省エネラベルの見方、星の数と年間電気代で冷蔵庫・エアコンを選ぶコツ

白い冷蔵庫と木のカウンター、木の器が並ぶ明るいキッチン

「売り場で星の数を見比べても、電気代がどれくらい違うのかピンとこない」「年間の目安電気料金が安いほうを選べば、わが家の電気代も本当に下がるの?」「まだ動く冷蔵庫を、省エネのためだけに買い替えていいのか迷っている」。家電の買い替えを考え始めると、こんな疑問が次々に出てきますよね。

そんな方に向けて、この記事では省エネラベルに並ぶ4つの情報の読み方と、冷蔵庫・エアコンを選ぶ前に確かめたい6つの判断軸をまとめました。「省エネだから買い替える」のではなく、暮らしに合う一台を選んで長く使うための見方として、今の家電を手入れで延ばす選択肢まで紹介します。

1. 省エネラベルに並ぶ4つの情報

木の机で明細書を手に電卓をたたく手元とスマートフォン

家電売り場の値札の横や、通販の商品ページで見かける省エネラベル。数字がいくつも並んでいて戸惑いやすいのですが、載っている情報は大きく4つに分けられ、それぞれ役割が違います。

項目 何を表しているか 読むときのポイント
星の数(多段階評価) 同じ種類の製品の中で、省エネ性能がどのあたりの位置にあるか 種類や区分が違う製品どうしでは比べない
省エネ基準達成率 国が定めた省エネの目標基準を、どれだけ上回っているか(%) 100%以上なら基準を達成。同じ区分の中で比べる
年間消費電力量(kWh/年) 決められた条件で1年間使ったときに消費する電気の量 機種どうしを比べるときの、いちばん使いやすい物差し
年間の目安電気料金(円/年) 年間消費電力量を、想定の電気料金単価で円に換算したもの ご家庭の契約単価とは違うので、あくまで目安として読む

これはラベルの一般的な読み方をまとめたもので、表示の細かな形は製品の種類によって少しずつ異なります。通販サイトなどでは、星の数や目安電気料金が無く、省エネ基準達成率などだけを示した「簡易ラベル」を見かけることもあります。

4つのうち、電気代とCO2の両方に直結するのは「年間消費電力量」です。星の数や達成率は「同じ仲間の中での成績」、目安電気料金は「想定条件での換算値」と覚えておくと、数字の役割を取り違えにくくなります。

2. 省エネラベルを読み解く6つの判断軸

判断軸1:星の数は同じ種類・同じ区分の中で比べる

星の数は、冷蔵庫なら冷蔵庫、エアコンならエアコンの中で、さらに容量や冷暖房の能力などの区分ごとに評価されています。同じ区分の中で星が多い製品ほど、省エネ性能が高い位置にあるという意味です。逆に言えば、区分が違う製品の星を並べても、電気代の大小は分かりません。

確認の仕方

  • 比べたい機種の種類と、容量(冷蔵庫)や能力(エアコン)をそろえてから星を見る
  • 星の数だけで決めず、同じラベルにある年間消費電力量もあわせて見る
  • 通販では、商品ページの仕様欄やメーカーのカタログにある省エネ表示を確認する

区分違いの星を並べていないか

つまずきやすいのは、「星の多い小型の冷蔵庫」と「星の少ない大型の冷蔵庫」を並べて、星の多いほうが電気代も安いと思い込んでしまうケースです。また、省エネの基準は技術の進歩に合わせて見直されていくため、数年前に買った家電の星の数と、いま売り場に並ぶ製品の星の数はそのまま比べられません。今の家電と比べたいときは、星ではなく年間消費電力量を物差しにしましょう。

判断軸2:省エネ基準達成率で基準をどれだけ上回るかを見る

省エネ基準達成率は、国が製品の区分ごとに定めた省エネの目標基準に対して、その製品がどれだけの性能を出しているかをパーセントで示したものです。100%以上であれば基準を達成していて、数字が大きいほど基準を上回る余裕があります。星の数よりも細かい差が見えるので、同じ区分で迷う2台を比べるときに役立ちます。

