
手続きの詳細や必要な情報は電力会社によって異なります。申し込み前に、各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。
オール電化の電気代は、寒さを我慢しなくても、見直す順番を決めるだけで手をつけやすくなります。まずはエコキュートの沸き上げ時間と湯量、次に料金プランの安い時間帯と暮らしのリズム、そして暖める場所を絞る暖房の使い方。プランを変えるときは、「実質再エネ」と「電源そのもの」の違いを確かめたうえで、環境負荷の低い電気も選択肢に入れてみてください。
次の一歩として、今週末にでも検針票か会員ページを開き、直近の使用量を確認してから、気になる電力会社の公式サイトで料金シミュレーションを試してみてください。数字で見えるようになると、冬の電気代への不安は「自分で選べる安心」に変わっていくはずです。
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