みなさんは日焼け止めを選ぶとき、どんな成分が含まれているのか気にしたことはありますか?「子どもが産まれてから気にするようになった」という方も多いのではないでしょうか。
1年で紫外線が最も強いのは、5月〜9月。わが家では、外遊びが大好きな子どもに、日焼け止めを塗ることが朝のルーティンになっています。しかしながら、お肌の弱い赤ちゃんにも使える日焼け止めを探すのにとても苦労しました。
また、日焼け止めに含まれている成分が、サンゴや海の生き物たちまでも傷つけているとして、世界中で注目されています。無意識のうちに、自然の生き物たちを傷つけてしまっていたなんて、とてもショックですよね。
今回の記事では、赤ちゃんから大人まで使えるのはもちろん、豊かな海を守ることにもつながる日焼け止めを3つ紹介します。
日焼け止めに含まれる成分が、サンゴを傷つけている!
豊かな海に広がる色鮮やかなサンゴ礁は、白化現象により年々減少し、世界的に問題となっています。世界遺産にも登録されている世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」では、過去25年間でサンゴが半数消滅し、日本国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」でも約9割のサンゴが白化現象の影響を受け、科学者たちが警鐘を鳴らしています。
サンゴは二酸化炭素を吸収し、酸素を供給してくれます。また海の生き物の30%がサンゴに頼って生きているため「海の熱帯林」とも呼ばれています。サンゴが減少すると、その周りで生活する小魚や、それらを狙う大きな魚の数も減り、海の生態系のバランスが崩れます。そして海産物を食べる私たち人間も、食物連鎖の関係で影響を受けます。
白化現象の主な原因は、気候変動による海水温度の上昇によるものだけでなく、私たちが使っている「日焼け止め」に含まれている成分も原因の一つだと言われています。
その原因となっている成分は「オキシベンゾン」「メトキシケイ皮酸エチルヘキシル」です。特にオキシベンゾンは、人体への影響もあり、オリンピックで使用されるプール6個分の水に1滴入れただけでもサンゴに影響があると言われています。現在日本で販売されている日焼け止めのほとんど(子ども向けにも)に、これらの成分が含まれています。
海外では、すでに多くの日焼け止めが使用禁止されている
世界では、海洋プラスチック問題をはじめ、環境問題への様々な対策が行われています。2018年5月には、世界初となる「サンゴ礁に有害な化学物質が含まれる日焼け止めの販売禁止」の法案がハワイで可決されたように、近年、有害性が指摘される成分を含んだ日焼け止めの使用や販売、持ち込みを禁止する国や地域が出てきています。
ハワイやボネール島(カリブ海)では、2021年1月1日から、オキシベンゾンとオクチノキサートが含まれている日焼け止めの販売が禁止となりました。また、メキシコでは、各地のビーチで環境への影響がある日焼け止めを使わないよう勧めているようです。
ハワイよりも日本に近い「パラオ共和国」では、2020年1月より、ハワイで禁止された2種類に加え、オクトクリレン・エンザカメン・トリクロサンなど8種類の化学物質が使用された日焼け止めやスキンケア製品の販売・使用が禁止されました。違反者は1,000ドル(約11万)以下の罰金となり、観光客が持ち込んだ場合には入国時に没収されます。
【参考サイト】サンゴ礁に有害な成分を含む日焼け止めの禁止について:在パラオ日本国大使館)
サンゴに優しい日焼け止めの探し方
サンゴや海の生き物、そして私たちの体に悪影響がなく、どの地域でも使用できる日焼け止めには、下記の文字やマークが記載されているので参考にしてみてください。
- 「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」
- オーガニック認証「ECOCERT」のマーク付き
- 「Reef Safe」「Eco Friendly」
- 天然鉱物である「酸化チタン」「酸化亜鉛」だけを使っている
上記の文字やマークがない場合でも、次の成分が含まれていないことを確認してみましょう。
- オキシベンゾン
- メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(オクチノキサート)
※日本製は「メトキシケイ皮酸エチルヘキシル」、海外製には「オクチノキサート」と記載されていることが多い。
まずは、今持っている日焼け止めが、サンゴや海の生き物に配慮されたものなのか、オキシベンゾンなどサンゴ礁に有害な化学物質が含まれていないかどうかをチェックしてみてはどうでしょうか。
赤ちゃんも使用できる!サンゴにやさしい、おすすめの日焼け止め3選
今回は、サンゴをはじめとする海の生き物、そして人間の体にも負担なく、使い勝手や使用感など、日焼け止めとしても優秀なものをピックアップ。次のチェックポイントをすべてクリアした日焼け止めを厳選して3つ紹介します。
- 天然成分100%、天然由来100%(オーガニックだから、お肌への負担が少ない)
- サンゴを傷つける成分(「オキシベンゾン」「メトキシケイ皮酸エチルヘキシル」を含まないもの)
- 赤ちゃんから大人まで使える(敏感肌の方にも使える)
- 石鹸やお湯で落とせる(よく動き回る赤ちゃんや子どもに使う際の重要ポイント!)