確認の仕方

  • まず100%以上かどうかを見て、基準を達成している製品にしぼる
  • 同じ区分の候補どうしで、達成率の差を比べる
  • 達成率の差が小さいときは、年間消費電力量の差や、使い勝手・本体価格・サイズで決める

達成率の高さを電気代の安さと読み違えない

達成率がいちばん高い製品が、電気代もいちばん安いとは限りません。達成率はあくまで区分ごとの基準に対する割合で、電気の量そのものではないからです。区分が違えば基準も違うため、別の区分の製品と達成率を比べても意味がない点にも気をつけたいところです。

判断軸3:比べるときの物差しは年間消費電力量(kWh)

年間消費電力量は、1年間にどれだけの電気を使うかを示す数字です。電気料金の単価は契約先や地域によって変わりますが、kWhの数字はどの家庭でも同じ意味を持ちます。今の家電と新しい家電、A社とB社の機種を比べるときは、まずこのkWhの差を見るのが確実です。

ただし、この数字は各家庭の使い方をそのまま測ったものではなく、決められた条件・期間で使うことを想定して算出した値です。機種どうしを同じ土俵で比べるための物差しと考えると、ちょうどよい距離感で付き合えます。

エアコンの場合は、APF(通年エネルギー消費効率)もあわせて見ておくと役立ちます。APFは、1年を通じて冷房と暖房を使ったときに、消費した電気1kWhあたりでどれだけの冷やす・暖める力を出せるかを表すもので、数字が大きいほど効率よく運転できるエアコンです。同じ能力の区分の候補どうしで比べてみてください。

kWhを減らすことは、電気代のさまざまな部分に効いてきます。電気料金には、使った電力量に応じてかかる部分(再エネ賦課金など)があり、kWhが減ればそれも一緒に軽くなります。また、家庭で使う電気から出るCO2の量も使う電力量に比例するので、kWhの差がそのままCO2の差の目安になります。実際の排出量は、契約している電力会社や電気のプランによっても変わります。

確認の仕方

  • ラベルやカタログで、単位が「kWh/年」になっている数字を探す
  • エアコンは、カタログや仕様表にあるAPFの数字も同じ区分の中で見比べる
  • 今使っている家電の型番を本体のシールや取扱説明書で確認し、当時のカタログやメーカーのサイトで年間消費電力量を調べる
  • 候補の機種と今の家電の年間消費電力量の差を出しておく

W と kWh の取り違えに注意

「消費電力(W)」と「年間消費電力量(kWh/年)」は似た言葉ですが、意味が違います。Wはその瞬間に使う電気の大きさ、kWhは一定の期間に使った電気の量を表します。消費電力が大きくても、運転を効率よく制御して年間の量が少ない製品もあるため、電気代を比べるならkWhを見ましょう。

判断軸4:年間の目安電気料金はわが家の単価で読み替える

ラベルの年間の目安電気料金は、決まった想定単価と標準的な使い方を前提に計算された数字です。実際の電気料金の単価は、契約している電力会社やプラン、地域、使用量、季節によって変わります。目安料金は「機種どうしの差の大きさ」をつかむには便利ですが、そのままわが家の電気代になるわけではありません。

確認の仕方

  1. 検針票や電力会社の会員ページで、ご家庭の電力量料金の単価(円/kWh)を確認する
  2. 候補の機種と今の家電の年間消費電力量の差(kWh)を出す
  3. その差に単価をかけて、1年あたりの電気代の差の目安をつかむ

段階的に単価が上がる料金プランでは、使用量によって単価が変わります。料金は地域や使用量で大きく変わるので、より正確に知りたいときは、契約先の電力会社の公式サイトにある料金シミュレーションで確かめてみてください。

差額だけで元が取れると考えない

ラベルの目安料金の差額だけを見て「何年で元が取れる」と計算し、実際には思ったほど電気代が下がらなかった、という声は少なくありません。冷蔵庫なら扉の開け閉めの回数や詰め込み具合、エアコンなら在宅時間や設定温度、住まいの断熱によって、使う電気の量は大きく変わります。差額は「条件がそろえばこのくらい」という目安として受け止めると、期待とのズレが小さくなります。

