2023年はファストファッションが生んだ悲劇、ラナプラザの事故から10年を迎えた節目の年。“10年着続けられる世界でもっともサステナブルなブランドを作る”というブランドコンセプトを掲げる、Enter the E(エンタージイー)から、新たなブランド「TEN」が誕生しました。
TENは、10年着続けられて、着古した後にも再び服として生まれ変わるオーガニックベーシックウェア アイテムを展開するブランドです。第一弾として、クラウドファンディングにて、7月31日(月)までの期間に先行販売が行われています。
10年着た後も、再び服として生まれ変わる服「TEN」
TENは、ファストファッションの卒業服、エシカルファッションの入門服として、「10年着るってかっこいい」をコンセプトに誕生しました。10年着続けられる耐久性と飽きのこないシンプルなデザイン、そして水平リサイクル(回収した服が、再び服に生まれ変わるリサイクル)が可能なモノづくりで、服を服として巡らせる循環の仕組みが整っています。
「TEN」のラインナップ
TENのアイテムは、「10年着ることがかっこいい」の価値観に基づいた、シンプルでベーシックなデザインが採用され、首元がよれたり伸び縮みしづらいように補強や細かい番手と編み方にもこだわり、耐久性を持たせるように作られています。また、性別、年齢、体型にこだわらず、多くの人に楽しんでもらえるよう、サイズや骨格に合わせたパターンが用意されています。
素材はオーガニックコットンで、現地のフェアトレード工場と直接連携することで透明性を担保しています。原材料の調達から製造まで、あらゆるプロセスの透明性を高めることが不要なコストの削減につながり、結果として多くの人にTENを手に取ってもらえるような価格の実現が可能となりました。
今回発表されたラインナップとしては、10年Tシャツ 税込3,900円(仮)、10年ロングTシャツ 税込6,900円(仮)、10年スウェットシャツ 税込7,700円(仮)、10年フーディー 税込8,800円(仮)など。エシカルファッションとしては、比較的手に入れやすい価格のアイテムが揃っています。
販売開始時期はは2023年秋を予定しているそうですが、7月31日(月)までの期間に開催されている、クラウドファンディングで先行販売で予約購入できます。
アイテムの特徴
Tシャツなどの着用頻度の高いアイテムはヘタリや汚れが避けられないため、着古した後に人に譲ったり売ったりが難しく、最終的には捨てるという選択しかない時もないとは言えません。
TENでは、そうした課題を解決するため、着古したTENのアイテムを回収し、染め直しなどのアップサイクルを行い再び商品として販売します。アップサイクルが難しい場合でも、集めた服を反毛したり、繊維にしたりして、新しいTENの一部に水平リサイクルして活用していくそうです。
また、先々の資源循環を考えたて、使用する素材はすべて“脱”混紡素材という目的を掲げ、オーガニックコットン100%の製品づくりにこだわっています。快適性や扱いやすなどの利点から、多くの衣料で使われている混紡素材(ポリエステルと綿など、異なる繊維を混ぜて紡いだ繊維)は、素材の分離・分解が難しく、資源循環やリサイクルを妨げてしまい、結果として廃棄の原因となってしまうと言います。
なお、TENの商品を購入する際に着られなくなったTENのアイテムを持ち込んで衣料回収に参加すると、店頭価格から5%ほどお得に新しいアイテムを手に入れいることができます。
Enter the E 代表 植月友美さんの想い
ファストファッションの被害者というバングラデシュのイメージを“世界で最もサステナブルなブランドを作るバングラデシュ”というポジティブな印象に塗り替えること、そして、ファストファッションに頼らない社会を作りたいという想いで、今回TENを立ち上げたという、Enter the E 代表の植月さん。
「地球に生きる私たちが共に10年前の反省を乗り越え、現在の速くて安いファッションによる大量生産、消費、廃棄のシステム以外の選択肢を作り、ファストファッションに頼らない次の10年にしたいです。新しいファッションのスタイルや「10年着るってかっこいい」という価値観を広げていければ、おのずと、ファッション業界全体がサステナブルな方向に変わっていくだろうと思います」
そうした想いを実現していくために、TENでは、環境に配慮した製品を作って売るだけではなく、素材になるオーガニックコットンの栽培などにも挑戦しています。地域の環境、作り手の労働環境、製造過程など、あらゆるプロセスでの透明性にこだわることで、より多くの人ファエシカルファッションを楽しめるようになると、植月さんは言います。
「製造にあたっては、バングラデシュで倫理的な運営を行う工場と出会い、直接連携することで透明性を担保しています。結果的にそれが、不要なコストの削減につながり、エシカルファッションにとってネックになっていた価格の部分を、多くの人が手に入れやすい価格にすることができました」
また、透明性を高めることがファッション業界全体をサステナブルにするためにも重要だとのこと。
「服を作る人と使う人でお互いを意識し、服を通してつながりを感じられるといいですよね。手放す時も相手を思えば「ポイっと捨てる」のではなく、大切に少しでも長く着よう、リサイクルに参加しようと思うのではないでしょうか」
サステナブルファッションを当たり前にするためにも、“見える社会づくり”をして人と人が繋がることが「一番気持ちの良い方法」だと、植月さんが言うように、私たち消費者も服を購入する際に、誰がどこでどのように作った服なのか関心を持ち続けることが大切ではないでしょうか。
エシカルファッションのセレクトショップとして、これまでもさまざまな取り組みを行ってきたEnter the Eの新しいファッションブランド「TEN」。今回発表されたアイテムはどれも使い勝手が良さそうなベーシックなデザインのものばかりです。1着の服を長く着回して、最後は服の回収プログラムに参加する。そんな循環の仕組みに参加したい方は、ぜひEnter the Eの公式サイトを覗いてみてください。
入手方法(先行販売)
TENの発売は2023年秋を予定していますが、7月31日までの期間、クラウドファンディングにて先行販売の予約を受付ています。また、クラウドファンディングに参加すると、「TEN CREW」として商品企画会議に出席したり、商品のモニターや工場スタディーツアー、限定のイベントなどに参加することが可能です。
TENに興味のある方は、プロジェクト期間(先行販売)が終了する前に、クラウドファンディングの詳細を確認してみてください。
【クラウドファンディング】ファストファッションの卒業服、エシカルファッションの入門服【TEN】をつくりました
牛嶋麻里子
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