11月29日、東急プラザ渋谷にはさまざまな色の絵具で彩られたお花や枝を使った大きな装飾が飾られていました。これは東急不動産株式会社とUMIDASU株式会社が行った、ロスフラワーを使ったインスタレーションイベント「継ぐ花」。使われている花はロックバンド「ACIDMAN」が結成25周年イヤーの集大成として11月26日と27日に開催したロックフェス「ACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」の会場を彩っていた祝い花たちです。
今回は廃棄される花たちを再利用して新たな命を吹き込む、このアップサイクル企画「継ぐ花」を取材してきました。
フラワーアーティストの宇田陽子さんが手掛けた壮大なインスタレーション
まだまだ美しくて瑞々しいのに、イベント装飾としての役目を終えるとすぐに廃棄されてしまうロスフラワー。昨今はこのロスフラワーを社会問題として再活用する動きが活発化しています。
今回の「継ぐ花」は、“生命”や“宇宙”といったテーマで音楽活動をしているロックバンド・ACIDMANと共通する「巡る・生命のリレー」をテーマにしたイベント。廃棄予定の祝い花を使用し、多くの祝福の気持ちを新たなかたちで再構築することで、渋谷を訪れる人たちをロスフラワーへの関心につなげていくことを狙いとして実施されました。
インスタレーションを手掛けたのはフラワーアーティストの宇田陽子さん。お花や枝、流木などにペイントをして色をつけることで、お花たちを新たな姿に生まれ変わらせています。
ライブ会場やイベントで大量に廃棄されてきたお花の可能性
フラワーアーティストとしてだけではなく、西麻布の「plans&flowers」、表参道の「logi plans&flowers」など、アート性の高さで人気を博すフラワーショップも手掛け、さらには使用した花材から釉薬を作り、器に生まれ変わらせるプロジェクト「life is.」なども展開するなど、フラワーロスと向き合っている宇田さん。
日々たくさんのお花に囲まれている中で、これまでもライブやイベント会場で一瞬だけ飾られては大量に廃棄されているお花を見ては心を痛めてきたそうです。そのため今回のイベントについては「お花は満開の状態を見て飾って終わりではなく、枯れていく姿さえも愛おしいもの。最後まで生命として労わってあげたら可能性も広がると思います」と、その思いを語っていました。
実験的なイベントでも渋谷という街中だからこそ意義がある
またインスタレーションが飾られた11月29日の翌日である11月30日には、東急プラザ渋谷を訪れた人に無料でお花を配布。おうちでそのままドライフラワーとして楽しめるように、吊るされた花たちの中からみなさんは思い思いに好きなお花を選んでいっていました。
UMIDASU株式会社の代表取締役である猪股克介さんによると、今回のイベントは実験的に行われたのだそう。ロックフェス会場からの花の移送、お花へのペインティング後にドライフラワーとする過程、お客さんへの配布など、今までに取り組んだことのないことばかりだったようです。しかし、当日の盛況ぶりに猪股さんも驚きと喜びの笑顔を見せ、「今後もこうした取り組みはやっていきたい」と意気込みを語っていました。
配布当日には「ACIDMAN」のファンだけではなく、前日に同場所を訪れていて再来した人、たまたま通りがかった人たちなど、多くの人が集まることに。渋谷の駅前の東急プラザ渋谷で開催のイベントだからこその賑わいぶりで、今回のイベントがフラワーロスの問題について考えるきっかけになった人も多いのではないでしょうか。また、花を選ぶときには保存方法や飾り方を熱心に質問する姿もあり、花のある暮らしや、ロスフラワーに対する関心の高さも感じられました。
ライブやイベントが開催されることも多い渋谷。その渋谷で行われた祝い花の廃棄問題に焦点を当てた今回のイベントから、ロスフラワーの新たな取り組みや可能性がさらに広がっていくことを期待したいです。
【参照サイト】logi plans&flowers
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