判断軸5:容量・能力は暮らしのサイズに合わせる

省エネ性能が高くても、暮らしに対して大きすぎたり小さすぎたりすると、その性能を活かしきれません。冷蔵庫は、容量と年間消費電力量が必ずしも比例しないため、「小さいほうが省エネ」とも「大きいほうが効率的」とも言い切れません。容量だけで決めず、同じくらいの容量の候補をラベルの数字で比べるのが基本です。

エアコンは、部屋の広さに対して能力が足りないと、無理な運転が続いて効率が落ちやすくなります。反対に、必要以上に大きな能力の機種は本体価格が上がりやすく、暮らしに見合わない投資になりがちです。カタログの「〇畳の目安」は建物の構造によって幅があるので、住まいの断熱や日当たりもあわせて考えましょう。

確認の仕方

  • 冷蔵庫は、家族の人数に加えて、まとめ買いや食材宅配、作り置きをどれくらいするかから必要な容量を考える
  • 冷蔵庫の設置スペースと搬入経路(廊下・ドアの幅)を測っておく
  • エアコンは、部屋の広さに加えて、木造か鉄筋か、日当たりや窓の大きさを販売店に伝えて能力を相談する

「大は小を兼ねる」が裏目に出るとき

大きめの冷蔵庫を選んだものの中がスカスカのまま使っている、あるいは逆に小さすぎて常に詰め込み、冷気の通り道がふさがってしまう。どちらも、せっかくの省エネ性能を活かしきれていない状態です。エアコンでは、リビングとつながった空間を一部屋として計算せず、能力不足で夏場にフル稼働が続くこともあります。今の暮らしだけでなく、数年先の家族構成の変化も想像しておくと、長く付き合える一台を選びやすくなります。

判断軸6:買い替えるか、手入れで延ばすかを決める

省エネ性能の高い新製品は魅力的ですが、家電を一台つくるにも資源とエネルギーがかかり、買い替えれば今の家電を手放すことになります。まだ十分に動いている家電なら、手入れで性能を保ちながら使い続けることも、立派な省エネの選択肢です。「省エネだから買い替える」ではなく、今の一台と新しい一台を同じ物差しで比べてから決めましょう。

確認の仕方

  • 判断軸3・4の方法で、今の家電と候補の機種の電気代の差を1年あたりで出し、本体価格と並べてみる
  • 冷えが悪い、異音がする、霜が付きやすいなど、不調のサインが出ていないかを確かめる
  • エアコンはフィルターの掃除、冷蔵庫は詰め込みすぎない・壁との間に放熱のすき間をとる・ドアのパッキンの汚れを拭くなど、手入れで改善できる余地がないかを先に試す
  • 買い替える場合は、古い家電の引き取り方法と費用を購入前に販売店へ確認しておく

エアコンの手入れの手順は、エアコンの節電と掃除のコツをまとめた記事で詳しく紹介しています。

早すぎる手放しと、不調の放置

売り場で星の多い新製品を見て、まだ問題なく動いている家電を早めに手放してしまうこと。そしてその反対に、明らかに不調なのに「もったいない」と使い続け、電気代がかさんでいることに気づかないこと。方向は逆でも、どちらも年間消費電力量という同じ物差しで比べれば判断しやすくなります。

3. 冷蔵庫とエアコンで見るポイントの違い

同じ省エネラベルでも、冷蔵庫とエアコンでは使い方が大きく違うため、注目したい点も変わります。これは一般的な傾向をまとめたものですが、選ぶときと使うときの目安にしてみてください。

項目 冷蔵庫 エアコン
使い方の特徴 一年中、昼も夜も動き続ける 季節や時間帯によって使う量が大きく変わる
ラベルで特に見たい点 同じくらいの容量の機種どうしの年間消費電力量 部屋に合った能力の区分の中での年間消費電力量・APF・星の数
電気代に効く使い方 詰め込みすぎない、扉の開け閉めを減らす、放熱のすき間をとる フィルターの掃除、無理のない設定温度、室外機のまわりをふさがない
長く使うための手入れ ドアのパッキンや庫内の掃除 フィルターやルーバーの定期的な掃除

