夏休み真っただ中、学校からアサガオやミニトマトの鉢を持ち帰ってきているご家庭も多いのではないでしょうか。「毎日水やりしようね」と約束したものの、近年の尋常ではない暑さに、植物も人もぐったり……。「朝は元気だったのに、昼にはしおれている」「何度水をあげても追いつかない」と、戸惑っている方もいるかもしれません。
半数以上が「夏休みの植物栽培は困難」と回答
実際、その難しさはデータにも表れています。東京グリーンビズ PR 事務局が東京都在住の小学生の親を対象に実施した調査によると、夏休み中の植物栽培について53.0%が「困難だった」と回答しています。さらに、その理由として70.25%が「育成の難しさに暑さ・猛暑が影響した」と感じているそうです。
具体的な悩みとしても、「水やりをしても追いつかなかった」(38.75%)、「葉がしおれた」(38.5%)、「土がすぐ乾いた」(37.5%)といった声が上位に並びました。「昔はもっと簡単に育ったのに」と感じるのは気のせいではなく、今の夏の環境が、これまでの感覚では管理しきれないほど過酷になっているというわけです。
では、この過酷な夏の植物栽培と、私たちはどう付き合っていけばいいのでしょうか。肩の力を抜くための「2つのヒント」をご紹介します。
ヒント①「枯れた=失敗」じゃない。理由を考えることも立派な学び
一生懸命お世話をしたのに枯れてしまうと、お子さんもがっかりしてしまいますし、親としても「上手くサポートできなかったかな」と少し罪悪感を覚えてしまうものですよね。けれど、「上手に育てることだけが、植物体験の価値ではない」という見方もあります。
千葉大学大学院 園芸学研究院の岩崎寛教授は、近年の猛暑で従来の栽培が難しくなっていることを踏まえ、うまくいかなかった時も「なぜ枯れたのか」「なぜ元気がなくなったのか」を親子で考えること自体が学びにつながると指摘しています。「日差しが強すぎたのかな」「水が多すぎたのかも」。そんなふうに失敗を含めて観察し、話し合うことも、立派な自由研究のテーマになるのです。
ヒント②無理に屋外で頑張らない。「室内で楽しむ」という選択肢
2つ目のヒントは、命の危険を感じるような猛暑の中で無理に屋外栽培を頑張らず、「室内で緑に触れる」という選択肢を持つことです。
例えば、室内で手軽に育てられるハーブ(ミントや青じそなど)を窓辺に置いてみるのもひとつです。ハーブなら「見る・触る・香る・味わう」と五感を使って楽しむことができ、摘んだ葉を料理やお水に浮かべるなど、室内でも身近に自然を感じられます。

ミントは丈夫で⾹りを楽しみやすく、初心者にもおすすめ。
また、東京都が進める緑のプロジェクト「東京グリーンビズ」では、2026年8月上旬より、緑のイベント(「東京グリーンビズ・クエスト」など)に参加した方を対象に、サンスベリアなど室内で育てやすい観葉植物の苗木を配布する取り組みも始まります。
なお、この苗木は申し込みから届くまでに約1か月半かかるため、夏休み中には間に合いません。ですが、「夏の終わりにイベントに参加し、秋に届く苗木を親子で待つ」というのも、時間に追われないゆったりとした緑との付き合い方といえます。

緑のイベントに参加した方を対象に配布される予定の観葉植物の苗木(写真:東京グリーンビズPR事務局)
完璧を目指さず、できる範囲で緑を楽しもう
猛暑が続く今の時代、外で植物を完璧に育て育てることは、大人にとっても至難の業です。
だからこそ、「学校から持ち帰ったから完璧に育てなきゃ」という肩の力を少し抜いてみませんか。たとえ途中で枯れてしまっても、そこから親子で会話が生まれたなら、その植物栽培は大成功です。
猛暑の夏は無理をせず、親子で心地よくいられるスタイルで、身近な緑と付き合っていきたいですね。
【参照サイト】東京グリーンビズについて(東京都)
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