軽くて加工しやすく、安価であるという長所を持つプラスチック。私たちは、日常的にストローやカップなど多くの使い捨てプラスチック製品を使っている。一方で、このプラスチックが毎年何万トンもの海洋ゴミとなり、深刻な環境汚染を引き起こしていることは知らない人も多いかもしれない。素材の性質上、400年以上海の中を漂うものもあり、2050年には魚よりもごみの量が多くなるといわれるほど深刻化しているのが現状だ。
そんな海の状況を多くの人に実感してほしいという思いから、実際に流れ着いてきた海洋プラスチックを、長く大切にされる製品へと生まれ変わらせたのが、アップサイクルブランドの「buøy (ブイ)」だ。今回buøyから、新商品の室内用ミニ植木鉢「プランツポット」が一般販売された。プランツポットは2021年2月からクラウドファンディングサイトのMakuakeで先行販売されており、好評だったことから、6月25日より自社サイトでの一般販売を開始した。
ペットボトルのキャップ35個相当の海洋プラスチックごみを使用した植木鉢は、膨らんだ形状が特徴の凸型「deco」とくびれの形状が特徴的な凹型「boco」の2種類。それぞれ5色展開していて、価格は2,970円(税込)。buøyの製品は着色を一切行わず、偶然集まったゴミの色を活かして製作しており、いろんな素材がまじりあって作られている。マーブル模様になっていて発色も抑えられているので、自然素材のインテリアともマッチする質感だ。
プラスチックのため軽くて割れにくく、部屋の高い位置に飾ったり、子どもやペットのいる家庭でも安心して使うことができる。直径83mmとマグカップサイズなので一人暮らしの人や、植物を育てたことがない人でも、多肉植物などを育てたりと気軽に取り入れやすいのも嬉しい特徴だ。
新型コロナウイルスの影響により、自粛生活が続き、イベントが中止になったり、外に遊びに行く機会が減ったりと、季節を感じることが少なくなっている。小さな植物をひとつでも部屋に取り入れることで、マンネリ化しがちなおうち時間に彩りがもたらされる。ビーチクリーンで海洋ごみを回収してくれた人、ごみを洗ってくれた人、ごみを粉砕してくれた人など、たくさんの人の活動や努力が詰まっているbuøyのプランツポット。四方を海に囲まれ、長年その恩恵を受けて暮らしている私たちが、海を守るように意識を変化させるきっかけになることを期待したい。
【参照サイト】buøy
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