冷蔵庫は止めることのない家電なので、年間消費電力量の差が毎日少しずつ積み重なります。エアコンは、ラベルの数字が良くても使い方や住まいの断熱で結果が変わりやすい家電です。カーテンやすき間対策など、住まいの側の工夫とセットで考えると、性能をしっかり引き出せます。

4. あなたはどのタイプ? 次の一歩の選び方

タイプごとの話の前に、買い替えの線引きをひとつ。星の数や目安電気料金だけを理由に、まだ問題なく使える家電の買い替えを決めるのは向いていません。冷えない、異音がするといった不調があり、修理費がかさみそうなときが、買い替えを検討するタイミングです。

タイプA:まだ使える家電を長く使いたい人

今の冷蔵庫やエアコンが元気に動いているなら、判断軸6の手入れから始めるのがおすすめです。フィルターの掃除や冷蔵庫の詰め込みの見直しは、今日からできて費用もかかりません。そのうえで、型番から今の家電の年間消費電力量を調べておけば、いざ不調が出たときにすぐ新しい機種と比べられます。

タイプB:故障や不調で買い替えが決まっている人

買い替えが決まっているなら、判断軸3〜5を中心に候補をしぼりましょう。容量や能力をそろえたうえで年間消費電力量(エアコンならAPFも)を比べ、わが家の単価で電気代の差を読み替えると、本体価格の差とのバランスが見えてきます。星の数や達成率は、最後に迷った2台を比べるときの決め手として使うと便利です。

タイプC:家族構成や住まいが変わった人

子どもが生まれた、独立して人数が減った、引っ越して部屋の広さが変わったという方は、判断軸5の「暮らしのサイズ」から見直すタイミングです。食材宅配や作り置きを始めて冷蔵庫の使い方が変わることもあります。今の暮らしに合わなくなった家電は、性能よりもサイズのずれが電気代のムダにつながっていることがあります。

タイプD:家電と一緒に電気の中身も見直したい人

家電の省エネで使う電気の量を減らしたら、次は「どんな電気を使うか」に目を向けるのもひとつの方法です。電気のプランを選ぶときは、再生可能エネルギーで発電した電気そのものを届けるプランと、非化石証書を組み合わせて「実質」再エネとしているプランを区別して見ることが大切です。

非化石証書は、再エネなど化石燃料を使わない電源が持つ環境価値を証書にしたもので、電気と組み合わせることでCO2の排出を実質ゼロとみなす仕組みです。言葉の違いを知ったうえで、わが家が無理なく続けられるプランを選ぶのが、長く付き合うコツです。電気を選ぶことを暮らし全体の見直しとして考えたい方は、ゼロウェイストな暮らしと電気の選び方の記事もあわせて読んでみてください。

省エネラベルは、星の数は同じ区分の中で比べ、省エネ基準達成率で基準をどれだけ上回るかを見て、年間消費電力量(kWh)を物差しにし、目安電気料金はわが家の単価で読み替える、という順で読むと迷いにくくなります。エアコンならAPFも同じ区分の中で見比べましょう。そこに、暮らしに合った容量・能力かどうか、そして今の家電を手入れで延ばせないかという2つの視点を加えれば、「省エネだから買い替える」ではなく「長く付き合える一台を選ぶ」判断ができるはずです。

次の一歩として、今使っている冷蔵庫やエアコンの型番を確かめ、年間消費電力量を調べてみてください。家電以外にも家庭でできる工夫を知りたい方は、家でできる省エネアクションの記事が参考になります。電気代とCO2を少しずつ減らして生まれた余白を、あなたなら何に使いますか?

「ライフスタイル」の関連コラム

The following two tabs change content below.

Life Hugger 編集部

Life Hugger(ライフハガー)は暮らしを楽しむヒントを紹介するウェブマガジンです。消費や暮らしをサステナブルな方向へと変えていきたいと考えている人に向け、サステナブルなライフスタイル、丁寧な暮らし、子育て、農と緑、健康、家事、レジャーなどに関する情報を紹介しています。
Instagram/Twitter