福岡県大川市に本社を置く家具メーカーの株式会社モーブルは、2023年1月5日から随所にサステナブル素材を使用した“SDGsソファ”「Grow(グロー)」の受注生産販売受付を開始する。
Growには新開発したお米のバイオマスプラスチックを配合した「RICEWAVE(ライスウェーブ)」、早生広葉樹であり、地球温暖化の進行抑制で注目を集める木材「センダン」、植物由来原料比率を50%以上としたウレタン「ECOLOCEL(エコロセル)」、リサイクル糸を使用した特紡糸などが使われている。
クッション材にはRICEWAVEを使用。RICEWAVEは株式会社バイオマスレジン南魚沼が開発する、食用に適さない古米や米菓メーカーなどで発生する破砕米や、飼料としても処理されない非食用米をアップサイクルした国産バイオマスプラスチック「RiceResin(ライスレジン)」を配合した同社の独自素材だ。このRiceResinには非食用米を10%配合しているため、国内のフードロス問題の課題解決につながるだけではなく、化石燃料の使用を抑えられるため、従来品に比べてCO₂排出を10%削減できると期待されている。
ちなみにRICEWAVEには、ほどよい硬さや高反発性がある。長時間座っていても疲れにくく、耐久性にも優れ、立ち上がる際の負担も軽減してくれる特徴を持つ。
木目部分には「国産の早生広葉樹」として注目を浴び、強度、加工性に優れ、CO2削減に貢献しているセンダン材を使用。広葉樹でありながら成長が早く、植林して20年〜30年ほどで伐採できるまでに成長するセンダン。針葉樹である杉やヒノキと比較しても約2〜3倍の早さで伐採できるため、林業の活性化につながることが特徴だ。また、センダン1本あたりの炭素量は杉やヒノキに比べると約6倍高く、植樹し活用することで地球温暖化の進行を抑えられそうだ。
植物由来原料50%以上の国産バイオマスウレタンフォーム・ECOLOCELも使用。非食用の植物由来原料を使用し、50%の高比率配合でありながら石油由来原料品と同等の物性を維持しており、カーボンニュートラルによるCO2排出量削減や化石資源への依存の低減にも寄与している。
そして、縫製には愛知県岡崎市で大正の初め頃から続いている特殊紡績、通称“特紡”という紡績方法で作られた糸を使用。特紡とは、使用されないまま廃棄される未利用繊維や織布工場で発生する糸くず、布地などを集めてつくられた原料を使用する、地球にやさしい再生方法だ。
随所にサステナブル素材を使用したSDGsなソファ・Grow。メーカー希望価格は268,000円。家庭用としてはもちろん、旅館やホテルなどでのエキストラベッドとしての採用も見込んでいるという。これからどれだけ普及していくのか楽しみだ。
【参照サイト】株式会社モーブルコーポレートサイト
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