「最近の気候はなんだか極端になった気がする…」と感じることはありませんか?
株式会社電通が11月18日に発表した「カーボンニュートラルに関する生活者調査」によると、そうした気候変動の影響に対し、自らの暮らしを守るための対策を「必要だ」と考えている人が8割以上にのぼることがわかりました。
この調査結果は、気候変動という大きな課題を「自分ごと」として捉え、具体的なアクションへとつなげようとする、私たちの意識の変化を浮き彫りにしています。
カーボンニュートラルへの意識、着実に前向きに
まず、今回の調査では、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現が「必要だ」と考えている人が、全体の約7割(70.5%)に達していることが示されました。
さらに、気候変動対策に「前向きに取り組む層」は23.8%と、2年前の調査(2023年6月)から7.0ポイントも上昇しています。環境問題への関心が、社会全体へと着実に広がり、自分も行動したいと考える人が増えていることがうかがえます。

(画像:電通)
キーワードは「適応」。82.9%が「必要」と回答した理由
気候変動対策には、2つの重要なアプローチがあります。
一つは、原因となる温室効果ガスの排出そのものを減らす「緩和」策(省エネや再生可能エネルギーの利用など)。そしてもう一つが、すでに起こっている、あるいは避けられない気候変動の影響による被害を、できるだけ小さくするための「適応」策です。
今回の調査で特に注目すべきは、この「適応」を「必要だと思う」と回答した人が、全体の82.9%という非常に高い割合に達したことです。
調査担当者は、「すでに生じている、あるいは将来予測される気候変動の影響による被害を回避・軽減させる『適応』は、熱中症対策など自分ごととして身近に考えられるものが多く、気候変動の影響が大きくなる中で、『適応』への関心が高まっていることが背景にあると考えられます」と解説しています。
猛暑日の増加や、これまでに経験したことのないような集中豪雨など、気候変動の影響を肌で感じる機会が増えた今、「地球のため」という大きな視点だけでなく、「自分や家族の暮らしを守るため」という、より身近で切実な動機が、多くの人を動かしていることがわかります。
世代別に見ると、15~19歳の若者層と、60代、70代のシニア層で特に「適応」が必要だと考える人が多いという結果も出ており、未来を生きる世代と、これまでの経験から変化を敏感に感じ取っている世代の双方で、危機意識が共有されているようです。

(画像:電通)
今日からできる、暮らしの中の「適応」アクション

では、私たちは具体的にどのような「適応」を生活に取り入れることができるのでしょうか。実は、その多くは、私たちがすでに行っている暑さ対策や防災対策の延長線上にあります。
- 気象情報をこまめにチェックする習慣を:
天気予報だけでなく、熱中症警戒アラートや大雨警報・注意報など、命を守るための情報に関心を持ちましょう。スマートフォンのアプリなどで通知を受け取る設定にしておくのも有効です。 - 住んでいる場所のリスクを知る:
自治体が公開しているハザードマップを見て、自宅や職場周辺の浸水や土砂災害のリスクを一度確認してみましょう。いざという時の避難場所や経路を決めておくだけで、安心感が大きく変わります。 - 「もしも」に備える防災ストックを見直す:
飲料水や非常食だけでなく、モバイルバッテリーや携帯ラジオ、常備薬など、停電や断水時にも数日間過ごせる備えを。猛暑や厳冬を想定し、電源不要の暑さ・寒さ対策グッズを加えておくのも良いでしょう。 - 日々の暮らしで暑さを乗り切る工夫を:
日傘や帽子の活用、日中の涼しい時間帯での行動、緑のカーテンやすだれによる日差しの調整など、昔ながらの知恵も立派な適応策です。こまめな水分補給も忘れずに行いましょう。
自分を守る一歩が、未来を守る力になる
今回の調査は、多くの人が気候変動を遠い未来の問題ではなく、”今、ここにある危機”として捉え始めていることを示しています。
省エネやゴミ削減といった「緩和」策とあわせて、自分と大切な人の命と暮らしを守る「適応」策を実践すること。その一人ひとりの行動が、変化の激しい時代を乗り越え、より安全でサステナブルな社会を築くための大きな力になるはずです。
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