世界中で社会課題となっているマイクロプラスチック。特に海や川への流出・汚染は深刻な問題となっている。しかし、直径5mm以下のマイクロプラスチックの回収はハードルが高く、劣化が激しい園芸用のふるいの使用には不便さを感じる人が多いという。
大きな企業や団体がテクノロジーを使った解決策を日夜研究するなか、福岡県で活動する団体「一般社団法人くらげれんごう」が、人の手で海洋マイクロプラスチックを効率的に回収できるビーチクリーン用具「くらげ5号S」をオンラインショップBASE(ベース)にて販売開始した。
くらげ5号Sは、大きな虫とり網のような形状をしており、軽量で携帯しやすい形を採用した、いわゆる「ふるい」だ。ビーチクリーン活動の際には、砂浜の砂をそのまますくいながら、マイクロプラスチックをはじめとした小さなごみたちをかき集められる。
ごみをすくいやすいように四角く加工した枠口には、錆びにくいステンレス製を採用。初期モデルの「くらげ5号」にはスチールを使っていたが、ステンレスのほうがより軽量で扱いやすくなっており、子どもにも環境にも配慮した仕上がりとなっている。
本体サイズは、重さが約215g、ポリエチレン製のネットが横40cm×縦60cmで、枠本体はステンレス製。BASEで販売されているものには、交換用ネット1枚とサビ取りペーパーが付属し、1個2,000円(税込)に設定されている。
実際に使っている様子を見ると、砂浜に落ちている小さなごみをすくうと、一緒に入ってしまった砂はネットの小さな穴から落ち、ごみだけが残るようになっている。ビーチクリーン活動の清掃用具として考案されたものであるため非常にシンプルだが、同団体の検証結果によると、通常の約5倍効率よく採集できていて、効果は抜群のようだ。
今回は個人向けの販売と同時に、全国の清掃団体への無料レンタルも実施している。市役所や行政施設に置き、地域のクリーン活動に役立ててほしいとのこと。興味のある自治体や団体、企業は、ぜひ一般社団法人くらげれんごうに問い合わせてみてほしい。
流れ着いたり、その場で誰かが捨てていったりする砂浜のごみたち。大きなものを拾うのも大変だが、個人がふるいまで使って、1cmにも満たない小さなプラごみを回収していることを、初めて知った人もいるのではないだろうか。
こうした人々の日々の積み重ねで、砂浜がきれいに保たれていることを忘れてはならない。
【ウェブサイト】一般社団法人くらげれんごう
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斉藤雄二
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