- ウォータープルーフ(海や川はもちろん、公園遊びの水や汗にも大活躍)
- 保湿力があり、肌が乾燥しない(家族みんなの肌を守る・うるおす)
- 赤ちゃんから大人まで使える!サンゴにやさしい日焼け止め3選 - 2021年8月17日
- レゴグループ初!リサイクル素材を使用したブロックを公開! - 2021年7月27日
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日本人ダイバーが開発した注目の日焼け止め「CORALILY サンゴに優しい日焼け止め」
CORALILY(コーラリリー)サンゴに優しい日焼け止めは、紫外線吸収剤不使用・ノンケミカルなうえ、ノンナノ(ナノ粒子不使用)でもあるので、子どもや敏感肌の方にもおすすめです。沖縄のダイバーである呉屋由希乃氏とプロダイバーで環境活動家の武本匡弘氏が共同開発した製品で、売上の一部は、サンゴの移植活動や海洋保全活動のために寄付されます。外箱は紙、容器はアルミからできた、日本初のプラスチックフリーの日焼け止めです。石鹸で落ちます。
商品情報
バームタイプ/ウォータープルーフ
成分:ゴマ種子油、酸化亜鉛(ノンナノ)、ヤシ油(ココナッツオイル)、ミツロウ、シア脂、ホホバ種子油、ラベンダー花油、セイヨウハッカ油、ユーカリ葉油 ※全9成分の解説はこちら
内容量:40g / SPF 50+ UVA★★★★ (12gもあります)
対象年齢:新生児(生後0ヵ月)~子ども・大人
おすすめポイント
・プラスチックフリーを実現した、日本初の日焼け止め(外箱:紙、容器:アルミ)
・サンゴをはじめとする海の生き物にも有害な化学物質などすべて不使用
・石鹼で落ちる
・売上の一部は、サンゴの移植活動や海洋保全活動のために寄付される
【公式通販サイト】公式通販サイト
【通販サイト】Organic Style Japan(オーガニック スタイル ジャパン)
オーガニックベビースキンケア ブランド発、「アロベビー ウォータープルーフUVミルク」
アロベビー ウォータープルーフUVミルクは、紫外線吸収剤不使用・100%天然由来成分で、合成香料・合成着色料・アルコール・合成ポリマー・パラベン・シリコン・鉱物油・石油系界面活性剤無添加。グレープフルーツ&ラベンダーのやさしい香りです。水や汗に強くしっかりUVカット。クリームタイプなので、よく動く子どもにも塗りやすく石鹸で落ちます。白浮きせずなめらかに塗れるので、大人の化粧下地としても使用可能です。また、虫よけ効果もあるミストスプレータイプの製品も出しているので、UVミルクを塗ってからミストを使うと効果があるようです。
商品情報
クリームタイプ/ウォータープルーフ
成分:主な成分は「アロエベラ液汁」「カミツレ花エキス」※全成分についてはこちら
内容量:60g/SPF30 PA★★★
対象年齢:新生児(生後0ヵ月)~子ども・大人
おすすめポイント
・クリームタイプなので、よく動く子どもにも塗りやすい
・石鹸で落ちる
・白浮きせず、なめらかに塗れる
・化粧下地としても使用OK
国内最高UV指数を実現!「moani organics UV SKIN PROTECT MILK」
moani organics(モアニ・オーガニクス)UV SKIN PROTECT MILKは、100%天然由来成分・無香料で、国内最高UV指数を実現。また、オーガニック認証団体の世界基準と言われている「ECOCERT(エコサート)認証」を取得しています。オーガニック植物由来の5つの美容成分「アロエベラ液汁」「ホホバオイル」「ココナッツオイル」「アーモンドオイル」「アボガドオイル」を配合し、肌荒れと乾燥を防ぎます。軽くて伸びの良いなめらかな乳液で、石鹸で落ち、化粧下地としても使えます。
商品情報
乳液タイプ/ウォータープルーフ
成分:2種類(VANILLA WHITE、COCONUT BROWN)の商品を展開していて、それぞれ成分が異なる。全成分とそれぞれの成分の原産国がオープンにされているので、興味がある方は公式サイトから確認できます。
内容量:50g/SPF50 PA★★★★
対象年齢:新生児(生後0ヵ月)~子ども・大人
おすすめポイント
・乳液タイプなので、よく動く子どもにも塗りやすい
・石鹸で落ちる
・化粧下地としても使用OK
【公式通販サイト】公式通販サイト
【通販サイト】@COSME
【通販サイト】楽天市場
赤ちゃんのお肌は、大人の3分の1~半分の薄さのため、紫外線も日焼け止めもかなり負担になります。赤ちゃんとのお出かけを楽しむためにも、しっかりと紫外線対策を行い、負担の少ない日焼け止めを選ぶ必要があります。もちろん、海の生き物たちも傷つけないものを!
今回は、サンゴや海の生き物たちにも優しい日焼け止めを紹介しましたが、「海に行くことはないから、私は大丈夫」と思っている方がいるかもしれません。実は水質汚染の原因の一位は、生活排水によるもの。私たち一人ひとりが、日々の生活で洗い流しているものが海や川へと流れつくのです。このようにサンゴ礁は、人間の生活とも非常に深い関わりがあります。
【参照サイト】ecostore papalagi(エコストアパパラギ)
【参照サイト】サンゴ礁保全の取り組み(環境省)
【参照サイト】沖縄の海のまっ白な真実(NTTドコモ)
【関連ページ】クリーンビューティブランド「Save ME」、“肌と地球を守る”トーンアップUVクリームを販売開始