電子書籍など本のデジタル化に伴い、紙の書籍の流通は低迷している。そんななか図書館を利用している人はどれくらいいるのだろうか。図書館は本が捨てられることなく、何度も繰り返し多くの人たちに読まれるサステナブルな仕組みであるため、気になるところだ。
このたび、古本の買取・販売をメイン事業とするバリューブックスが、全国の学校図書館をより良いものにすることを目的に「サステナブルライブラリープロジェクト」を始動した。その第一弾としてクラウドファンディングをスタート、これは長野県松本市の廃校を活用して開校した「インターナショナルスクールオブ長野 五常キャンパス」とともに、新しい図書館をつくっていく試みだ。
バリューブックスだから可能な本の循環
古本の買取販売を行い、普段から本と向き合うバリューブックスだからこそ、見えてくる課題があったと言う。例えば、買取時に値段がつかず、古紙回収へと回る本が日々一万冊を超えているという現状。インターネット市場の介入で、需要と供給のバランスが崩れていることが主な理由だと言うのだ。
本をできるだけ本のまま次につなげていくために、バリューブックスでは2009年から「ブックギフトプロジェクト」という本の寄贈プロジェクトをスタート。小中学校・保育園を中心に年間一万冊以上の本を50施設以上に届ける活動をしてきたなかで、学校図書館の現状と課題を知り、その解決策として考えたのが今回のプロジェクトなのだ。
サステナブルライブラリーとは
学校図書館は子どもたちが興味や関心を深めるために欠かせない場所。しかし、予算や人員リソースなど、さまざまな課題を抱えており、運営が難しい現状がある。「本の環境」をなくさないために、学校図書館をよりサステナブルな環境にすることを目指している。
バリューブックスが考えるサステナブルライブラリーの具体的なポイントはこちら。
世界水準の学びを目指すため、絵本や児童書、専門書などの英語の本を充実させ、当たり前の選択肢に。
・体験した知識を深められる場所
好奇心の芽を摘み取ることなく、本を通じてさらなる知的好奇心を引き出す。
・環境意識が高まるデザイン
ディスカッションしながら、生徒たち自身が望む場所作り。本との関わりだけでなく、その場にいるだけで、サステナブルな意識が高まる空間を目指す。
・学びと交流の場として開放する
学校がない日は、地域住民のコワーキングスペースとして開放。社会を良くする活動に取り組む中小企業と連携し、企業研修として場を提供する。
クラウドファンディングで作り上げる図書館とは
図書館では置く本のリストがとても重要。今回、学校図書館に必要な本のリストを、実際に学校に通う生徒たちや各分野で活躍している人たちとともに作成していくだけではなく、クラウドファンディングのリターンとして選書サポーターになり、リストを一緒に作ることで、図書館作りに関わる体験ができる。
さらに多くの人たちの視点から、今後必要となっていく「サステナブルなライブラリー」について考えながらともに作りあげていくこと、そしてこの取り組みを全国に広めることを目指している。
全国の図書館をより良く、よりサステナブルな環境にすることを目的とした今回のプロジェクト。本を並べるだけではなく、そこで過ごす体験にも価値を置くという取り組みだ。未来を担う子どもたちの成長に関わる場所だからこそ、こういった取り組みがより注目されるように期待したい。
【参照ページ】【全国の学校にサステナブルな図書館を】サステナブルライブラリープロジェクトを始動!
【関連ページ】断捨離におすすめ!古本宅配買取サービス8選
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