発表会や結婚式に!役目を終えたウエディングドレスをキッズドレスにアップサイクル

株式会社ノバレーゼは、2022年10月20日に廃棄予定のウエディングドレスをアップサイクルする取り組みを開始しました。これは実際に結婚式で新婦が着たウエディングドレスを女児向けのパーティー衣装に有効活用し、その完成品をレンタルするというもの。今回は10月19日に行われた発表会を取材しました。

ウエディングドレスは日々相当な数が破棄されている

国内を中心にブライダル事業を展開している株式会社ノバレーゼ。結婚式場の運営だけではなく、「NOVARESE(ノバレーゼ)」と「ecruspose(エクリュスポーゼ)」の2ブランドで、ドレスショップも展開しています。そのうちのecrusposeはオリジナルデザインにこだわり、自社での製作や管理にまで携わっている点が大きな特徴です。

財務経理部の岩井雄紀さんによると、同社はこれまで幅広くCSRに取り組んできたものの、事業展開に伴う社会課題解決に向けた取り組みの不十分さを感じていたそうです。SDGsに関する取り組みを模索していたところ、ブライダル業界全体では役目を終えた相当な数のウエディングドレスが裁断・破棄されている現状に目が留まったと言います。

品質管理に重きを置いている同社でも、NOVARESEにおいては3回から5回、ecrusposeにおいては6回から10回程度のレンタルを経ると破棄される流れに至るのだとか。

またコロナ禍で子どもたちの行事や楽しみが減っているなかで、次世代の子どもたちのために何かできないかと考えたこと、そしてファッション業界全体で活性化しているアップサイクル事情に感銘を受けたこと、エコの考え方は晴れの日には敬遠されがちでしたが、今では新郎新婦もサステナビリティへの関心がとても高くなっていることなどが理由としてあるそうです。

産学連携で東京モード学園の学生とデザインやパターン製作を協業

こうしたさまざまな背景から、同社に限らず業界全体でSDGs意識やウエディングドレスの既存の価値をさらに高めようということで、今回の取り組みが始動しました。

今回の取り組みでは、廃棄予定のウエディングドレス1~3着を組み合わせて1着のキッズドレスを完成させています。複数のドレスを使用するのは、素材が劣化している部分や、縫製がすでに入っていて1枚布では使えない部分がどうしても出てきてしまうためです。既成のウエディングドレスから活用できる素材は限定されてしまうため、同型のドレスを複数組み合わせたり、同じレース部分をつなげたりして1着ずつドレスを完成させました。

また産学連携の取り組みを行っていることも特徴です。今回デザインからパターン製作を行ったのは東京モード学園の学生たちで、90人の学生から10案が採用されています。学生たちは活発な子どもの動きや身体的特徴、トレンド、子どもらしくかわいいシルエットなどを考慮しながらデザインとパターン製作を手掛けました。

今回第1弾として発表されたのは6型のキッズドレスで、年明けからは第2弾として4型のキッズドレスの製作がスタートします。

第1弾として6型のキッズドレスのレンタルがスタート!

次に2019年にノバレーゼの子会社として立ち上げられ、参列者向けのパーティードレスのレンタルショップを運営している株式会社アンドユー代表取締役社長の松田愛里さんから、今回発表された6型のキッズドレスの紹介がありました。

こちらは「2wayケープバルーンミディアムドレス」。3着のカラードレスを使用しており、ドレスとケープ部分はいずれもカラードレスのスカート部分の素材を活用しています。ハイネックのシャーリングやバルーンシルエットが子どもらしさを演出していて、とてもかわいいですよね。

2着のカラードレスを使用した「アシンメトリーフリルショートドレス」は、もともとのドレスデザインをフル活用している1着。松田さんによると「デザイン画を見たときに、どのドレスからでもアップサイクルできる素晴らしさを感じた」そうです。カラードレスの柄を最大限に生かすために、ドレスのデザインはシンプルな形を採用しました。

パーティー感のある「2ピースショルダーリボンミディアムドレス」には、2着のウエディングドレスと1着のカラードレスを使用しています。スカートにはカラードレスのスカート部分のチュール素材を使用してボリューミーなデザインに仕上げ、ウエストのレースには元々ウエストリボンだったパーツを活用。トップス部分のくるみボタンは新調し、ドレスにアクセントを加えているそうです。

ウエディングドレスの廃棄削減に大きな可能性

今回のキッズドレスは、ウエディングドレスやカラードレスで使える部分を有効活用しています。しかし、素材の劣化などの事情から使えない部分は廃棄せざるを得ません。この点について岩井さんは「廃棄される部分の今後の活用は未定ですが、小物などにも展開の可能性を感じています。今回の取り組みを実施してドレスの廃棄数を削減する可能性を実感し、限りなく0に近い数字に貢献したいと考えています」と、今後の抱負を語っていました。

キッズドレスのレンタル料金は、送料やクリーニング代をトータルで含めて3泊4日・3,300円。アンドユーの公式サイトからレンタルできます。このたび発表された6型に加えて、残りの4型は年明けから製作をスタートする予定。2023年春を目途に展開していくそうです。

お子さんの発表会やイベントなどで、キッズドレスを着用する機会も増えるこの季節。デザインにもSDGsにもこだわって作られたノバレーゼのキッズドレス、みなさんも注目してみてください。

【参照サイト】株式会社ノバレーゼ
【参照サイト】 ANDYOU DRESSING ROOM
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Life Hugger 編集部

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