世界140か国以上で親しまれている「レゴブロック」は、サステナブルな素材の開発から7年の時を経て、2021年6月23日、使用済みペットボトルを再利用した「レゴⓇブロック」の試作品を公開した。リサイクル素材を使用したブロックの開発は、レゴグループとして初めての取り組みである。
今回の発表は、レゴグループが2015年に掲げた目標「2030年までにレゴの全てのパーツを持続可能な資源由来のプラスチックにする」における、最新の開発成果といえる。
同社では、サステナブルな素材について、「再生可能またはリサイクルされた資源を用いて責任を持って生産されること、廃棄物の発生がほとんどないこと、持続可能な化学物質を使用していること、そして製品寿命が尽きたときに完全にリサイクル可能であること」と定義している。
今回の試作品に使われている再生プラスチックは、米国食品医薬品局(FDA)および欧州食品安全機関(EFSA)が承認したプロセスを採用している米国のサプライヤーから調達したもの。平均して1リットルのペットボトルから2×4のレゴⓇブロック10個分の原材料が得られるという。また、耐久性を上げるための工夫も凝らされている。製品化に向けて、これから1年ほどかけて品質テストや開発作業を実施していく予定だ。
レゴグループには、子どもたちから環境に配慮した持続可能な素材の使用を望む声が多く寄せられている。同社の環境責任者は、「子どもたちが再生プラスチックを使ったブロックで遊べるようになるまでにはまだ時間がかかりますが、私たちが取り組んでいることを子どもたちに伝え、実現までの道のりを一緒に歩んでもらいたいと思っています。」と語っている。
世界ではプラスチック・フリーへ転換する様々な動きがある中、日本国内に目を向けてみると、1人あたりのプラスチックごみ廃棄量は、アメリカに次いで世界で2番目に多い。過剰包装や食品トレイなど、使い捨て文化からの脱却が求められているが、今後、おもちゃ業界の脱プラへの動きも益々加速していくのではないだろうか。
【参照サイト】レゴ公式サイト
【参照ページ】第三章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて(環境省)
【参照ページ】第3節 プラスチックごみ問題の解決に向けて(消費者庁)
せきざわ はるか
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