オリジナル革製品の企画・デザイン・販売を行うステータシー株式会社は、コーヒーの焙煎時などに発生する規格外品の廃棄豆や抽出後のコーヒー残渣をリサイクルした新素材「コーヒーレザー」の開発に成功した。2023年にコーヒーレザーを使った合成皮革製品の販売をスタートする。
全日本コーヒー協会発表の「日本のコーヒー需給表(2021)」によると42万トン以上と報告されている国内のコーヒー消費量。それに伴って大量に廃棄されるのがコーヒーかすだ。抽出済みのコーヒーかすからは温室効果ガスの一種であるメタンガスを発生させることが問題となっており、世界では廃棄方法や活用法が検討されている。またコーヒーかす以外にも焙煎不良や搬出時に出る割れた豆、包装時に出る端数品など販売できずに廃棄されるコーヒー豆も含めると、大量の廃棄量に及ぶと推定される。
同社はヴィーガンレザー開発のためにこの、身近で廃棄が多いコーヒーかすに注目。廃棄コーヒー豆を有効利用して、高品質かつ長尺の合成皮革へと改新させることに成功した。廃棄コーヒー豆そのものを微粉砕して素材に再利用した長尺のコーヒーヴィーガンレザーは世界的にも類を見ない新素材となる。またこの技術の応用では水分を含んだ抽出後のコーヒー残渣も同等に合成皮革へと改質できる見通しだという。
現在は2023年のテスト販売に向けて品質チェックの段階に進んでいるという同社のコーヒーレザー。コーヒーの香りがほのかに残っているコーヒーレザーは、繊維製品の機能性及び安全性について試験し、製品認証する「製品認証マークSEK」の消臭性試験において、合格基準を大きく上回るテスト結果が出たという。
今後はアパレル製品のほか、家具や壁紙、車両向けシート素材といった応用も期待される。
【参照サイト】ステータシー株式会社
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