千葉県の名産のひとつとして有名なピーナッツ。そんなピーナッツを使った世界でも珍しい“落花生の薄皮そのもの”を活用したヴィーガンレザー「ピーナッツレザー」が誕生した。開発したのは地域に根差したエシカル素材開発を行う柏レザー株式会社。
千葉県の落花生は日本全国の生産量に占める割合が85.1%と全国に誇れる特産作物だが、加工商品を作る過程で多くの薄皮が廃棄されている。加えて環境保護や動物愛護の観点で、植物由来のヴィーガンレザーが注目されている背景からピーナッツレザーが生まれた。
製造の流れは、まず落花生の栽培から製造・販売までを手掛ける有限会社木村ピーナッツが、落花生の副産物である薄皮を柏レザーに提供。その後は連携している千葉県内の生地生産工場で加工され、落花生の薄皮とPVC(ポリ塩化ビニル)が適切に配合された合成レザーとなる。
ピーナッツレザーの特徴は、レザーの風合いを持ちつつも水や汚れ、虫害や腐食に強く、長持ちする素材であるため、どのような製品でも作れる点にある。また動物由来の本革とは異なり、ロールの布生地として生産されるため加工性が高く、製品を製作した後に生じる端材を有効活用すれば、余すことなく布生地を使用できる。
1年もの試行錯誤の末に生まれたピーナッツレザー。現在はポーチや財布、トートバッグなどの商品を展開しているが、今後は街中の飲食店のソファ席や大型家具、自動車のシートなど、BtoB向けのビジネスも展望しているという。世界的に見ても珍しい国産のピーナッツレザーは、今後世界でも注目されるのではないだろうか。
【参照サイト】柏レザー株式会社
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